現金に体を張れ The Killing

●「現金に体を張れ The Killing」
1956 アメリカ 20世紀フォックス 85分 モノクロ
監督・脚本:スタンリー・キューブリック
出演:スターリング・ヘイドン、マリー・ウィンザー、コリーン・グレイ、
ヴィンセント・エドワーズ、ジェイ・C・フリッペン、テッド・デ・コルシア
ティモシー・ケリー、エリシャ・クック・Jr

「ワイド・アイズ・シャット」を遺作として、1999年にこの世を去った寡作の
巨匠、スタンリー・キューブリックの28歳の時の、若きクりエィティビティが
ほとばしる、優れたサスペンス小品。
「小気味いい映画」とはこのことだ。あえてモノクロをチョイスし、人物の
背景をカットして、テーマだけに絞込み、1時間20分で完結させてしまう
力量は若くしてすでに只者ではない雰囲気。
そして、写真家として育ってきた彼が、彼らしい映画の原点というべき手法も
たくさん見せている。

刑務所を出てきたばかりのジョニーは、競馬の売り上げを強奪しようと企む。
そして、競馬場の窓口係、バーテンダー、警察官らを仲間に加え、
綿密に計画を練り、いよいよ仕事に取り掛かった。
それぞれの仲間の役割にしたがって、時間が行ったり戻ったりする手法は
当時としてはものすごく斬新だっただろうな。だから同じシーンが何度も
出てくる。
軍隊上がりの銃の名手に第7レースの第4コーナーで大本命の「赤い稲妻」
号を射殺、レースを混乱に陥れる。一方、バーで暴れる役のチンピラは
場内の警官や警備員をひきつける大立ち回りを演じる。
その間に、ジョニーは変装して、集金室に入り、銃で脅して200万ドルを
せしめる。これをパトカーの警官が拾い、隠れ家へと運ぶ。
だが、馬を射殺した男が、警官に目撃され射殺されたのをきっかけに
計画が次々と狂っていくのだった。
唯一生活が描かれるのが、払い戻し窓口係の男で、マリー・ウィンザーが
演じる妻が、浮気をしていた男(ビンセント・エドワーズ=ベン・ケイシー!
懐かしい!)に、旦那の犯行をばらし、その男に金を横取りさせ、二人で
高飛びしようとしていたのだ。しかし、200万ドルを山分けしようと
集まっていた仲間たちのところに妻の男がマシンガンを持って現れ、
銃撃戦となり、窓口係の男以外全員死んでしまう(これが現代の謂れか)。
男は妻のところに行き、口汚く男をなじり、ことの真相を明かす妻を
射殺してしまい、彼も絶命する。
一方、金を運ぶ係りのジョニーは彼女と空港に向かう。200万ドルは
大型のトランクに詰め、機内に持ち込ませろ、と主張するが、当然
断わられる。粘るジョニーだったが、航空会社は頑として聞かず、
仕方なく、手荷物として預けることになる。搭乗する予定の飛行機に
荷物を運ぶ車。突然犬が飛び出てきて荷物が落下し、トランクの口が
開いてしまう。200万ドルの札が飛行場に舞い上がる。
逃げようとするジョニーと彼女。その前に連絡を受けた警察が2名、
銃を構えて待っていた。

ストーリーはシンプルに、判りやすくテンポは速く、作品自体の時間も
短い。キューブリックの青春の息吹を、もろに感じることの出来る、
優れたサスペンス・クライム映画だと思います。面白かった!!
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
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by jazzyoba0083 | 2006-07-18 23:10 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)