雨あがる

●「雨あがる」

1999年 東宝・アスミックエース 91分 監督:小泉堯史 原作:山本周五郎 脚本:黒澤明
出演:寺尾聰、宮崎美子、三船史郎、吉岡秀隆、仲代達矢、ほか


人に尋ねられれば、迷わずお勧めできる、上質な邦画です。時代劇だからと
いって、とりたてて構える必要も無く、歴史の知識も要らない、肩の力を
抜いて観て、観終わったあとには心が洗われた様な爽やかさが残る、
掌編です。
山本周五郎の短編を黒澤明が脚本にし、映画になる前に黒澤監督が
亡くなってしまい、残された「黒澤組」の人たちの手で、仕上げられました。
監督の小泉は長く黒澤監督の助監を勤め、黒澤美学をよく知り
尽くしている人。この後「阿弥陀堂だより」、今公開中の「博士の愛した数式」を
寺尾聰と組んで作り上げていきます。

長雨が続く、大河のほとり、今日も雨で足止めを食う、浪人三沢伊兵衛と
妻たよ。三沢は武術の達人ではあるが、どうも人が良すぎて、仕官が
長続きしません。
ある日、藩士同士のケンカを上手く止めたところをお殿様にみそめられ、
藩の剣術指南役として採用されかけますが、・・・。
人間の良さ、が全編に流れ、いやな思いを一つもしないですむ映画でした。
飄々とした寺尾は父親、宇野重吉に益々似てきました。28年ぶりの
映画出演だったという三船敏郎の長子、三船史郎が、下手をすると、
「なんだこの素人が・・」と思われてしまうような、棒読みのセリフの連発。
でもオヤジもそんなんでしたね。あと一歩すれすれというところで止まり、結果、
良い味を出してると思います。
エンディングも、どう終わらせるだろう、と考えて観ていたのですが、希望を残して
さわやかに終わってくれました。「たそがれ精兵衛」は、感動でしたが、こちらは
すがすがしさ、というところでしょう。
尚、映画の詳しい情報はこちらまで。
by jazzyoba0083 | 2006-02-06 21:44 | 邦画・新作 | Comments(0)