2006年 03月 21日
コラテラル・COLLATERAL
2004 アメリカ パラマウント/ドリームワークス作品 120分
監督・製作:マイケル・マン、出演:トム・クルーズ、ジェイミー・フォックス、
ジェイダ・ピンケット=スミス、マーク・ラファロ、ピーター・バーグほか。
ブラピと組んで「アビエイター」を製作したドリームワークスのマイケル・マンが
トム・クルーズを初の本格的悪役に仕立てた、サスペンス映画。
「Ray」でアカデミー賞主演男優賞に輝いた、ジェイミー・フォックスが
共演していて、ここでも良い味だしてます。まず、オープニングから
トムの登場まで、つかみのテンポが実に小気味いい。AORな味わいも
いい!(「タクシードライバー」ほどジャジーじゃないけど。)
話は現代。ロスのタクシー運転手マックスは、いつの日にかラスベガスで
リムジン会社を経営することを夢見て、「今の俺は仮の姿だ」と自分を
納得させて暮す毎日。
ある日、女性検事を乗せた直後に乗せたのが、殺し屋ヴィンセント(トム)。
彼は、麻薬取引の裁判で、不利な証言をしてしまうだろう、5人を麻薬ボス
から殺してくるように、データのみを渡されて、マックスのタクシーに乗って、
データの順番に銃殺して回る役目を引き受けていた。
巻き添え(コラテラル)になった、マックス。ヴィンセントに対し、「どういう環境で
育つとお前みたいな人間ができるのだ?」「お前には人間の本質の何かが
欠けている」と、ぼやいてみますが、そんなセリフにヴィンセントは馬耳東風。
マックスのクルマで次々と殺しを重ねて回ります。
しかし、最期の相手が、最初に乗せた女性検事だと知ったマックスは・・・。
殺し屋ヴィンセント(という名前が本名かどうかも判らない)は最期まで、
何物かわからないまま。無個性にして匿名のターミネーターばりの
殺人者にしてはトムは顔が優しすぎるけど、表情を殺してよく演技していた
と思います。しかし、美味しいところはみんなマックス(ジェレミー)に持って
いかれてますね。
ジェレミーはこの映画で、タクシー運転手を12年やってきて、小さな夢を持ち、
病気の母親がいて、そんな市民に襲い掛かった、突然のコラテラル&
不条理を、よく演じきっていたと思います。この作品でトムはラジー賞を
獲ったんじゃなかったんでしたっけ?
映画の中で、一箇所だけ、トムがジェレミーを助けるところがあるんですが、
そこに、非情の殺し屋なんだけど、ちらっと人間的なところが出ていて、
極悪の殺し屋には違いないのですが、鉄面皮で終わらせていない、
トムの内面をちらりと覗かせていて、観ている人に、何かを考えさせます。
5番目の殺しに向かう途中の車中の会話。含蓄があります。
殺し屋「”いつか夢がかなう”と?」
「ある夜 目を覚まして気づく。 夢はかなうことなく、自分が老いたことを」
「お前は本気でやろうとしてない」
「記憶のかなたに夢を押しやり昼間からボーッとテレビを見続ける」
運ちゃん「俺に説教するな」
このあたりのセリフ、ぐだぐだ生きている人にはズッキリでしょうね!
途中、クラブの群集の中での撃ちあいで、ドンパチやっているのにダンスが
続いているとか、タクシーの運ちゃんが、後半いきなり、スーパーマンに
なっちゃうとか、突っ込みどころもあるのですが、ま、「娯楽作品」と
割り切って楽しめば、良い映画ではあると思います。
尚、この映画の詳しい情報は
こちらまで。
コチラの「コラテラル」は、トム・クルーズが珍しく悪役で主役っつ〜クライム・サスペンスです。監督は、「マイアミ・バイス」、「パブリック・エネミーズ」のマイケル・マン監督。 共演は、ジェイミー・フォックス、ジェイダ・ピンケット=スミス、そしてナニゲにカッ....... more
あまり関係ないことですが、7年くらい前テレビ愛知(テレビ東京系)の深夜の映画放送を見ていましたら、
CMに「コラテラル」のロードショー案内がありました。
(誰も見たことがない 最も危険なトムクルーズ 冷酷な殺し屋 トムクルーズ コラテラル )←これがナレーションでした
2004年10月23日 先行ナイトショーのテロップ案内で、いまでもVHSテープに残っています
とてもロスの夜景が綺麗なんです。
マイケル・マン監督の説明によると ロスの深夜をキレイに撮影するため デジタル撮影カメラの最新式にしたおかげで 星を重視した夜景が撮影できたそうです。
だからボクは なにより...コラテラルの雰囲気に合わせて深夜の映画館で見にいきたかったぁ~
絶対この 臨場感は 深夜のレイト・ショーじゃなければ 味わえないもん。 深夜の映画館で「コラテラル」見てきた人なら体感できたはずです。