独立愚連隊

●「独立愚連隊」
1959 日本 東宝映画 配給:東宝 109分
監督・脚本:岡本喜八
出演:佐藤允、中谷一郎、上村幸之、三船敏郎、中丸忠雄、南道郎、瀬良明、雪村いずみ、鶴田浩二、他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
岡本喜八の作品はだいぶ時代が下ってからの「大誘拐RAINBOW KIDS」以外に観ていないので
特に贔屓ではないが、邦画の監督を語る上で外せない人の一人ではある訳で、この夏、WOWOWで
何本か放映があったので、録画して鑑賞してみた。

この映画は題名だけは知っていたが前知識は無しで見てみた。古い映画は音が聞こえづらい。
加えて軍関係の専門用語が入るので余計に分からない。よって後半からは字幕を付けて見た。

さて、普通のことはしない岡本喜八の出世作となった本作は、勝新太郎の軍隊モノとはまた趣が
違い、ユーモアと社会を斜にみたような作り方に特徴がある。先の戦争において満州でこの映画の
ようなことはありえないのだが、そこが岡本流なんだろう。それが岡本流戦争批判なのであろう。
かれは後に「日本の一番長い日」というオーソドックスな戦争映画を撮ることになる。

冒頭登場した佐藤允が何者なのか分かるまでにしばらく時間がかかる。しかし従軍記者ってあんなに
態度でかくて大丈夫なのっていうか、周りの将校を含め兵隊が、敬意を払う存在だったのだろうか?
(実は従軍記者ではないんだけど)

主人公の大久保はある部隊から脱走し、従軍記者になりすまして、兄の心中の真相を突き止めに
やってきたのだ。その一部始終が、資料によると、戦争西部劇ふうなタッチで描かれていく。
戦争映画が持つ重々しさ、帝国陸軍の持つ陰湿さ、そいうこれまで定形とされた軍の描き方では
なく、慰安婦や、馬賊も加わり、謎解き(というほどでもない)もあり、なかなかダイナミックに
描かれている。今見るとそう面白くも感じられないが、封切られた昭和34年はまだまだ世の中には
戦争映画に対する思い入れのある人が多く、本作は大ヒットし、「独立愚連隊西へ」という続編も
作られたという。岡本喜八の荒削りながらも旧来にない演出、役者の使い方などよく分かる映画。
岡本のこのシリーズは「血と砂」までの8本とされるが、あとは「血と砂」くらい見ればでいいかな
と思っている次第。
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<ストーリー:結末まで触れています
終戦近い北支戦線を舞台に、弟の死因を究明にやって来た元鬼軍曹の活躍を描いた日本版西部劇。
「ある日わたしは」の岡本喜八が助監督時代に書いた脚本を自ら監督した。撮影は「青春を賭けろ」の
逢沢譲。

第二次大戦も末期、北支戦線の山岳地帯で敵と対峙している日本軍に、独立愚連隊と呼ばれる小哨隊があった。
正式には独立第九〇小哨だが、各隊のクズばかり集めて作った警備隊なので、この名称があった。
独立愚連隊に行くには、敵の出没する危険な丘陵地帯を行かねばならない。この死地へ、新聞記者の腕章を
巻き、戦闘帽に中国服姿の男が馬を走らせていた。大久保という元軍曹だが、愚連隊小哨長をしていた弟の
死因を究明するために、入院中の北京の病院を脱走して来たのだ。従軍記者荒木となのっていた。

彼には弟が交戦中に情婦と心中したという発表は信じられなかった。彼は生前弟が使用していた居室から、
弟の死因となったピストルの弾を発見した。心中なら二発ですむわけだが、弾はいくつも壁にくいこんでいた。
部屋で死んだのだから、敵ではなく部隊内の誰かが犯人だ。
戦況はすでに破局に達していた。死んだ梨花の妹でヤン小紅という娘が現われた。荒木は、彼女から姉の形見だ
という紙片を見せてもらった。大久保見習士官が死ぬ直前に、部隊長宛に綴った意見具申書だった。
橋本中尉の不正を列挙し、隊の軍規是正を望むものだった。橋本中尉は、自分の不正がばれるのを恐れて
大久保を殺し、心中の汚名を着せたのだ。しかし、荒木の身許が橋本にバレた。荒木の北京時代の恋人で、
今は将軍廟で慰安婦をしているトミが荒木を追って来た。そして彼女は将軍廟の橋本からかかって来た電話に
出て、荒木の本名を口走ってしまったのだ。将軍廟に向うトミと荒木を乗せたトラックは途中で敵の砲撃を受け、
トミは死んだ。荒木も将軍廟に着くと営倉に投げこまれた。しかし、脱出して橋本を撃った。

--敵の大軍が押し入った。しかし、荒木は不思議に死ななかった。彼は馬賊の群に投じ、はるか地平線の
彼方に消えて行った。(Movie Walker)



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by jazzyoba0083 | 2017-08-06 23:40 | 邦画・旧作 | Trackback | Comments(0)