めぐりあう時間たち(2度目)

●「めぐりあう時間たち The Hours」
2002 アメリカ Milamax Films,Paramount Pictures,115min.
監督:スティーヴン・ダルドリー  原作:マイケル・カニンガム
出演:メリル・ストリープ、ジュリアン・ムーア、ニコール・キッドマン、エド・ハリス他
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     <2002年度アカデミー主演女優賞(キッドマン)他 受賞多数作品>
 
<評価:★★★★★★★★☆☆>
<感想>

本作は2008年に一度観ている。その時の感想http://jazzyoba.exblog.jp/8591718/ を
ご参照ください。その時期はまだ評価、というものをしていなかったので、今回の
再見を終わり、★8とさせて頂きました。

いま自分の9年前の感想を読むと、なかなかちゃんと観ているな、と我ながら
ほくそ笑んでしまいました。 時代と設定を変えて、ヴァージニア・ウルフの
書いた「ダロウェイ夫人」を巡る3人の女性の生き方を、シーン転換も実に
上手く構成し、見せていく。1800年代のイギリス、1950年代のLA、そして
現代のNY。時制の行き来などあり、また結構「メタファーのかたまり」みたいな
映画なので、難しいとは思いますが、多くの方は、ラスト近くで、ジュリアン・
ムーアがメリル・ストリープを尋ねてくるところで、1つカタルシスがあるでしょう。

初見のときも書きましたが「不安」の映画。自分の信じる拠り所を求めて苦悩し、
精神にいささかの異常をきたしてしまう。女であることの鬱々さに、観終わって
暗くなってしまう人もいるでしょう。暗く明るくない映画ですが、訴えてくるものは
多いと思いました。

ヴァージニア・ウルフの生活は原作通りかなり現実に忠実に構成されていて、
抑鬱気味の生活の中で、自分がいなければ夫が幸せになれると、ポケットに
石を入れて川に入水自殺したのも本当のこと。読まれる手紙もほぼリアルです。

「自分の存在と何か」という、「実存主義的な」問いかけをしてくる作品だ。
しかし、映画を観ている人は必ずしもそれに答える必要はない。ドラマだから。
自分なりに何かが得られればいいし、つまらん映画だ、と思う人もいるだろう。

原作があるとはいえ、よく構成され、よく演技され、画作りも工夫された
一級の映画であることは確かでしょう。
映画の詳細については、所見のリンク先にも書いてありますが、再掲しておきます。

<ストーリー>
1923年、ロンドン郊外のリッチモンド。作家のヴァージニア・ウルフ(ニコール・
キッドマン)は、病気療養のために夫レナード(スティーヴン・ディレイン)と
この町に住み、『ダロウェイ夫人』を執筆していた。そんな彼女のもとに、
姉のヴァネッサ(ミランダ・リチャードソン)たちがロンドンから訪ねてくる。

お茶のパーティーが終わり、姉たちが帰ったあと、ヴァージニアは突然駅へと急ぎ、
追ってきたレナードにすべての苦悩を爆発させる。その悲痛な叫びにより、
レナードは彼女と共にロンドンへ戻ることを決意するのだった。

1951年、ロサンジェルス。主婦ローラ・ブラウン(ジュリアン・ムーア)は妊娠中。
夫のダン(ジョン・C・ライリー)は優しかったが、ローラは彼が望む理想の妻で
いることに疲れていた。今日はダンの誕生日。夜のパーティーを準備中、
親友キティ(トニ・コレット)がやってきて、腫瘍のため入院すると彼女に
泣きながら告げる。
やがてローラは、息子のリッチー(ジャック・ロヴェロ)を隣人に預け、大量の
薬瓶を持って一人ホテルへと向かう。その部屋で彼女は『ダロウェイ夫人』を
開きながら、膨れた腹をさするのだった。

2001年、ニューヨーク。編集者のクラリッサ・ヴォーン(メリル・ストリープ)は、
エイズに冒された友人の作家リチャード(エド・ハリス)の受賞パーティーの
準備をしていた。彼女は昔、リチャードが自分につけたニックネームミセス・
ダロウェイにとりつかれ、感情を抑えながら彼の世話を続けてきた。しかし
リチャードは、苦しみのあまり飛び降り自殺。パーティーは中止になったが、
そこにリチャードの母親であり、家族を失ってしまったローラが訪ねてくるのだった。

<IMBD=★7.7>
<Rotten Tomatoes=Tomatometers:81% Audience Score:84% >



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by jazzyoba0083 | 2017-07-20 23:35 | 洋画=ま行 | Trackback | Comments(0)