BFG:ビッグ・ジャイアント・フレンドリー The BFG

●「BFG:ビッグ・ジャイアント・フレンドリー The GFG」
2015 アメリカ Walt Disney Pictures,Amblin Entertainment,Reliance Entertainment.118min.
監督・(共同)製作:スティーヴン・スピルバーグ  原作:ロアルド・ダール「オ・ヤサシ巨人BFG」
出演:マーク・ライランス、ルビー・バーンヒル、ペネロープ・ウィルトン、レベッカ・ホール他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
スピルバーグの作品は基本的に全作映画館で観る、と決めいているのだが、本作のみは見送った。
子供向けかなあ、と二の足を踏んだからだ。でも今回WOWOWで観てみたが、大人でも、十分楽しい。

『E・T』でスピルバーグと組み、その脚本を書いたメリッサ・マシスンの遺作となった作品。
本作は、宮﨑駿もファンであることが知られる「チャーリーとチョコレート工場」でも有名な
イギリスの児童文学者ロアルド・ダールの本が原作。メリッサのオリジナルである『E・T』とは
違い脚色ということになるが、両者に通じるものは一緒だ。異形なものに(異質なもの)に
不要な警戒感・侮蔑感を抱かず、勇気と興味を持ち行動するチカラ=愛=を描いた。

スピルバーグはディズニーと組んで、ダールの親子で楽しめるこの物語を圧倒的なVFXを駆使して
原作に沿ったイメージを作り上げることに成功している。心優しい大男と、子供の話は世界中に
散見され、特に珍しいものではない(ジャックと豆の木、でーたらぼっちなどなど)。ただ、
優しい巨人の仕事が「夢を集め、子どもたちに吹き込む」という対比的なポジションであることの
印象が強く働き、これに少女ソフィーの勇気が加味され、英国王室を動かし、悪い巨人をやっつける
というカタルシスへと導いている。悪い巨人たちも、殺さずに孤島に閉じ込める。

今世界を席巻している不寛容の精神とは対比的な「ヘテロなものへの理解」と勇気と行動。これは
大人が観て感じても十分に通じる感想だと思う。原作を知らずに観始め、中世の話だとばっかり
思っていたら、現代の話なのね。私としては英国女王が出てきてからのシーンがお気に入り。
思ったんだけど、BFG、トイレはどうしているんだろうなあ。^^;

ユニークかつ傑出した映画ではないけれど、観た人の心が暖かくなるディズニー共通の感想を
持てる良作であろう。
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<ストーリー>
『チャーリーとチョコレート工場』などで知られるロアルド・ダールによる児童文学を、スティーヴン・
スピルバーグ監督が映画化したファンタジー・アドベンチャー。10歳の少女の勇気が、大きな巨人を動かし、
イギリス最大の危機を救うさまを描く。
『ブリッジ・オブ・スパイ』のマーク・ライランスが心やさしき巨人を演じる。

ロンドンの児童養護施設で暮らすソフィーは、ある夜一人起きていると、町を行くとてつもなく大きな男と
目が合う。するとその大きな男は手を伸ばし、ソフィーを掴んで巨人の国に連れて行ってしまう。彼は夜な
夜な子どもたちに夢を届けている心優しい巨人BFG、ビッグ・フレンドリー・ジャイアントだった。
次第に心を通わせていく二人に、奇想天外な冒険が待ち受けていた。(Movie Walker)

<IMDb=★6.4>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:74% ,Audience Score:58%>




by jazzyoba0083 | 2017-09-05 22:50 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)