猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー) War for the Planet of the Apes

●「猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー) War for the Planet of the Apes」
2017 アメリカ Chernin Entertainment (Dist.,20th Century Fox) 140min.
監督・(共同)脚本:マット・リーヴス
出演:アンディ・サーキス、ウディ・ハレルソン、スティーヴ・ザーン、アミア・ミラー、カリン・コノヴァル他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想:ネタバレに近い内容なので、これから鑑賞する方はお気をつけください>

第一作の、あの砂浜に埋もれた自由の女神の作品に繋がるリブート版最終作。(と思う)
この三部作は結局シーザーの一生を描いたことになるのだ。前2作がとても好きだったので
最終章と聞いたからには何が何でも観ておくべき、と3D IMAX上映のシネコンまで遠征して鑑賞
してきた。2時間20分。長いが、長さは感じない。それだけ緊張感は継続出来る作品として
出来上がっていたとは思う。思うが、リブート3部作の中では一番内省的で、ある意味地味である。
そしてシーザーの映画そのもの、と言い切れる作品だ。前二作でも当然シーザーは主役(級)では
あったが、人間との関わりが主題の大きな部分を占めていた。しかし、本作は全編基本的にシーザー物語。

全作の新世紀(ライジング)のストーリーが好きだな、という人はちょっと違和感を感じるかも
知れない。というのは本作は人間目線の描き方は全くされておらず、終始エイプ目線だからだ。
それが一貫した迫力を生んでいる、という点は否定しないが、私としてはもうちょっとバラエティが
欲しかったかなあ、という感じ。これはこれで作品としてきちんとまとまっているし、面白くて観る価値の
ある(特にリブートを見てきた人には)作品だとは思う。

原題の最初の単語がwarなので、全編徹底して戦いを描く。猿の仲間でも人間に使われ「ドンキー」と
呼ばれ平穏を得ている猿との間のことなどもあるが基本は、猿を殲滅しにくる人間対エイプの戦いの
物語である。
人間との戦いで、妻と子供の一人を、殺され、復習の鬼となるシーザーは、前作でコバという
復讐に駆られた仲間のエイプをあれだけ非難していたのに、「俺はコバになってしまった」と
いわしめるほどの復讐心に燃えるのだ。まあ、最愛の妻と子供を殺され、もう一人の子供が拉致されて
いる状態では、見ている方はシーザーの心は分かりすぎるほどで、人間なのに思いっきり猿を応援しちゃう
んだけどね。

だが、部隊を率いる大佐を追っているうちに、率いなければならなかった仲間は大佐に囚われ壁作りの
苦役をさせられていた。

大佐を一人で追いかけようとするシーザーにロケットやモーリスらの数匹が仲間に加わり、途中で
誤って殺してしまった脱走兵と一緒にいた少女(ノヴァと名付けられる)が同行、さらにバッド
エイプというお笑い担当も加わり、大佐に迫る。しかし、結局シーザーは大佐に捕らえられてしまう
のだが。復讐鬼となるシーザーに対し、「仲間と共に」というテーゼの暗喩的存在がノヴァだ。
それにしても、大佐はなんであんなに簡単に自殺しちゃったのか、そのあたり良くわからなかった。
何か見落としたのかな。

囚われたシーザーが仲間の手を借りて脱走、大佐を攻撃する他の人間の攻勢、そして自然の怒り、
地球に住む同士、何をやっているのかという神の怒り的暗喩(だと感じた)大雪崩の発生などあたりが
ハイライト。そして結末と。(悲劇的だが)適切な終わり方だと思う。

書いてきて思ったのだが、映画としてはちゃんとしている。でも三部作では新世紀が一番好きだな。
本作もいいんだけど内省的で重く苦しく悲しい。(そここそ本作の狙い目なのだと思う。クドくてゴメン)
最後にあの自由の女神が何らかの形で出てくるかと思ったのだけれど、舞台はサンフランシスコあたり
だものなあ。これがどうやって舞台としてNYにつながっていくのか。チャールトン・ヘストンは
コーネリアス博士とノヴァとともに西海岸から東海岸まで歩いたということでOK?。本作でシーザーの
次男としてそのコーネリアスが、登場。1作目を観ていないと面白さが分からないところ。
そして口のきけない女の子ノヴァこそ1作目に登場するノヴァである。

シーザー、お疲れ様。ほんとにリブートはこれで終わりかなあ。スピンアウトとか出てきたり?
それにしてモーションキャプチャとVFXの出来はどんどん良くなる。
それと大佐のありようや地下の壁に書かれた「猿の黙示録」という落書きなど、他の映画への
オマージュにもニンマリだ。
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<ストーリー>
高度な知能を得て反乱を起こした猿たちと人類の戦いを描く、人気SFシリーズの第3弾。猿のリーダーで
あるシーザーがその使命感と家族を奪われた復讐心の狭間で葛藤する物語が描かれる。前2作に引き続き、
アンディ・サーキスがシーザーを演じる。監督は『猿の惑星 新世紀(ライジング)』のマット・リーヴス。

高度な知能を得た猿と人類の全面戦争が勃発してから2年後。シーザー(アンディ・サーキス)率いる
猿の群れは森の奥深くに身を潜めていたが、ある夜奇襲を受け、シーザーの妻と年長の息子が落命。
敵の軍隊を統率する大佐(ウディ・ハレルソン)への憎しみから、シーザーは仲間たちを新たな隠れ
場所に向かわせ、穏やかなオランウータンのモーリス(カリン・コノヴァル)やシーザーの片腕的な
存在のロケット(テリー・ノタリー)らを伴い復讐の旅に出る。

道中、口のきけない人間の少女ノバ(アミア・ミラー)や動物園出身の奇妙なチンパンジー、
バッド・エイプ(スティーヴ・ザーン)を加え、大佐のアジトである巨大な要塞にたどり着いた一行。
しかし復讐心に燃えいつもの冷静な判断力を失ったシーザーは、執拗に彼を狙う大佐に捕獲されてしまう。
そこで新天地に向かったはずの仲間たちがこの刑務所のごとき施設に監禁され過酷な重労働を課せられて
いることを知り、責任を痛感したシーザーは大切な仲間を希望の地へと導くため、命がけの行動に出る。
(Movie Walker)

<IMDb=★7.6>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:93% Audience Score:85%>





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by jazzyoba0083 | 2017-10-14 12:10 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)