ボルチモアの光・Something the Lord made

●「ボルチモアの光・Something the Lord made」
2004 アメリカ HBO 111分(テレビ映画) 監督:ジョセフ・サージェント
出演:アラン・リックマン、モス・デフ、ガブリエル・ユニオンほか


実話を元にして、面白いテレビ映画を作ることで知られるHBOが作った、
ヒューマンドキュメンタリー・ドラマ。ジョンズ・ホプキンズ大学を舞台に
ブラロック教授と黒人の助手ビビエン・トーマスの、世界初の心臓手術の
陰に隠れた、人種差別と、医学に情熱を燃やした一人の黒人の相克を
時代を追って描いていく。
医者になることを夢みている若き大工ビビエン。優秀ではあったが、
不況でクビに。ジョンズ・ホプキンズ大学(日本では慶応大医学部
といったあたりか)に掃除夫として雇って貰う。彼の医学に対する知識の
深さにに興味をもったブラロック教授と、外傷性ショック治療の成功する。
これが第二次世界大戦の多くの傷病者を救い、外科部長として招かれ、
ビビエンも同行する。
しかし、当時は黒人が白衣を着て病院内を歩くなんてことは、とんでもなく、
ましてや手術室に入るなんてもっての他だった。
しかし、ブラロック教授は、大学の反対を押し切って、彼を使い、先天性
心臓奇形の手術に世界で初めて成功する。
お祝いのパーティーでのブラロックのスピーチで、感謝したい仲間の中に
自分の名前が入っていないことに失望したビビエンは、教授の元を去る
決心をするが・・。
1940年代の黒人差別は想像を絶するもので、ビビエンの父親が
「黒人は解放されたが、自由になったわけではない。おれたちゃ、道具なんだ
よ」と言うが、ビビエンの人生はまさしく「道具」であった。
しかし、医学部を卒業していないビビエンに対し、ジョンズ・ホプキンズ大は
彼の名前が付いた研究室を作り、彼に名誉博士号を送ったのではあるが・・。
実話のみがもつ、重みを持って、観る人を引きつけていく。
ビビエンの苦悩と栄光を、しっかり受け止めるべき映画です。学校で見せたい
秀作。なるほど、エミー賞を3部門で獲得しただけのことはあります。
Tracked from 楽蜻庵別館 at 2006-03-12 09:24
タイトル : <ボルチモアの光>(別の題名:奇蹟の手/ボルチモアの友情) 
2004年 アメリカ 111分 監督 ジョゼフ・サージェント 脚本 ピーター・シルヴァーマン  ロバート・キャスウェル 撮影 ドナルド・M・モーガン 音楽 クリストファー・ヤング 出演 アルフレッド・ブラロック:アラン・リックマン    ビビエン・トーマス:モス・デフ    クララ(ビビエンの妻):ガブリエル・ユニオン    ウィリアム・トーマス(ビビエンの父):チャールズ・S・ダットン    Dr.ヘレン・タウシッグ:メアリー・スチュアート・マスターソン    メアリ...... more
by jazzyoba0083 | 2006-03-11 22:20 | 洋画=は行 | Trackback(1) | Comments(0)