カラー・パープル The Color Purple

●「カラー・パープル The Color Purple」
1985 アメリカ ワーナーブラザーズ=Amblin 153分
監督:スティーブン・スピルバーグ
製作:スティーブン・スピルバーグ、キャスリーン・ケネディ、クインシー・
ジョーンズ他
原作:アリス・ウォーカー、脚本:メノ・メイエス、撮影:アレン・ダヴォー
音楽:クインシー・ジョーンズ、作詞:ライオネル・リッチー
出演:ウーピー・ゴールドバーグ、マーガレット・エイヴリー、
ダニー・グローヴァーほか。

スピルバーグは、「JAWS」(75)、「未知との遭遇」(77)、レイダース~
失われた聖櫃~(81)、E・T(82)、インディ・ジョーンズ~魔宮の伝説
(84)などと超娯楽大作を次々とヒットさせ、ハリウッドの超一流監督の
仲間入りを果たしていたが、アカデミーとは縁遠かった。
そこに出てきたのがこの、ピュリッツァー賞を獲った、アリス・ウォーカーの
小説を下敷きにした、シリアスな大作映画「カラー・パープル」だった。
世間からは、スピルバーグがオスカー獲りに出た、とあからさまに批判
された。その上、作品賞にはノミネートされたが監督賞には名前が
なかった。
監督賞を獲得するには93年の「シンドラーのリスト」まで待たなければ
ならない。ちなみにこの年のオスカーは作品賞が「愛と哀しみの果て」、
監督賞も同じ映画のシドニー・ポラックへ渡った。

映画は、20世紀初頭のジョージア州のある町の黒人家族を40年に渡って
追ったもの。ウーピー・ゴールドバーグの映画初出演作品でもある。
彼女は、ブロードウェイで歌っていたところを原作者のアリスに見出され
この映画出演になったという。

セリーとネティーは、大の仲良し姉妹。しかし、セリーは実の父親に犯され、
2人のこどもを産むが、その子供も父の手で売り飛ばされる。
不細工な姉、セリーに対し、ネティーは美人。そんなネティーを黒人ながら
農場を経営するアルバート”ミスター”が見初め、後妻に欲しいと
父親に要求する。父は、それに対し、姉セリーならいいが、ネティはだめだ、
という。ミスターは、姉を家に連れて行く(姉と言っても14歳!)。
ミスターの家に後妻に入ったとはいえ、実は態の良いメイド。朝から晩まで
家事に追われ、いい訳をすると、夫の暴力が飛んでくる。
ある日、ネティーが、家にいると父親に犯されるから、この家に置いてくれと
セリーの家に逃げてくる。しばらくいることに同意するミスターだが、実は
ネティーを狙っていたのだ。ある日学校へ行こうとするネティを襲うミスター
だったが彼女の抵抗にあい思いを遂げられない。そしてこれに怒った
ミスターは、ネティーを家から追い出してしまう。ネティーは泣き泣き
追い出されていくが、セリーに死ぬまで手紙を書くから、と言い残して
去っていった。
時は流れて、ネティーからの手紙はミスターの手で隠され、セリーの手に
届くことは無かった。
ミスターは、歌手のシャグに入れあげ、彼女を家に連れてきてセリーに
面倒を見させる始末。しかし、このシャグは、この後セリーの強い味方に
なっていくのだ。
ミスターの前の妻との長男、ハーポが、ソフィアという
太った女の子を家に連れてきて、彼女と結婚する、と宣言する。がミスターは
許さない。しかし彼女のおなかにはすでに赤ちゃんがいたのだった。
ハーポとソフィアは仲が悪く、始終ケンカ。でも子供だけは沢山できた。
しかし、やがてソフィアは、家を出て行ってしまう。
そして、姉の家に身を寄せてクルマを運転するなどはぶりの良いソフィア
だったが、ある日、街中で市長夫人から、メイドにならないか、と誘われ
汚い言葉で断わったのだが、それを聞いた市長本人から怒鳴られると
ソフィアは市長いパンチを食らわしてしまう。そして牢獄へと繋がれる。
なんと8年間も。結局出獄したソフィアは、市長の家のメイドになることに
なったのだ。
一方、ハーポは、後妻と、禁酒法をいいことに家を改造して酒場を作り、
シャグも、そこで唄うという商売を始めた。
シャグはいったん、シカゴにツアーに出たが、やがて夫と称する男とまた
ミスターの元に帰ってきた。意気投合する、ミスターとシャグの旦那。
そんな時、郵便配達がやってきた。いつも郵便はミスターが取るもので
セリーが手を出すと怒られるのだった。そんなことは知らないシャグは
自分とクラブとの契約書が届くからと、ポストへ行きから何通かの手紙を
取ってきた。その中に、なんと妹、ネティーからのものがあった。
ネティーは今、アフリカに宣教のため滞在していると書かれていた。
そして、今まで書いてきた手紙はきっとミスターがセリーい渡していないと
理解していて、最近はクリスマスとイースターの時に、グリーティング
カードにまぎれていればミスターもセリーにカードを渡すかもしれないと
手紙を書いていたと明かした。そして、実はネティーはセリーの子供2人も
引き取って、アフリカで勉強している、間もなくアメリカの移民局の許可が
出れば、ふるさとに帰る、と記していた。
セリーとシャグは、ミスターの部屋を家捜しし、昔からの溜まったネティー
からの手紙の束を見つけた。沢山の手紙を年代順に読みふけるセリー。
そして、家族が集ったクリスマスの食卓で、セリーは、シャグとともに
この家から出て行くと宣言したのだった。もうミスターと一緒にいるのは
耐えられない、子供たちもアホばかりだ、と。
どうせお前なんか、醜いし黒人だし、女だから、食えなくてまた戻ってくるさ
とミスターがなじる中、セリーはミスターに別れを告げた。

そんなある日、セリーとネティの父が亡くなったとの知らせが来た。そして
、自分は実は父の子ではなかったことが明らかになる。そして、父は
セリーとネティに家と土地を残していった。後妻の子供たちは、現金を
相続したのだった。

あこがれの自分の家を持つことになったセリー。ハーポの元に帰って
来たソフィアは二人で酒場を切り盛りしていた。シャグはそこの酒場で
唄っていた。ある日、酒場で歌っていると、教会からゴスペルの歌声が
聴こえてきた。シャグは、楽隊を引き連れて教会に唄いながら進む。
ジャズの響きだ。一方、聖歌隊は、教会に入ってきたシャグ一行に
戸惑いを感じながらも、ついには一体となって、大ゴスペル大会と
なっていった。そして、シャグは牧師と抱き合った。牧師はシャグの
父親だったのだ。

そして、ついにアフリカからネティと自分の子供たちが帰ってくる日が
やってきた・・・。

長い映画なのは、描いた年が40年間だからしょうがない。だが決して
だれて眠くなることはない。よく出来た脚本だと思う。黒人姉妹の
半生を淡々と描いていくのだが、ウーピーの映画初出演をは思えない
素晴らしい演技だ。揺れ動く感情を抑制の効いた演技で表現している。
それと、ソフィアのオプラ・ウィンフリーが良かったと思う。所謂
性格俳優なのでしょう。美人ではないのですが存在感がある。
こういう人がいると映画に厚みが出る。ミスターはどこかでみたことが
あるなあ、と思っていたら、「リーサル・ウエポン」でメル・ギブソンの
相棒刑事をやっていた人だった。
ミスターの黒人ではあるものの農場を経営しているリッチぶりに、本当に
ここがジョージア州か?と思うほど。それとミスターが最後にネティから
移民局に対しアメリカ国籍の照会が来た時、ハガキと現金を持って、
移民局に行き、手続きをしてやるところは、心変わりが激しすぎ、と
思ってしまった。
あと映像が奇麗だ。南部の大自然や、タイトルの言われにもなっている
お花畑、また計算された画角など、映像美も一流だ。
音楽がクインシー・ジョーンズなのも良いですね。

まあ、とかく言われる映画ではありますが、私は一度も眠くなることもなく
興味深く、感動しながら観る事ができました。ハッピーエンドであるという
ものいいですね。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-08-05 16:00 | 洋画=か行 | Comments(0)