見知らぬ人でなく Not As A Stranger

●「見知らぬ人でなく Not As A Stranger」
1955 アメリカ ユナイテッド・アーチスト=MGM  135分
監督・製作:スタンリー・クレイマー
出演:ロバート・ミッチャム、オリビア・デ・ハヴィランド
   フランク・シナトラ、チャールズ・ビックフォードほか。

観終わった感想は「重厚な映画だったなあ」ということ。
描く世界が医者であることもあっただろうが、俳優の演技も
重さがあったような気がする。

若き医学生(ミッチャム)は、真面目で、馬鹿が着くほどまっすぐな
性格。オヤジが酒飲みで学費が払えず、友人(シナトラ)や担当
教授がお金を貸してはくれるが、どうしても足りない。
そうした時に看護婦(オリヴィア)が彼に好意を寄せていることを知り
かつ、小金も貯めていることを知り、愛情もそんなにないのに
学生結婚する。
そして、晴れて研修医となるのだったが、間違いを許さない性格が
あちらこちらで、他の医者と衝突し、孤立していく。
なんとか研修も終わり、各地に散っていった学生たちだが、
ミッチャムは、あえて田舎町グリーンヴィルを選ぶ。
そこでは、町医者(ビックフォード)が献身的に働いていた。
それこそ、どんな病気でも診なければならず、往診もあり、やりがいは
感じつつ、疲れる毎日。専業主婦となった妻とも会話がない。
妻は子供が欲しいのだが、ミッチャムはまだ早い、と拒絶する。
ある日、馬丁が怪我をした、とのことで往診したミッチャムは
寡婦で女主人(グロリア・フラハム)と出会う。そして、ついに
ミッチャムは、妻にない魅力を女主人に感じて、間違いを犯して
しまう。
勤務する病院の院長は頼りなく、肺炎にかかった自分の担当患者の
治療を放棄している始末。怒ったミッチャムは、自宅から妻を呼び
看護婦として付け、必死の治療で、蘇生させることに成功する。
改めて妻の看護婦としての力量に観劇したミッチャムは、彼女に
病院で働いてくれ、と頼む。妻の気持ちを全くわかっていないのだ。
ある日、妻は自分が妊娠していることに気がつくが、夫に言う勇気
がない。親友の産婦人科医(シナトラ)が、わざわざ家に来てくれた
のだが、本人は牧場の女主人のところに行って帰ってこない始末。
ついには妻から離婚を迫られ、家から出て行ってとなじられる。

そして、心臓に病気を持つ先輩の老医者(ビックフォード)が心臓病で
倒れた。ミッチャムは責任者として、彼の大動脈瘤破裂の手術を
するのだが、結局余計なことを試みて、老医者を殺してしまう結果を
招く。

まったく自信をなくし、妻にまで捨てられ、町をさまようミッチャム。
ようやく、医者ととしてこれまで他人の言うことに耳を貸さず、自分を
過信していたこと、自分のことを愛してくれていた妻を裏切りどんなに
辛い目に会わせていたのか、目が覚めたのであった。

ミッチャム、オリビア、シナトラ、ビックフォード、そしてリー・マーヴィンや
ロン・チエィニー・jrなど、素晴らしい俳優の素晴らしい演技を堪能できる。
金儲けを非難し、誠実に患者のことを思って治療したいと思うミッチャム
は素晴らしいのだが、そのために友人を非難し、教授も許さないという
潔癖すぎる行動は、医者として心のない厳しいだけの医者になってしま
っていたのだ。大学を卒業する時、担当教授がミッチャムに送った
「君は優秀だ。良い医者になるだろう。だが孤高に生きていてはいつか
はつまづく」というはなむけの言葉が心に残る。
自分の信念を貫こうとするために人の心を理解できないと、生きては
行けない、ということなんだろう。

50年代のアメリカの持つ良質な映画なんだなあ、と感心しました。
尚この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
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by jazzyoba0083 | 2006-07-23 22:30 | 洋画=ま行 | Trackback | Comments(0)