イヴの総て ALL ABOUT EVE

●「イヴの総て・All About Eve」

1950 アメリカ 20世紀フォックス モノクロ 138分

監督&脚本:ジョセフ・L・マンキウィッツ 出演:ベティ・デイヴィス、アン・バクス
ター、ジョージ・サンダース、ゲイリー・メリル、マリリン・モンローほか。
1950年度アカデミー賞作品賞、助演男優賞(サンダース)、 監督賞、
脚色賞、衣装デザイン賞(白黒)、録音賞 受賞作品。


アメリカ映画史、いや世界の映画史に残る、大傑作。久しぶりに、うなって
しまう映画を堪能しました。この時代(私が生まれる2年前にこんなに
優れた映画が創られていたとは!
マンキウィッツの脚本が素晴らしい。そしてそれぞれの人物の描き方、物語の
言わんとするところ、映画というものが主張しなければならないものが網羅
されていて、1点のすきもない。モノクロというのが、またいい味を出して
います。
映画はある年のアメリカ演劇界の受賞会場の風景から始まります。演出家、
プロデューサー、古参女優のモノローグで語り始められるストーリーは
その年の最優秀女優賞を獲得したイヴ・ハリントンにまつわる、自分と彼女の
関係を含めた数々の物語。過去への場面転換が、イヴがトロフィーを受け取る
瞬間のストップモーションから始まります。この手法も、当時としては画期的
だったでしょう。もうそこで、ハッとさせられます。
演劇好きの田舎娘、イヴは、大女優マーゴの大ファンと称し、毎日劇場に
通う日々。ある日、劇批評家の妻に偶然出会うと子で、マーゴの付き人に
なることができます。おしとやかで、賢く、控えめ、よく気がつくイヴはたちまち
マーゴやその取り巻きたちに気に入られます。しかし、彼女には野心が
あったのです。前半のストーリーと後半のストーリーの、スリル感たっぷりの
ギャップも素晴らしい。それをアン・バクスターが、実によく演じ分け観客は
見事にだまされることでしょう。
イヴは自分の周りの人々に仮面をかぶり続け、嘘で固めた経歴で賞を
とることになるのですが・・・。
エンディングがまた、ドキッとするような構成になっていて、とてもいいです。
誰の心にもイヴはいる、そして誰もがそれと、葛藤している、そんな感じを
受けました。
みなさんに見ていただきたい、超一級品の秀作です。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
                
Tracked from 虎党 団塊ジュニア の .. at 2006-03-12 11:00
タイトル : 『イヴの総て』’50・米
あらすじ演劇界最高の賞に輝いた女優イヴ・ハリントン(アン・バクスター)。その授賞式を見守る批評家ドウィット(ジョージ・サンダース)等は彼女との出会いを想い帰していた。人気劇作家ロイド(ヒュー・マーロウ)の妻カレン(セレステ・ホルム)はいつも劇場前にいる...... more
Tracked from ☆彡映画鑑賞日記☆彡 at 2009-05-28 20:04
タイトル : イヴの総て
 コチラの「イヴの総て」は、1950年に製作されアカデミー賞の作品賞や監督賞を受賞した名作です。もちろんお話としての設定は古さがありますが、人間の本質なんてそう変わるものではなく、この映画で描かれてる人間模様は決して色あせることのない紛れもない名作ですね。 ....... more
by jazzyoba0083 | 2006-02-28 23:39 | 洋画=あ行 | Trackback(2) | Comments(0)