Jazz seen/カメラが聴いたジャズ

●「Jazz seen/カメラが聴いたジャズ」
原題・Jazz seen :The life and times of William Claxton
2001 ドイツ 80分
監督:ジュリアン・ベネディクト
出演:ウィリアム・クラクストン、ペギー・モフェット、ジョン・フランケンハイマーほか

ウエストコーストジャズ、特にコンテンポラリーレーベルのジャケット写真で、
その雰囲気を聴くものに伝えた、ブルーノートのリード・マイルスに並ぶ
ジャズ写真家・ウィリアム・クラクストンの半生を、本人や妻(ペギー・
モフェット)、ジャズ・アーティストらが語っていく。また良く出来た、
でしゃばらない再現ドラマも挿入される。

その名前を知らなくても、ジャズファンならば、ソニー・ロリンズの
「The Way Out West」の、砂漠の中のカウボーイ姿のロリンズを写し
たジャケットには覚えがあるはず。この写真を写した主こそ、クラクストンだ。
少年時代にカメラを与えられ、光と影の魅力に取り付かれたクラクストンは、
その後ジャズと出会い、ジャズライブの写真を撮ったり、ジャケット写真を
とり、その、切り取った一瞬の天才的な構図、で写真業界だけでなく、
ジャズアーティストたちにも厚い信頼を勝ち得ていた。
やがて、友達のガールフレンドだった、ペギー・モフェットと知り合い、
ファッション写真にも興味を持つ。ペギーはクラクストンと結婚後、60年代を
代表するポップアートのモデルとしてツィッギーらとともに成功する。
いまでも、お互いを理解しあうおしどり夫婦だ。

そんなクラクストンを、自身のインタビューは勿論、チコ・ハミルトン、
ベニー・カーターなどのジャズマンや、ジョン・フランケンハイマー、
ヘルムート・ニュートンなどの業界人、そしてバート・バカラック、デニス・
ホッパー、ヴィダル・;サスーンなどの友人が、彼の人となりの輪郭を語っ
ていく。

ジャズ好きとしてたまらないのは、チェット・ベイカーやデューク・エリントン、
ダイアナ・クラールとラッセル・マローンなどの演奏が随所に散りばめられて
いること。
80分という短いドキュメントだが、クラクストンの凄さ、写真にこめる愛情が
伝わってくる掌編だ。もちろん、DVDに落として永久保存とした。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-08-06 13:48 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(0)