踊るアメリカ艦隊 Born to Dance

●「踊るアメリカ艦隊 Born to Dance」
1936 アメリカ MGM 105min.
監督:ロイ・デル・ルース
出演:エレノア・パウエル、ジェームズ・スチュアート、ヴァージニア・ブルース、ウナ・マーケル他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
昭和11年の作品。いきなり古いやつが出てきてすみません。この手の映画も好きなので。そもそも
こうしたレビューや古いミュージカル映画を観るようになったのは、ジャズのスタンダードに、こうした
映画で使われた曲が多いんです。本作でも名作曲家コール・ポーターのペンになる「I've got you under
my skin」「Easy to Love」が大スタンダートとなっています。そうした名曲を追いかけているうちに、
1930年代から60年代にかけてのRKO映画、MGM、コロムビアの名作の数々が大好きになってっいった
という訳です。

「踊る~」シリーズでは、本作でも天才ぶりを発揮しているエレノア・パウエルが、フレッド・アステアと
踊るデュオのタップシーンはあまりにも有名ですね。「トップ・ハット」「パリのアメリカ人」「雨に
唄えば」「上流社会」から「南太平洋」「サウンド・オブ・ミュージック」あたりまで、ほんとに名曲が
揃っています。

閑話休題。私が住んでいる町では、月に1回、こうした古いミュージカルやオードリー・ヘプバーンの古い
映画などをタダで上映してくれる催事があるんです。

で、金曜日は休みだったので、午前の部のこれと、午後は「麗しのサブリナ」を観てきました。市民会館の
中になる小ぶりながらいい劇場で、音響も良く、楽しませて貰いました。満員です。なぜビデオでも
観られるのに出かけたか、というと、いまや大きな画面でこうした古い映画を観ることは叶わないからです。
家の55インチのテレビも叶いません。

再び閑話休題。本作はこの頃よくあった軍隊仲間の恋物語をベースに、コメディタッチでミュージカルに
したもので、天才タッパー、エレノア・パウエルの素晴らしいタップを観ることができます。太ももは
ちょっと筋肉質ですが、やはり上手い。それと、これが映画音楽の一作目となるコール・ポーターの
ペンも冴える。珍しいジェームズ・スチュアートの歌声を聴くことが出来る。ストーリーも驚くような
ものではないけど、気持ちよく観られ、当然ハッピーエンディングである。
本物の潜水艦も出てくるから、米海軍協力の下製作されたと思われるが、軍隊にユーモアなどもっての
他、とする教条主義の日本では絶対に作れない種類の映画。心をすっからかんにして楽しむのがマナーと
いうものです。
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<ストーリー>

「踊るブロードウェイ」と同じくエリーナー・パウエル主演、ロイ・デル・ルース監督、ジャック・マッゴワン、

シド・シルヴァース共同脚色になる映画で、原作はマクゴワン、シルヴァースが更に「ハリウッド征服」の

B・G・デシルヴァと共に書卸した。

相手役は「結婚設計図」「妻と女秘書」のジェームズ・スチュアートが勤め、「踊るブロードウェイ」の

シド・シルヴァース、ユーナ・マーケル、フランセス・ラングフォード及びバディー・エプセン、

「巨星ジーグフェルド」のヴァジニア・ブルース、「サンクス・ミリオン」のレイモンド・ウォルバーン、

「丘の彼方へ」のアラン・ダインハート等が助演するほか、芸人連が出演している。

撮影は「妻と女秘書」「支那海」のレイ・ジューンの担当、舞踏振付は「踊るブロードウェイ」のデーヴ・

ゴールドが受持った。


テッドと相棒のガニイ、マシイの三人はアメリカ潜水艦の乗組員で、四年間の航海を終わってニューヨークへ
帰った。ガニイは出発直前に結婚した女房のジェニイハ未だ自分を好いていてくれるかと気にかけている。
ジェニイはロンリーハーツクラブに勤めて、夫の出発後可愛い娘の子をうんだのであるが、今までそれを彼に
打ち明ける機会がなかった。

このクラブに踊子を志願して田舎から上京したノラという娘がいて、ジェニイと仲良しであった。
テッドとガニイはジェニイに会うためクラブへやってきたが、それ以来ノラはテッドと恋し会う仲になった。
ところが潜水艦を見学に来た名女優ルシイが、偶然のことからテッドと知合いになったのを、彼女の宣伝部員
マッケイがうまく宣伝に利用したが、ルシイはこの時から本当にテッドに恋をしてしまった。

テッドはマッケイに頼んでルシイの一座にノラを採用してもらう。初日が近づいたのでマッケイは宣伝のため
ルシイとデッドの婚約を発表しようとするが、彼を本心から愛しているルシイは、二人の仲を新聞に発表したら
一座を脱退するといきまく。
テッドは海軍をやめたが、ルシイとの仲を聞いたノラは彼に嫌われたものと思って会おうとしない。しかし
テッドはルシイのことなど全然関心がなく、かえってっさくを案じて初日を控えた日に、新聞記者を集めて
ルシイとの婚約を発表してしまった。これを見たルシイは腹を立てて即座に脱退した。スターの無くなった一座へ、
テッドは計画通りノラを推薦し、彼女は一躍主役を演ずることになった。興行は見事大成功を収め、ノラは
その間の事情を初めて知ってテッドとめでたく結婚した。一方ガニイは女房ジェニイの冷遇に憤慨して又海軍に
入り四年間の航海に就いた。(Movie Walker)

<IMDb=★6.8>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:---- Audience Score: 52%>



by jazzyoba0083 | 2017-07-13 11:45 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)