ロング・エンゲージメント

●「ロング・エンゲージメント」
原題「Un long Dimanche de Fiancailles」
2004 フランス・アメリカ ワーナーブラザーズ映画 134分
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
原作:セバスチャン・ジャプリゾ「長い日曜日」
出演:オドレィ・トトゥ、ギャスパー・ウリエル、ジャン=ピエール・ベッケル他

セバスチャン・ジャプリゾの全仏ロングセラー「長い日曜日」を、「アメリ」の
鬼才ジャン・ピエール・ジュネが、彼独特の映像美と構成で魅せる。
オドレィ・トトゥは、アメリのときより頬がこけ、可愛さはイマイチかな。

タッチはJ・P・ジュネ独特のややイエローかかった画面。そして、今回も語りで
ストーリーを引っ張っていく。そのテンポの良さはアメリの時と同じだ。
ただ、夢見る少女を描いたファンタジーと違って、今回は戦争の映画なので、
ディティールにこだわるジュネは、戦争シーンは、相当リアルに描く。
今回は謎解きという新しい要素が加味されて、後半を引っ張る。ただ、
そこに至るまでがやや長いか。
トップシーンが雨の塹壕を歩かされる5人のフランス軍人の死刑囚たち。
彼ら、一人一人の略歴が、ジュネ独特の映像で語られる。ここをしっかり
見て置かないと、後々、理解が苦しくなる。
第一次世界大戦。戦線からの後送を期して、自分で自分を傷つけて、
それがばれて軍法会議にかけられ、死刑を言い渡されたのだった。
しかし、それぞれに庶民としての生活や夢も、抱えていたのだ。

ブルターニュ地方に生まれたマチルド(オドレィ)は、幼いときに両親を
交通事故で失い、さらにポリオに冒されて、足が不自由。親戚の夫婦の
愛情の元、育てられてきた。そんなマチルドには、マネクという幼馴染で
の婚約者がいた。召集されて軍隊に入り、激しい前線で19歳のマネクは
精神的に耐えられなくなり、自傷して後送されようと、自分の手を小銃で
打ち抜き(指が2本吹き飛ぶが)、ことがばれて軍法会議にかけられ、
死刑判決を受けたのだった。冒頭塹壕を行進していた5人のうちの一人だ。

5人は大統領の特赦を期待していたのだが、特赦の知らせは隊長に
握りつぶされ、彼らはドイツ軍とフランス軍の戦闘中間地帯に放り出される。
彼らはそれぞれ、死んだと思われても仕方が無いようなシーンに遭遇する。
そして、マチルドの元にマネク戦死の知らせが届く。

しかし、マチルドは、マネクは生きていると、何故か不思議な直感があり、
戦争後、探偵を雇って、戦友たちを訪ね歩き、マネクの最期を明らかに
しようと心みる。しだいに判ってくる、5人に動向。
実は、5人の中の農夫だったノートルダムという男が、何とか助かり、
ドイツ軍の飛行機の機銃掃射で傷ついていたマネクに、そばで戦死して
いた別の若者の認識票をくっつけて、救助していたのだった。そうすれば
死刑囚であることがばれずに治療を受けられるからだ。
ノートルダムの機転で、戦後病院で治療を受けているマネクをついに
マチルドは見つけ出す。しかし、マネクは記憶を失っており・・・。

自分の愛を信じて、愛する人を遂に見つけるマチルドの信念。ラストは
ハッピーエンドにしてあげたかったな。なんかラストがしょぼしょぼだった。
物語が相当複雑なので、一所懸命観ていないと、わからなくなってしまう。
特赦を握りつぶした隊長に復讐し、ギロチンになってしまう5人の中の
恋人のサイドストーリーもよかったな。

オドレィ・トトゥは、アメリより、ダ・ヴィンチ・コードに近い、ご面相だった。
だんだん渋くなっていくのかなあ。
ジュネの手法は好き嫌いあるだろうけど、私は好きですね。
戦争映画のリアリティもあり、その中でエスプリやヒューモアを欠かさない
彼の姿勢は映画に独特の味をつけているような気がします。
名優ジョディ・フォスターがちょい役で出ていますね。
ジュネの次作が楽しみです。またトトゥとやるのかな。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-08-17 16:39 | 洋画=ら~わ行 | Comments(0)