エリン・ブロコビッチ Elin Brockovich

「エリン・ブロコヴィッチ Elin Brockovich」
2000 アメリカ コロムビア/SPE,+ユニバーサル映画 131分
監督:スティーブン・ソダーバーグ  脚本:スザンナ・グラント
出演:ジュリア・ロバーツ、アルバート・フィニー、アーロン・エッカートほか。

2000年にこの作品でジュリアはアカデミー主演女優賞を獲得。彼女の
代表作となりました。
監督のソダーバーグは「トラフィック」とダブルノミネートされ、「トラフィック」
のほうで監督賞を受賞した。まさにソダーバーグの当たり年の傑作。
2つの映画は、描き方が全然違うけど、これがまたソダーバーグの
才能を見せ付けられました。
脚本は、「イン・ハー・シューズ」のスザンナ・グラント。

ジュリア・ロバーツという女優さんは、私、そんなに好きじゃなかったんですが、
この映画に関しては、まったく考えを改めます。

アメリカ公害裁判史上、最高の賠償額を勝ち取った裁判に関わった、エリン・
ブロコビッチの実話を基にした社会派だけど、とてもハッピーな映画だと
思いました。

バツ2で3人の幼い子供を抱え、今日も今日とて職探しに奔走するエリン。
ある日、職探しを終え、クルマで道に出て交差点にかかったところで、
右からきた医者のクルマにぶつけられる。
その裁判で、弁護士となるエドと知り合うが、交通事故の裁判では
せっかく有利に進めていた裁判をエりンの相手を罵る汚い言葉で陪審員の
印象を悪くし、敗訴。
ごねた、エリンは、エドの事務所に押しかけバイトに出かける。
そこで、書類整理をさせられていたエリンは工場が要求する立退き同意書に
健康診断書が添えられているのを不思議に思う。(ここが並の女じゃなかった
わけです)。自ら調査に乗り出したエリンが、立退きを迫られている
一帯の住民の多くが、ガンなどの重病を発症していることを見て愕然、
水道局事務所にお色気「おっぱい作戦」で水質調査資料をコピーに出かける。

この資料から、工場は実は住民には排水は安全な3価クロムだと説明して
居たのだが、実は猛毒の6価クロムを垂れ流していたことが、しかもかなり
前から、毒性を知りながら垂れ流していたことを突き止める。

弁護士でもなんでもない、彼女の熱意に、上司の弁護士エドも協力、
遂に原告団が600人を超える大公害裁判が起こされようとする。
一方で、一刻も早い手当てや転地が必要な人も居ることから、工場と
強制仲裁を決め、ついに米国公害裁判史上最高の約350億円の賠償金を
獲得することに成功する。

法律の知識もない、一介の女性がここまで出来るアメリカ社会は面白いなあ、
と思う反面、実話がベースでなければ、そんはアホな!と思ってしまうかも
しれません。 
エリンの3人の子供の世話を焼く隣人男性のアルバート・フィニーが良い味
出してます。彼が居なければ、あんな縦横無人な活動は出来なかったはずで。
やがて、二人は愛するようになるのですが。

裁判に勝利したエリンはボスから約2億円(!)のボーナスを手に入れ、
法律事務所にも立派な部屋とデスクを貰って、今でも活躍しているそうです。

ある種のサクセス・ストーリーではあるのですが、エリンという個性が、企業の
犯罪を暴いていく、痛快な作品に出来上がっていると思いました。
最近見た映画の中のベスト5に入りますね、私的には。
同じ年の「トラフィック」も好きですが、どちらかというとこっちの映画の方が
私の趣味に合っているようです。
allcinema.netの書き込みは不評が多いけど、私は、物凄く面白く観ました。
薄っぺらい、とかソダーバーグはダメだとか、言う人も多いですが、そうは
思いませんでしたし、ジュリアの演技も素晴らしかったと思います。今でも
そう好きな女優さんではありませんが。
重厚では決してありませんが、それなりに人間が良く描けていたと思います。
たしかにソダーバーグはこれ以降、あまり勢いがなくなっちゃいましたね。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-06-03 01:10 | 洋画=あ行 | Trackback | Comments(0)