テルマ&ルイーズ Thelma&Louise

●「テルマ&ルイーズ Thelma&Louise」
1991 アメリカ MGM映画 128分
監督・製作:リドリー・スコット 脚本:カーリー・クーリ
出演:スーザン・サランドン、ジーナ・デイヴィス、マイケル・マドセン
    ブラッド・ピット、クリストファー・マクドナルド、ハーヴェイ・カイテル他
<1991年度アカデミー賞脚本賞、ゴールデングローブ賞脚本賞受賞作品>
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ずっと観たいと思っていた映画です。巨匠リドリー・スコット(この人の映画は
良く観ている)がカーリー・クーリの見事な脚本を得て、見ごたえのある
映画を作りました。
映画の中に引きずり込まれる感じの、いいテイストを持った映画です。
映像もアメリカの南部を中心に荒涼とした風景が中心なのだが、空の青、
ところどころの緑、道路の黒、と地面の茶色が、いい塩梅のアメリカな
雰囲気を醸し出している。映画そのものも、これもいい塩梅に肩からチカラが
抜けていて、演じている人々の心がスッと入ってくる。こういうのをいい映画と
いうんだろうな。
音楽も、ありものを使わせたらピカイチのハンス・ジマー。BBキングや
ジョニー・キャッシュ、マリアンヌ・フェイスフルといったミュージシャンの曲が
適所で使われている。
主役のスーザン・サランドンとジーナ・デイヴィスも適役だし、ちょっと出てくる
ブラピ、マイケル・マドセン、C・マクドナルドなど脇も固い。破綻の無い映画だ。

ウエイトレスのルイーズ(スーザン)と親友の(いつからのどういう関係の
友人かは判らない)テルマ(ジーナ)は、毎日の生活と、ダメダメな旦那から
逃避するため週末に二人だけで山荘にドライブすることに決めた。
釣りをやったり山に登ったりして暫くいやな主婦業から抜けたいと。
ウキウキで出発した二人だが、行く手には抜き差しならぬトラブルが
待っていた。まず、最初に休みに寄ったレストランで、ハーランという
ナンパ師に目を付けられ、テルマがレイプされそうになったところをルイーズ
が銃で脅して何とか事なきを得た、と思ったとき、ハーランが「しゃぶれよ」
と声をかけたことにルイーズが激怒。とっさに銃でハーランを撃って殺して
しまった。自首を勧めるテルマだったが、ルイーズは、誰も証明してくれ
ないしトラブルになるだけだ、と逃げることにする。

もう二人は元へは戻れなくなった。やがて、オクラホマシティに帰るという
若い男(ブラピ)をクルマに乗せるが、テルマがこのJDと呼ばれる男と
寝てしまい、二人でモテルの食堂で朝食を取っているすきに、ルイーズが
旦那に持ってきてもらった(トラブルに巻き込まれたので振り込んで欲しいと
いったら旦那のジミーは自分で持ってきてくれた。欲しかった指輪も添えて。
ルイーズが思うほど旦那はダメじゃなく、ルイーズを愛していてくれたのだ。
でも気がついたときは、もう手遅れだった。)6600ドルをJDに盗まれて
しまったのだ。彼は学生とウソをつき本当は仮釈放中の強盗だったのだ。
まんまとかもられたわけだ。

ルイーズが自分で貯めた「命の綱」が無くなり途方にくれていると、
テルマはがぜん元気付き、ルイーズを急かせてモテルを出発、なんと
途中のスーパーに銃を持って入り、レジの有り金を奪ってきてしまったのだ!
「シット!なってことをしてくれたの!」と、テルマを責めるルイーズだが、
背に腹は代えられなかった。二人は殺人容疑者と強盗犯として指名手配を
受ける身となったのだ。
やがて、この事件の捜査主任であるハルにブラピが捕まる。「お前が彼女の
金を盗まなかったら彼女らは強盗はしなかったんだ、お前が彼女らを追い
詰めたとは思わんのか!」となじる。一方でなんとか二人にこれ以上罪を
重ねさせないよう電話を逆探知しながら説得を重ねるのだが、二人は
ハルの言うことを聞かない。
ブラピが彼女たちがメキシコに向かうといっていたことを警察に言って
しまった為彼女らの包囲網はますます狭くなっていく。

多数のパトカーとヘリコを引き連れて逃げ回る二人のコンパーチブル。
しかし、ラッキーは続かず、絶壁へと追い詰められる。ハルは、
重武装したFBIに銃を下ろせと説得するが聞かず、降伏の説得をする。
もう、戻るところが無い二人は手を握り合って、アクセルを強く踏んだの
だった。

普通の主婦が、ふとした事から犯罪者になってしまい、逃避行をせざるを
得ない状況に巻き込まれていく様を、ロードムービーの形で、上手く仕上げ
ている。さすがは手堅いリドリー・スコットだ。
最初にレイプ犯をカッとなって短慮から射殺してしまうルイーズもおバカだし、
金を取られたからといって、強盗を働くテルマもおバカなのだが、なかでも
ジーナ・デイヴィスが演じたテルマは頭のネジが5,6本抜けちゃった感じの
ノータリン振りが実に良く出ていた。「お前はアホか!」と画面に突っ込みを
入れたくなるくらいだ。ラストは救いの無い形だが、二人にはあのラストこそ
救いだったのだろう。
アメリカの広い国土だからこそ出来る車を使っての逃避行。狭い日本なら
どこにいても、すぐに捕まっちゃうから、この手の映画はアメリカならでは、
だな。それにしてもルイーズの66年式のコンパーチブルはカッコいいなあ。
尚この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
Commented by PANA at 2006-11-06 01:43 x
テルマの行動に苛立ちを感じるのは、ジーナ・デーヴィスの演技が上手いということにもつながりそうです。
彼女の心理が、大きく変化していく様が見事です。
by jazzyoba0083 | 2006-10-25 23:00 | 洋画=た行 | Comments(1)