トレインスポッティング Trainspotting

●「トレインスポッティング Trainspotting」
1996 イギリス Channel Four Films,Figment Films,The Noel Gay Motion Picture Co. 93min.
監督:ダニー・ボイル 原作:アーヴィン・ウェルシュ
出演:ユアン・マクレガー、ユエン・ブレムナー、ジョニー・リー・ミラー、ロバート・カーライル他
e0040938_20555422.jpg
<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>
なんで今頃か、というと、先日ダニー・ボイルの作品を観て、この人をもう少しディグして見たくなった
から。短い映画だけど、迫力満点、ぶっ飛びました。何か大仕掛けがあるわけではないのだが、あるいは、
個人的にはここに描かれているヤク中は嫌いなんだけど、映画としては「世の中の下らないゴミの様な
人間をここまで活写した映画があるか!」と思わせた。

1960年台後半、人種問題やベトナム問題で閉塞していたアメリカで、それまでのハリウッド映画の
語法を一切否定した、「イージーライダー」や「俺たちに明日はない」などの映画が出てきて、
私としてそれを見たときのような感覚(衝撃とまではいかない)を受けた。
オフビート感とか、カルト的、とか言うのは易しいが、個人的にはなんとも新しい感覚の映画だった。
アウトサイダーを描く映画は多いが、「意味のない素材に意味を持たせた」というところが凄い。
反体制とか反権力が臭わない(結果的にそう感じられる人がいても)のが今日的だ。出演者全員が
スコットランド出身で、舞台もスコットランドのグラスゴー。映画ではスコットランドはクソだそうだ。
で、この映画、何を言おうとしているの?と聞かれると困るのだけれど、隠しテーマは相当深刻だ。
ヤクとセックスだけの青年たちに未来はなかろうなあ、とは思うけど、これも彼らの人生だから。
誰が作り出したかは問題だけど。

登場人物たちは、世の中のどうしようもないクズでヤク中で、やっていることは、どうしたらヤクを
手に入れることが出来るか、その資金をどうひねくりだすかや、女とヤルことばかり。語りもする主人公
マーク・レントン(マクレガー)が一番マトモそうだけど、ヤクを止めると何回言っていることか。
「やめるまえに一発キメる」のが常で、ラストシーンでみんなの金を一人でガメて逃げる時、この金で
ヤクを止めて新しい人生を始めるんだ、みたいなことを言って笑顔になるのだが、こいつ、絶対
ヤクはやめられないだろうな、と観ている人は思うだろう。

クソみたいなやつらを瑞々しく生き生きと描く、とはどういうこと?という感じもするのだが、
映画を観た素直な感想がそうなんだから仕方がない。脚本がいい。出てくる奴らがとことんダメで
クソなのが徹底していて、その徹底ぶりがむしろ気持ちいい。映像もいい。
昨年続編が公開されたが、そっちも絶対に観てみよう。その後あのクソたちはどうなったのだろうか?

トレインスポッティングとは、イギリスの人の多くもなんのことか分からない言葉だそうだが、
ネットで調べると、エディンバラにあるジャンキーの集まる操作場のことだそうで、ドラッグの取引や
ドラッグを使用することそのものも指す言葉のようだ。
e0040938_20562704.jpg
<ストーリー>
ヘロイン中毒に陥った若者たちの生態を、斬新な映像感覚で生々しく描いたドラマ。監督はテレビの演出を
経てデビュー作「シャロウ・グレイヴ」をヒット作に押し上げたダニー・ボイルで、監督第2作の本作は
カンヌ国際映画祭で話題を集め、またアメリカでもヒットを記録。
原作はイギリスでカルト的人気を誇るアーヴィング・ウェルシュの同名小説(邦訳・青山出版社刊)。
製作のアンドリュー・マクドナルド(「赤い靴」「黒水仙」の監督エメリック・プレスバーガーの孫)。
主演は「シャロウ・グレイヴ」に続き起用された新進ユアン・マクレガー。共演は「リフ・ラフ」「司祭」の
ロバート・カーライルほか。また原作者のアーヴィング・ウェルシュも小さな役で顔を出している。

マーク・レントン(ユアン・マクレガー)は平凡な生き方よりも、「誠実で真実あふれる麻薬の習慣」を
選んだ麻薬常習者の青年。彼は何度目かの麻薬断ちを決めた。仲間のシック・ボーイ(ジョニー・リー・
ミラー)も麻薬を止めるが、それはレントンに嫌がらせをするためだ。麻薬よりも健全な性欲を満たすべく、
レントンたちはディスコに行く。そこで彼はダイアン(ケリー・マクドナルド)という美女に魅かれて
彼女の家でセックスする。
翌朝、彼はダイアンが実は高校生だと知る。レントンたちは再び麻薬を始めた。それまで麻薬はやらなかった
トミー(ケヴィン・マクキッド)も、恋人に振られた腹いせに麻薬を打ってくれという。皆が麻薬に耽っている
間に、仲間のアリソン(スーザン・ヴィドラー)の赤ん坊が死んでいた。実はその赤ん坊の父親だったシック・
ボーイは泣く。皆は慰めにさらに麻薬を打つ。レントンとスパッド(イーウィン・ブレムナー)が万引きで
捕まり、スパッドは刑務所に。執行猶予になったレントンは本気で麻薬をやめようとして、禁断症状で地獄の
苦しみを味わう。トミーは注射針からエイズに感染していた。麻薬を止めたレントンはロンドンに出て不動産屋に
就職。だがそこに故郷の仲間たちが押しかける。まずは強盗で逃走中のベグビー(ロバート・カーライル)、
それにポン引きになったシック・ボーイ。やがて彼は二人のせいでクビになり、3人そろって故郷に帰ると、
トミーの葬式が行われていた。葬式のあとシック・ボーイが多量の麻薬取引の話を持ち出す。レントンは嫌々
ながら仲間に説得され貯金を提供する。

ベグビー、シック・ボーイ、スパッドの3人は2キロのヘロインを抱えてロンドンへ行き、1万6千ポンドで売る。
その晩、レントンは儲けの入った鞄を持ち逃げする。翌朝、ベグビーが激怒して暴れ出し、警察に逮捕される。
レントンはスパッドにだけは4000ドルの分け前が渡るように手配していた。彼はこれから、普通の生活をして
ゆくつもりだ。(Movie Walker)

<IMDb=★8.2>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:90% Audience Score:93%>







トラックバックURL : http://jazzyoba.exblog.jp/tb/25912427
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
by jazzyoba0083 | 2017-07-12 16:30 | 洋画=た行 | Trackback | Comments(0)