間違えられた男 The Wrong Man

●「間違えられた男 The Wrong Man」
1956 ワーナーブラザーズ映画 105分
監督:アルフレッド・ヒッチコック
出演:ヘンリー・フォンダ、ヴェラ・マイルズ、アンソニー・クェイルほか。

ヒッチコックが冒頭出演し、この映画は事実に基づいている、これまで自分が
作ってきたどんなサスペンスより、怖い、と「事実は小説より奇なり」である
ことを吐露して、始まる。
淡々と誤認逮捕が行われ、淡々と裁判が進み、淡々と解決するのだが、
その中に言い知れぬ恐怖がちりばめられていてさすがはヒッチコック、と
感心する。

ヘンリー・フォンダ演じる、クラブの楽団のベーシスト、マニーは、神経質だが
美しい奥さんと二人の男の子に恵まれ、貧しいながらも幸せな暮らしをして
いた。
ある日、妻の歯が痛むので、治療費を工面しようと妻の生命保険を担保に
生命保険会社にお金を借りに行ったのだが。
しかし、最近このあたりで頻発している強盗犯に、マニーの姿が似ている
ことから、警察に通報され、マニーは連行されてしまう。そして、被害にあった
店などで面通しが行われ、みな、彼が犯人だと証言するのだった。

結局、反証できないマニーは収監されるのだったが、7500ドルの保釈金を
親戚が払ってくれて保釈が認められた。
マニーと妻は、犯行があった日時に自分たちのアリバイを証明しようとするが
証人たちが亡くなっていたりして、無罪を証明できない。そんな中で裁判が
始まる。弁護士は、民事が専門のオコーナー氏。彼も、必死でマニーの
無実を熱弁するのだった。そんな中、マニーの妻が、自分の家計のやりくりが
下手で、お金があると使ってしまうダメな妻だ、と自らを責め、ついには
精神的に病んでしまい、療養所に入る事態になってしまう。

そんな時、真犯人がまた犯行を重ね、警察に捕らえられる。真犯人が逮捕
されたことで、マニーの無罪が証明された。喜んだマニーは療養所の妻の
元に馳せ参じ、無罪を報告するのだが、妻の病状は好転しない。
ラスト、字幕で2年後に妻は完治し、夫妻はフロリダに転居し普通の生活に
戻ったと知らされるのだった。

まあ、無実が証明されて、良かったね、なんだけど、終盤までがテンポも
映像も良かったのに、マニーが無実であったことの後で、刑事がマニーに
「もう大丈夫か?」と声をかけ、マニーが「OK」だ、というシーンや、
結局間違った証言をした、保険会社のOLたち、真犯人を名指したあと
マニーと廊下ですれ違っても謝るわけでもない、このあたり、時代を感じて
しまいますね。今だったらとんでもない人権問題に発展して、マニーは
数億円の賠償金を手にすることが出来たのに。
それと、ラストに字幕で奥さんが2年後に完治したことが告げられたのだが、
ならば、映像で短くてもいいから描いて欲しかったな。
でも、最近の映画には勝てない、何かがあるサスペンスではあった。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-07-21 21:55 | 洋画=ま行 | Comments(0)