ボーイズ・ドント・クライ Boys Don't Cry

●「ボーイズ・ドント・クライ Boys Don't Cry」
1999 アメリカ サーチライト 20Century 119分
監督・製作:キンバリーピアース
出演:ヒラリー・スワンク、クロエ・セヴィニー、ピーター・サースガードほか。

1999年度アカデミー賞主演女優賞、全米批評家協会賞助演女優賞、
NY批評家協会賞女優賞、LA批評家協会賞女優賞、助演女優賞、
ゴールデン・グローブ賞女優賞(ドラマ)ほか、受賞作品

「ミリオンダラー・ベイビー」で注目したヒラリー・スワンクを観たくて
鑑賞。みなさん、ラストでこの話が実話だったと知ってより衝撃を
受けたようですが、私も同じでした。しかし、アメリカの女優さんと
いうものは「モンスター」のシャーリーズ・セロンといい、このヒラリーと
いい、物凄い根性していますねえ。ヒラリーはこんな役ばっかだ。

アメリカ映画を観ていて思うのですが、彼の地の国家の成り立ちや
民族の多様性を考えないで、アメリカ映画を観てはいけない、というか
考えた方がより映画を楽しめ、理解できる、ということです。

この映画も、今なら日本でも理解されてきた性同一障害という
理解しがたい「病気」に対する、偏見と排除と理解が描かれて
いるわけです。もちろん日本にも「砂の器」とか優れた映画も
あるのですが、単一民族と多国性民族との違いは、宗教も含め
ヘテロ(異なるもの)に対する、嫌悪と排除、ヘイトクライムの度合いは
わが国と比較ではないです。典型が黒人と奴隷制でしょう。
アメリカという国が意外と保守的である、と感じるでしょうね。というか、
人間は異質なものに意外と寛容でない、ということを感じさせる
映画です。

1993年ネブラスカ州リンカーンで実際にあった話。
20歳になったティーナは、性同一障害に悩み、いとこのオカマ、
ロニーの静止を振り切って、隣町のフォールズ・シティを訪れる。
そこのバーで工員のラナと出会い、恋に落ちる。
ラナの友達たちとも、上手くやっていけそうな感じであった。
ある日、交通違反で裁判所に呼び出されたことから、ティーナが
女であることがばれる。だが、ラナはそれを知ってもディーナを
愛し、二人で町を抜け出そう、と計画する。ティーナのママや
友達だった男たちも、ティーナを化け物扱いにし、やがて、
悪二人に銃を持って追いかけられ、レイプまでされてしまう。
そんな中でも、ラナだけは、ティーナの見方であったのだが、
やがて悲劇が襲う。

「イージーライダー」を思い出した。アメリカの田舎のすごい保守的な
側面。そして、こういう映画にアカデミー賞をあげちゃうという、進歩的な
側面。しかし、ティーナ(ブランドン)を銃を持って追いかける男どもは
ある意味、世の中のマジョリティの代表ではないかな、と。
そして、ティーナの障害を知りつつ、愛し続けるラナの存在は、
そうありたいと思う、人間の反面を表しているのではないかと。

ヒラリー・スワンクの体当たりの演技は、圧倒的。よくこんな役を
引き受けたな、と思う。
私もアメリカの何処にあるか判らないネブラスカ州の田舎の人々の
雰囲気を出演者たちがよく演じている。
ラナ役のクロエも、サースガードのバカ男ぶりも、いいですね。

観ていてスカッとする映画ではないです。嫌悪感を催すかも知れ
ません。そういう映画は苦手だ、という人は観ない方が賢明でしょう。

なお、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
Commented by vic at 2011-01-10 10:03 x
ヒラリースワンク、素晴らしかったです。

進歩的だと思っているアメリカが、都市部では保守層がかなり厚く、マイノリティは暮らしにくいというのが驚きです。
ハラスメントが行きすぎて暴力や殺人事件にまでなってしまうのは不思議です。

日本は心は女性の男性は、TVで活躍していてかなり受け入れられていますね。
Commented by jazzyoba0083 at 2011-01-10 23:44
vicさん、コメントありがとうございます。
まさしく“合衆国”であるアメリカ、民族、性別、宗教、
など、「異なるもの」受け入れの偏狭性は、日本人には
理解が出来ないものがありそうです。まただからこそ、
そのあたりをテーマにした映画がたくさん作られるので
しょうね。日本もあまり大したことは言えませんが(爆)
by jazzyoba0083 | 2006-05-01 23:27 | 洋画=は行 | Comments(2)