2006年 07月 31日
コール・ガール Klute
1971 アメリカ ワーナーブラザーズ映画 115分
監督・製作:アラン・J・パクラ
出演:ジェーン・フォンダ、ドナルド・サザーランド、ロイ・シャイダーほか。
1971年度アカデミー賞最優秀女優賞 ほか受賞作品
私が大学に入った年の作品だ。今から35年前。ジェーンも、ドナルドも
若い!(当たり前だ)。
当時、アメリカでは、前年の「イージー・ライダー」に代表される
ニューシネマ全盛の頃。ベトナムもまだ解決されておらず、人種差別も
根強かった。そうした時代の雰囲気をアラン・J・パクラが、
淡々と描いていて、都会の寂しさを観念的に描写していく。
ペンシルヴァニアの研究所の科学者が突如失踪し数ヶ月。
彼を探しにNYに派遣された同僚のクルート(サザーランド)は、彼が
コールガールに宛てた卑猥な手紙だけを頼りに独自の調査を始める。
受取人の友人で売れっ子のコールガール、ブリー(フォンダ)に
協力を請うがつれなくされ、クルートは彼女を監視することに。
彼女は、女優かモデルを目指しているが、非常に割り切った考えを
持った女性で、年間600~700人の客をとっている。
クルーとは、ひたすらみつめるうち、恋の芽生えを意識する彼の心は、
やがて、愛に不寛容な彼女を優しく包みこみ、二人は一致して事件の
解決に努める。都会の夜の光と影、心理の揺れを巧みに捉えるG・ウィリスの
カメラが素晴らしい。
幾つもの精神科医をかけ持ちしているブリーの相談内容にクールな
彼女の胸の内を語らせる構成も功を奏していた。
謎解きは別に奇をてらったものでなく、極めてシンプル。この映画は
ジェーン・フォンダの感情の動きを味わうものだと思う。と同時に
原題の「クルート」は、サザーランドの役名だから、パクラがこれに
こめた意味もあるのだろう。
ジェーンと精神分析医との会話に、セリフの真髄があるようだ。
尚、この映画の詳しい情報は
こちらまで。