2006年 04月 16日
ビヨンド・THE・シー~夢見るように歌えば
・BEYOND THE SEA」
2004年 アメリカ、ドイツ、イギリス ギャガ配給 118分
製作・監督・脚本・主演:ケビン・スペイシー
出演:ケビン・スペイシー、ケイト・ボスワース、ジョン・グッドマン、ほか
「アメリカン・ビューティー」「LAコンフィデンシャル」のケビン・スペイシーが
心酔する天才歌手、ボビー・ダーリンの半生を、歌って踊って描いた、秀作。
伝記映画といってもいいし、ミュージカルといってもいい。ジャズ好きな
私としては「マックザナイフ」「ハローヤングラバーズ」などの名曲が、
ビッグバンドのサポートを受けながら、ケビンによって気持ちよく歌われる
クラブのシーンは、最高!
ケビンて歌が上手かったんですねえ。びっくりしましたよ。映画全体が
フォービートに揺れているようで、観ていて気持ちよかったです。
ブロンクスの貧しい家庭に生まれたボビー(本名ではない)は、15歳まで
生きられるかどうか、という思い心臓病(リューマチ)にかかってしまう。
しかし、音楽好きの母親ポリーにピアノをプレゼントされ、彼の才能が花開く。
売れない時期は短く、あっという間にスターダムに昇り、そなかで撮影した
映画「九月になれば」で共演した有名女優を、持ち前の押しで、妻に迎える。
その後も順調に、音楽活動は推移し、エミー賞やアカデミーにノミネート
されたりする。
しかし、病魔はかれを絶え間なく苛み、また家族に係わる重大な
秘密も明らかになる。
そして、時代はお気楽なポップスをもてはやす時代ではなくなり、ベトナム
戦争、人種差別、ドラッグ、大学紛争など、厳しい時代になり、、ボビーの
出番はだんだん少なくなってくる。反戦運動に手を染めたボビーは、
反戦フォークソングを作ってみたりしたが、受けない。
しかし、ある日妻から言われた「人は見かけで聞くのよ」ということばに目が
覚めた。
ボビーは、ベガスのクラブで久々の公演に打って出るのだった。
タイトルの「ビヨンド・ザ・シー」は「ラ・メール」という別名でも有名な曲名。
ボビーの十八番でもあった。なぜ放題のザだけ英語かはわからない。
少年時代のボビーが、時代を超えて画面に出入りし狂言回しのように出て
きて、物語を進めていく。37歳であわただしくこの世を去って行った天才の
ある意味当たり前の不遜傲岸さ、しかし、妻と母親と子供はとても愛していた
優しい人間性。ケビンはボビーになりきり、良く演じていました。
「Ray」と重ならなければ、もう少し賞をあげたかった映画じゃないでしょうか。
サンドラ・ディー役のケイト・ボスワースが、キュートで可愛かったです。
そのサンドラ・ディーご本人は、最近他界されとか。ご冥福をお祈りします。
尚、この映画の詳しい情報は
こちらまで。