パッチギ

●「パッチギ」
2004 日本 シネカノン パッチギ製作委員会 119分
監督:井筒和幸 音楽:加藤和彦
出演:塩谷 瞬、高岡蒼佑、沢尻エリカ、楊原京子、尾上寛之
オダギリジョー、余貴美子、大友康平、前田吟、小出恵介ほか

2005年日本アカデミー賞新人俳優賞=沢尻エリカ、塩谷瞬
話題賞=沢尻エリカ 
ブルーリボン賞作品賞 受賞作

1968年18歳の高校生が主人公の作品といえば、時代的には
昭和27年(1952)生まれの私には、ど真ん中のストライク。
グループサウンズの「オックス」の公演で失神シーンで始まるこの
映画は、思い入れも十分です。

舞台は京都。主人公の松山康介は京都の高校3年生。オックスの
赤松愛にあこがれて、女にもてたいばかりに、頭をマッシュルームに
したり、ギターを始めたり、というその時代の高校生の青春をしていた。

一方、京都に修学旅行に来た九州の生徒に、地元の朝鮮高校の
女学生が、いじめられるという事件が、発生、怒りに燃えた朝鮮高校の
男子生徒の悪がきたちは、徒党をなして、修学旅行のバスを包囲し
学生をボコボコにしたあげく、バスを横倒しにするという、大暴れ。
その中心にいたのが、リ・アンソンという在日であった。
かれは、ウリナラの帰国船に乗って北に帰ることになっていた。

松山たちの通う高校では、担任から、京都だけでも南北融和を目指せ、
と、朝鮮高校に親善サッカーの申し入れに行って来いと命じられ
松山と友人の吉田が、訪ねることになる。
険悪な中で、申し入れ状を渡した松山たちだったが、そこで、アンソンの
妹、キョンジャが、「イムジン川」をブラスバンドで演奏する姿を見て、
一目ぼれ。自分もギターを手に入れて、「イムジン川」に挑戦することに
する。

青春映画の側面と、分断国家の悲劇、そして強制連行の恨み、
そんな陰が松山やキョンジャの上にも影を落とす。
京都を2分する高校生のやんちゃ集団の決闘の中で、アンソンの
親友が事故で亡くなるが、その葬式のシーンで、族長のような男が
「お前、帰れ!生駒トンネルを掘ったのは誰か知っているのか、
国会議事堂の大理石を切り出して積み上げたのは誰か知っているのか、
ウリナラの田植えの最中、たった1枚の紙で、日本に連れてこられて、
俺はプサンからの船から飛び降りて死のうと思ったよ、
これがお前らに判るか」と松山に問うのだが。

劇中に流れる「イムジン川」が鴨川とも重なりつつ、南北の分断は
自らの意思でないところで為された、悲劇性を浮かび上がらせる。
フォーク・クルセダーズの歌がフィーチャーされて、時代とそれが持つ
悲しみに厚みを付けて行く。

同じ強制連行を描いた「血と骨」とはまったく異なったアプローチだが、
日本人は忘れてはいけない部分を映画が主張しつづけることは
形はどうあれ、必要だし、不可欠なテーマであるといえる。

若いキャスティングだが、塩谷、小出、オダギリ、それに沢尻エリカらが
非常に活き活きと演技している。なかでもオダギリジョーと大友康平の
役回りと演技が良かったと感じました。
今から40年近く前の京都を、そのまま出現させるのは難しく、映像の
細かいところに突っ込み場所はありますが、この映画では、問題に
ならないでしょう。私は井筒監督の作品は初めて観ましたが、
この手の映画をキチンと作ってくれるのならこれからも応援したいですね。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
Commented by happy_clover001 at 2006-04-20 19:38
初めまして。
いきなりですが、パッチギいいですよね!
本当に凄い映画。脚本、演出、演技、どれをとっても最高ですね。
イムジン川が耳から離れないですよ。

自分も最近ブログはじめました。よかったらどうぞ・・・。
by jazzyoba0083 | 2006-04-18 23:15 | 邦画・新作 | Comments(1)