ミスター・アーサー  Arthur

●「ミスター・アーサー Arthur」
1981 アメリカ オリオン・ピクチャーズ 97分
監督:スティーヴ・ゴードン(脚本も)
音楽:バート・バカラック、キャロル・ベイヤー・セイガー
出演:ダドリー・ムーア、ライザ・ミネリ、ジョン・ギールグッドほか

クリストファー・クロスの優しい歌声で、ニューヨークの月夜のマジックが
「ニューヨーク・シティ・セレネード」という主題歌として流れてくると、
ああ、AOR時代の映画だなあ、と懐かしい思い出がよみがえってくる。
自分にとって1981年という年は、格別の思い出があるので、この歌と
この映画も格別の思い出がある。
ダドリー・ムーア。或る意味、不世出の俳優さんだ。元々足が悪く、
作曲やピアニストとして名をなして来た人だが、随分年をとってからの
銀幕デビューとなった。背が低く、歩き方が尋常でないのは産まれつきの
病気のせい。そんな、ダドリーが、ハンディキャップなんか微塵も感じ
させない、おバカな演技(というか駄洒落)で笑わしてくれる。

ストーリーは単純。ニューヨークのホテルで暮している(本当の家は別に
ある)アーサー・バック。大富豪の御曹司で、自分で何もする必要も無く、
また何も出来なくて、何もすることがな。そして酒に溺れる日々。本当の
恋も知らないうちに、父親に有無を言わせぬ政略結婚を迫られ、絶体絶命。

ある日、買い物に入った店で、ネクタイを盗む娘(ライザ)を見つけ、万引きで
捕まりそうになるときに、「彼女は自分の連れだ。ネクタイはつけておいて」と
救ってあげる。このとき、アーサーは初めて恋をしたのだ。
しかし、7億5000万ドルの相続は、どうしても断われなくて、アーサーの
結婚式は近づく。
娘は、ウェイトレスをしながら女優を夢見ている。彼女も、アーサーに引かれる
が、政略結婚がどんどん進んでいく。そして結婚式。
盛装したアーサーは、娘のいるダイナーに行き、「60年くらい休暇をもらって
くれない?」とポロポーズ。婚約者に真実を告げ、彼女の父親にぼこぼこに
されてしまう。
「一生貧乏に暮すことになるぞ」と脅かされるが、アーサーは娘との生活を
選んだのだ。もう7億5000万ドルもいらない、と。
しかし、おばあさんはバック家の人間が地下鉄に乗るなどということは許さない、
としかりつけるが、アーサーの心は揺るがない。

終始、酔っ払って馬鹿笑いをながら駄洒落を連発するアーサーだが、初めて
真実の愛に目覚め、人間としてお金ではないところに幸せを見つけていく。
アーサーはもともと、金持ちとして暮していて幸せだと感じたことが無かったのだ。

ダドリー・ムーアの演技が光る。バカラックの音楽は期待したほど出てこない。
また執事役のジョン・ギールガットが、暖かく厳しくユーモラスにアーサーの
後見役を演じていて、良い味を出している。
しかし、ダドリーも、ギールガットももうこの世の人ではないのだなあ。
最後に、アーサーは7億5000万ドルをせしめるのだが、貧乏人として娘と
暮し始めるのがよしとするか、やはり金持ちとして暮すか、意見の分かれる
エンディングではなかったでしょうか。まあ、金はあっても、もうアーサーは
放蕩はしないだろうけど。
尚この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-08-19 23:07 | 洋画=ま行 | Comments(0)