きみに読む物語・THE NOTEBOOK

●「きみに読む物語・THE NOTEBOOK」
2004 アメリカ・ニューラインシネマ 123分
監督:ニック・カサヴェデス
出演:ライアン・ゴズリング、レイチェル・マクアダムズ、ジーナ・ローランズ
ほか。

もっとボロボロ泣けるか、と思って観たのですが、しみじみしちゃいました。
理屈じゃない、こういう映画もあっていいなあ、と思わせる映画。

私も年代的に近い年齢なので、身につまされる作品でしたが、泣かせて
やるぞ、ってな力みもなく、人間の持つ愛情の一側面を切り取って見事
でした。

ある老人療養施設に認知症で入所しているご婦人のところにデュークと
名乗る老人が訪ねてきてはある話を読み聞かせています。

1940年、ノース・カロライナ州シーブルックスという避暑地に、お金持ちの娘、
アリーが遊びにやってきた。そこで町の木工作業員ノアと出合った。最初は
ノアの一目惚れで強引なデートではあったが、17歳のアリーとノアはたちまち
激しい恋に落ちていく。
しかし、アリーはニューヨークの大学に進学が決まり、夏休みも終わり、
二人はケンカ同然で別れてしまう。その後ノアは365日毎日手紙を
書きますが、身分のつりあいを気にする母親が全てアリーに手渡さなかった。
そして、戦争が始まった。ノアが戦場に言っている間、アリーは国内の軍隊
の病院で戦争で傷ついた軍人の面倒を見るボランティアをしていたが、
そこで、富豪ロンと出会い、両親の賛成も得て、婚約を決める。
そんなある日、復員してきたノアは7年前にアリーと約束した、廃屋を立派な
家にすることの実現に向け、建築確認申請を取りにニューオリンズに来た
ところで、アリーを見つけてしまう。しかし、婚約者がいることに気がついた
ノアは、がっくりとして引き上げた。
そして、婚約が近づきウエディングドレスの試着をしていたアリーは、自分の
結婚を報じる地元紙に、廃屋を立派な豪邸に建て直したノアの姿が映った
写真を見て卒倒。
婚約者に、決着を付けてくると微妙な言い回しを残して、ノアの家を訪ねた。
やはり愛し合う二人はたちまちまた恋の炎が燃え上がってしまう。
アリーは、婚約者とノアの間で悩む。そして出した結論は?

その話を聞いていた老婦人が、「彼女はどちらを選んだの? あ、待って!
思い出したわ。それって私のことでしょ、あなた、ノアなのね」と突然記憶が
蘇ったのだった。しかし、数分後また、元へ戻ってしまうのだった。

老ノアが最愛の妻アリーに聞かせていた物語、実は、アリーがノアの為に
綴ったものだった。自分より先に夫が逝ってしまった時にと、書いていたのだ。

途中で、若い時代のノアとアリーが、この老人と老婦人なんだろうな、って
ことは判ります。しかし、判っても、深い愛情で結ばれた二人の辿る道、
辿った道のことを思うと気になりません。

何処にでもありそうな、とても真面目な夫婦の愛情物語を劇的なプロットに
仕立て、気持ちよく見せていきます。そして認知症になったら自分はどうする
だろう、と怖くなる映画でもあります。老アリーを演じた夫人はこの映画の
監督の実の母親だそうです。
若い二人が最初にダンスをするBGMが、ビリー・ホリディだったり、40年代の
映像に流れるのがスイングだったり、ジャズがバックで時代を演出しています。

尚、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
Tracked from ☆彡映画鑑賞日記☆彡 at 2008-12-08 20:55
タイトル : きみに読む物語
 『365通の手紙。 白鳥の棲む湖。 あの雨の朝の匂い―。 思い出が少しずつ、 きみからこぼれてゆく。 だから、 きみが想い出すまで、 ぼくは読む――。』  コチラの「きみに読む物語」は、こっちゃんのご紹介で観させていただきました。  センチメンタル祭(略...... more
by jazzyoba0083 | 2006-05-02 23:44 | 洋画=か行 | Trackback(1) | Comments(0)