スイミングプール&ニュースの天才&モンスター&マグノリア

「スイミング・プール・Swimming Pool」
(監督:フランソワ・オゾン フランス/イギリス 2003年 102分
出演:シャーロット・ランプリング、リュディヴィーヌ・サニエ他)

ヨーロッパ映画ですねえ。イギリス人の有名女流サスペンス作家サラは、出版社の社長が持っているフランスの別荘で新作に取り組むことになります。このフランスの風景、風、日の光が、暗く雨っぽいイギリスと違って、いいです。全編雨のシーンが無く、陽光サンサンという画面。
そこに社長の娘ジュリーが現れます。自由奔放で若さがはちきれそうなジュリーは庭のプールで日光浴。男を連れ込んだりとやりたい放題。サラはジュリーに自分が失ってきたもの、無いものを見ているようです。
ある日からサラはジュリーを主人公にした小説を書き始めます。そして、さまざまな事件を通して、ジュリーを理解するようになるのですが・・・。エンディングが不可思議な映画です。どう理解したらいいのか、良く判りません。それ以外は心地よい映画ではありました。
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「モンスター・Monster」
(監督:パティ・ジェンキンス アメリカ/ドイツ 2003年 109分
出演:シャーリーズ・セロン(アイリーン・ウォーノス)、クリスティナ・リッチ(セルビー)他

主演のシャーリーズ・セロンという女優さん、この映画で2003年のアカデミー賞主演女優賞他、あらゆる賞を総なめにした人なのですが、あいにく私は知りませんでした。
モンスターといっても怪獣映画ではなく、アメリカで実際にあった女性連続殺人魔の
悲しく、辛い人生を描いた実話映画です。セロンは、本当は物凄い美人なのですが、この役作りのために13㌔太り、マユ毛を抜き、歯を入れ歯にして、奮戦しました。実に良い演技です。
アイリーンは女優を夢見る少女でしたが、貧しさや家庭内暴力から娼婦に身を落とさずを得ず、13歳から体を売って幼い兄弟を養ってきたのでした。一方、同性愛癖を直すため親戚に預けられていたセルビー、この二人がある夜酒場で出会います。お互いに優しくされたことなどないのに、セルビーはアイリーンを美しいと言ってくれる。一方、アイリーンは客の暴力に耐えかねてある日、一人の男を射殺してしまいます。アイリーンはセルビーと逃げる意思を固め、娼婦から足を洗い、まっとうな職を見つけようとします。しかし、教養もないアイリーンを雇うような会社はあるはずもなく、セルビーと逃げる金を稼ぐためまた体を売るようになります。しかも、必ず客の男を射殺してしまうのです。絶望の中で。
実話だけが持つ、重さ。物語はこの後、悲劇的な結末になるのですが、見終わった後、アイリーンをただのアホな娼婦の殺人魔と思うか、セルビーは同性愛から抜けられない、人に頼るしか生きるすべを知らない幼い女と思うのか、は皆さんの勝手。
ただ、自分がその身に生まれたとしたら、一体どんな方法があるというのか、考えさせられます。重く暗い映画ですが、お見事!
しかし、いかに教養のない娼婦の映画とはいえ、「F○○K」という言葉がこれほど出てくるのは「フルメタルジャケット」以来か?
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「ニュースの天才 Shattered Glass」
(監督:ビリー・レイ アメリカ 1994年 94分
出演:ヘイデン・クリステンセン(スティーブン・グラス)、ピーター・サースガード(チャック)他

これも「モンスター」同様、実話に基づく映画。アメリカ大統領専用機にただ一冊おいてあるという週刊誌「ニュー・リパブリック」この歴史も名誉もある雑誌の最年少記者がグラスだ。彼は、少々お堅いこの雑誌にゴシップ風の記事をものして人気者だった。
ある日、「ハッカー天国」という特ダネを書いたが、同業誌から、クレームが付く。不審に思った新任編集長のチャックは、グラスに事実関係を問いただすが、グラスは必死に言い逃れ、逆に何故俺を守らないんだ!と逆切れする始末。
編集局の記者たちは、チャックが前編集長一派を追い落とそうとたくらんでいると、疑ってしまいます。しかしチャックは負けずに真相を追究していきます。最後の字幕解説で、登場人物のその後が明らかになると、ちょっと複雑な気分になりますが、何重にも張り巡らされたチェックをくぐって嘘の記事は出てしまう怖さを感じさせます。謎解きの描き方もいいですね。短い
映画でしたが、見ごたえは十分です。原題は「粉々に割れたガラス(グラス=人名を引っ掛けてある)」。日本のタイトルが軽い!
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「マグノリア・MAGNOLIA」
(監督:ポール・トーマス・アンダーソン アメリカ 1999年 187分
出演:トム・クルーズ、ジェレミー・ブラックマン、メリンダ・ディロン他)

これまた、大変な映画でした。3時間20分弱。しかし、であります。群像ドラマなので、ストーリーが様々に進行し、飽きるということはありません。へんちょこりんな映画ではありましたが、
アカデミー賞にノミネートされたのはなるほどです。因みにこの年の作品賞は「アメリカン・ビューティー」。私はどこか村上春樹の小説を読んでいるような気分になりましたね。
男性至上主義者で作家のトム・クルーズ、死にかけのTVプロデューサーと、その若い妻(財産狙い?)、また面倒を見ている看護師、33年も続いている人気テレビクイズ番組の老司会者(実は癌)とその妻、そして口を利いてくれない娘、この娘に惚れる警察官、昔クイズ番組に出て天才少年とはやし立てられ、今はただの電気屋の店員、クイズ番組で8週も勝ち抜いている少年と父親。彼らの1日が、「偶然」というキーワードで描かれていきます。何といっても圧巻はエンディングの大騒動!これぞ村上春樹ワールド!。長い映画ですが、楽しめます。しっかり見ていないと筋が良く判らなくなります。何せ登場人物が多く、彼らがだんだんお互いに関係しているんだなとわかるまでに時間がかかりますから。「過去を捨てても過去は追いかけてくる」
「過去は俺にとって何の意味もない」など、結構宗教っぽいセリフも。「人間そんなに悪いもんじゃない」「朝の来ない夜はない」などが、この映画に当てはまるかな。タイトルのマグノリアはモクレンの花。花言葉は「威厳」ですが、映画のタイトルがなぜマグノリアかは判りません。
by jazzyoba0083 | 2006-01-22 20:19 | 洋画=ま行 | Comments(0)