ブレードランナー2049  Blade Runner 2049

●「ブレードランナー2049 Blade Runner 2049」
2017 アメリカ Columbia Pictures,Alcon Entertainment,Scott Free Productions and more. 164min.
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ  製作総指揮:リドリー・スコット他
出演:ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、アナ・デ・アルマス、マッケンジー・デイヴィス、
   シルヴィア・フークス、ロビン・ライト、ジャレッド・レトー他
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<評価:★★★★★★★☆☆☆>
<感想>
辛い評価となった。アメリカでの評価は高いが、客の入りとは比例していないようだ。本国でも本作の
出来については百家争鳴状態なのだが、まあそれだけBRファンが多いということで、論争も結構なこと
だと思うが、個人的には
        
            「5分で説明出来る映画を164分掛けて見せられた」

という印象が凄く強い。(他にもあるけどそれはおいおい)

<ここから先、かなりの怒りにかまけて、ネタバレしまくりますので、未見の方はご注意ください>

前作でレイチェルと姿を消したデッカードには、子どもがいた(!)ということから、倒産したタイレル社を引き
継いだ巨大企業が「レプリカントは生殖を獲得できるのか」という方向にストーリーを広げ、子どもを作れる
レプリカントで大儲けしようという巨悪(とその豪腕怪力女秘書ラブ)の存在を対立軸に、展開されていく
という仕立て。

次第に自分はデッカードとレイチェルの子どもではないか、と思い始める2049年のブレードランナー、K
(ゴズリング)の悩みと、しかし、子どもは女の子だったと証言される事態に直面し、自分の存在感を喪失し
つつある(本当は男女だけは別で全く同じDNAを持った子どもがいたはず)姿に悲しみがオーバーラップする。

要するに、メインストリートに脇道がやたらに多く、それが故に上映時間が長くなり、余計にストーリーが
分かりづらくなる。カットできるんじゃないか、あるいは短くしたほうがいいんじゃないかと思える冗漫な
シーンがあったりで、2時間に編集できたらもっと締まった映画になったと思う。

冒頭で「5分で説明できる映画を164分かけて見せられた」と書いたが、長くても、あるいはストーリーが
単純でも描かれるプロットやシーンに意味があれば、映画は長いと感じないはず。本作が「長いなあ」と
感じたのは、観ている人に興味のない脇道が多かった、あるいはカットできる長いシーンが多かったと
いう証左ではないか。

また、前作が制作された1982年では新鮮だった世界観も、今や私達が生きている時代が近づいてきてしまい、
混沌とした先が見えない暗い世界に、暗いまんまの映画を見せれても、鬱陶しくなるだけという点もあろう。
本作も前作と並び、映像は終始暗い。そしてストーリーも暗い。前作と比べるのは意味のないことかもしれないが、
いくらデストピアの物語とはいえ、見終えて映画館を離れる時、心がどんよりと沈んでしまう映画は、私は好きに
なれない。どこかすこしでも光明を感じたいのだ。「スター・ウォーズ」や一連のスピルバーグ作品にはそれが
あると思う。哲学的、高踏的、内省的、形而上的にテーマを見出そうとした制作陣の失敗だ。それは
前作に対する敬意の現れとしても、映画として面白くなけれが意味がない。ただの自己満足。

他方、美術、VFX、モデリングの造形、衣装、(プロダクションデザイン全体)、そして、オスカーの常連撮影
監督、ロジャー・ディーキンスの映像美はオスカーにノミネートされること必至なほど美しく計算されいていた。
私は物語よりそっちを注目してみていたくらいだ。一番好きだったのはエルビスのホログラムが出てきて
「愛さずにはいられない」を、ブチブチ切れる状態で舞台上で再生されるシーン。この歌にも意味を込めて
いるんだろうなあ。怪力豪腕秘書ラブの存在、いいけどよく分からない。自ら死んでいく時Kにキスするのは何?
そうした隘路を敢えて投げかけて、観る人に謎解きをしてもらって楽しんでもらおうというのか。手法としては
ありだろうが、本作に於いては、イライラが募るだけ。製作者の自己満足に終わってしまった。

大好きなハンス・ジマーの音楽も含め、全体がいろんな意味合いで「too much」な映画だった。
ラスト、デッカードは自分の娘と会ってカットアウトでエンドロールなのだが、「それがどうした」と
いう最後っ屁的なオープンエンド。う~む、期待が大きかった分、「怒り」が込み上げてきてしまった。

もちろん、ものすごく面白かった!と思えた人は幸いなり!本作を読み解いた人は幸いなり!
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<ストーリー>
2049年、カリフォルニアは貧困と病気が蔓延していた。労働力として人間と見分けのつかないレプリカントが
製造され、人間社会と危うい共存関係にあった。しかし、人類への反乱を目論み社会に紛れ込んでいる違法な
旧レプリカントは、ブレードランナーと呼ばれる捜査官が取り締まり、2つの社会の均衡と秩序を守っていた。

LA市警のブレードランナー・K(ライアン・ゴズリング)はある事件の捜査中に、レプリカント開発に力を
注ぐ科学者ウォレス(ジャレッド・レト)の巨大な陰謀を知ると共に、その闇を暴く鍵となる男、かつて
優秀なブレードランナーとして活躍していたが、ある女性レプリカントと共に忽然と姿を消し、30年間行方不明に
なっていたデッガード(ハリソン・フォード)にたどり着く。
デッガードが命を懸けて守り続けてきた秘密とは? 二つの社会の秩序を崩壊させ、人類の存亡に関わる真実が
明かされる……。(Movie Walker)

<IMDb=★8.4>
<Rotten Tomatoes=Tomatometer:88% Audience Score:81% >



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by jazzyoba0083 | 2017-11-13 16:30 | 洋画=は行 | Trackback | Comments(0)