ブラック・ダリア THE BLACK DAHLIA

●「ブラック・ダリア THE BLACK DAHLIA」
2006 アメリカ ミレニアム・フィルムズ、エクィティ・ピクチャーズ
     シグネチャー・ピクチャーズ 東宝東和配給 121分
監督:ブライアン・デ・パルマ 原作:ジェームズ・エルロイ
出演:ジョシュ・ハートネット、アーロン・エッカート、スカーレット・ヨハンソン
    ヒラリー・スワンク、ミア・カーシュナー、リチャード・ブレイク他
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久しぶりに映画館で映画に「対峙」した。別に難しいことではないのだけれど、
人物がたくさん出てきて、物語が錯綜するので、セリフの一つ一つをしっかり
聞いて(見て)いないと、筋が判らなくなりそうだったので、そりゃ、真剣勝負。
それでも、判りづらいところはあったけど。
さらに、デ・パルマの映像美を楽しみたかったので、眠っている場合では
無かったわけです。それにしても、日曜なのに入りが今ひとつだったな。
観た結果は、大変面白かったです。もう一回位観ないと話の筋が明快に
ならないかもしれない。デ・パルマのセピアがかった映像も40年代の
雰囲気を耽美に描写していて官能的に美しかった。
アップ、引き、クレーン、ドリー、パーン、どれも計算されているんだけれど、
それと感じさせない巧みさ。さすがだ。
1947年のLAを再現するためにブルガリアに組んだセットと出てくるクルマ、
これらも凝りに凝っていて美術監督の執念を感じさせる。
物語には直接関係のない、警察署で事務と執るシーンでのちょいとした地震
なども、訳ありげで楽しい。

特に連続殺人犯ラスのアジトを急襲するときの、クレーンショット、その先に
ブラック・ダリアの遺体を発見して悲鳴を上げて走る女性。そして、近づいて
くる警察車両。これだけを1シーンで収めてしまう。印象深いカットだ。

それと、ラスト近く、ケイトの家を訪ねたバッキーが一瞬、芝生の上に
切断されたブラック・ダリアの遺体の幻想を見る、そのときだけセピアが
外れる。これも意味深い、いいカットだったな。

物語はこれから観る人も多いのでネタバレや詳細は省きますが、
1947年1月15日にLAで発見された若い女性(エリザベス・ショート=
ミア・カーシュナー)の、胴体が半分に切断され、口が耳まで切り裂かれ、
内臓と生殖器が抜き取られていた遺体を巡る、謎と男女の交錯が
デ・パルマタッチで描かれていく。
この事件は実際に起きたもので、現在も真相は判っていないのだが、
映画の中では一応決着をつけている。

主人公は、LAPD殺人課特捜班所属の二人の若き刑事、バッキー・
ブライカート(ジョシュ)とリー・ブランチャード(アーロン)の二人。
どちらかというとバッキー目線で物語は進む。
バッキーが特捜班に入るまでが長い。二人が凄腕のボクサーである
ことが映画のスタート。

リーと同棲しているケイ(スカーレット・ヨハンソン)、殺されたブラック・
ダリアことべス・ショートにそっくりな富豪の娘マデリン・リンスコット
(ヒラリー・スワンク)、彼女に惹かれていくバッキー。
映画のセットを建売り住宅にして売り出し、巨万の富を得た、マデリン
の父エメット(ジョン・ガバナー)。その親友にしてエメットの妻のかつての
恋人ジョージイ。 ジョージイの恋人だったエメットの妻ラモーナじが
重要なカギを握っている。
ケイのかつてのヒモで、ギャングのボビー・デウィット(リチャード・ブレイク)。
これらに、ギャングのラス、ダリアの友人ローナが絡んで、殺人事件と
平行して彼らの人間模様が恋愛を軸に描かれていく。

殺されたのは、いつも黒づくめの衣装を着てハリウッド大通を歩き役を
貰おうと必死だった女優のタマゴ、マサチューセッツから夢見て出てきた
べス・ショートだった。皆は彼女のことをブラック・ダリアと呼んでいた。

猟奇的な殺され方からマスコミを賑わすことになり注目される。これの
捜査に当たる、バッキーとリー。登場人物の生活が見事に折り重なって
事件と綾をなしていく。

かつてギャングのボビー・デウィットの女だったケイトは、ボビーに腰に
頭文字BDをナイフで刺青のように傷つけられていたが、最初にそれを
みたとき、一瞬、ブラック・ダリアの頭文字かと思った。でもそんな
ニュアンスをデ・パルマは隠してあるような気がしてならない。
話がやや、複雑だが、大変面白く、いい映画だったと私は感じた。
役者も、みんな良かったが、ヒラリー・スワンクの、金持ちの女ながら
ブラック・ダリアも真っ青なアバズレ振りは、良かったな。
スカーレット・ヨハンソンは、今アメリカで一番妖艶な女優だそうだが、
そうかなあ。美しいことは確かだけれど。原作を読みたくなった映画だった。
尚この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
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Commented by oh_darling66 at 2006-12-03 01:24
☆jazzyobaさん、初めまして。エントリー、拝読させて頂きました。

>…特に連続殺人犯ラスのアジトを急襲するときの、クレーンショット、その先に
>ブラック・ダリアの遺体を発見して悲鳴を上げて走る女性。そして、近づいて
>くる警察車両。これだけを1シーンで収めてしまう。印象深いカットだ。

もう、ここでのキャメラ・ワークはデ・パルマとジグモンドが本作でものにした最大の見せ場ではないかと僕も思います。わくわくとし陶然としながら見つめていました。ただ、このワン・シーン以外にも、jazzyobaさん仰るように、これ見よがしではないけれど、観客が無意識に画面に引き込まれて行くであろう、デ・パルマならではのキャメラ・ワークの妙が幾つかあったかと思い起こします。

>ラスト近く、ケイトの家を訪ねたバッキーが一瞬、芝生の上に
>切断されたブラック・ダリアの遺体の幻想を見る、そのときだけセピアが
>外れる。これも意味深い、いいカットだったな。

仰る通り、あの死体のカットはそこまでの色調と異なるものでしたよね。“ブラック・ダリア”の黒髪、カラス、それらの黒味が強烈でした。 後ほど当方からもTBさせてください、それでは。
by jazzyoba0083 | 2006-10-29 14:30 | 洋画=は行 | Trackback(7) | Comments(1)