過去のない男 The man without a past

●「過去のない男 The man without a past」 
2002 フィンランド・ドイツ・フランス 97分
監督・脚本・製作:アキ・カウリスマキ
出演:マルック・ペルトラ、カティ・オウティネン、アンニッキ・タハティ他
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フィンランドの映画を始めて観た。というか、北欧の映画がたぶん
初体験だと思う。独特の映像と台詞回し、照明も陰をくっきり出す、
一方向からのもの。美男美女は出てこないし、ユニークな映画
でした。特にビックリしたのは、主人公が列車に乗り食堂車で
寿司と日本酒を注文するシーンとそのBGMにクレイジー・ケン・
バンドの「夢のハワイ」が流れていたこと。なんじゃ、こりゃ、という
感じでした。

過去のない男の話はよくあるもので、今回もストーリーは単純。
ヘルシンキに出てきた男。夜、公園のベンチでうたた寝をして
いるとき暴漢に襲われ、バットで殴られ金を奪われる。
瀕死で病院に運ばれた男だったが、医師に死亡を宣告される。
しかし、本人はまだ生きていたのだった。しかし、男は記憶を
完全に失っていた。
(全身包帯姿でむっくり起き上がり、電極をはずして病院を脱出
するシーンは奇異な感じをうけましたね。)
病院を抜け出した男だったが、海岸沿いで失神してしまう。
そこを近くに住む貧しい一家に救われ、丁寧な保護を受ける。
そして、彼らの導きで救世軍の世話になる。そこで、中年の
女性兵士に世話を焼いて貰う。男はその彼女、イルマに次第に
心が傾いていく。
男は、救世軍のバンドにロックやポップスを演奏させ人気を得させる
アイデアを企画したりして、次第に周囲の環境に馴染んで行く。

二人は借りた車でデートをしたりして、仲を深めていく。
そんな中、男は銀行に口座を作るために赴くがそこで強盗に遭遇
する。女性行員と金庫に閉じ込められるが、行員の機転で火災
報知器を鳴らして救出される。
男は強盗の共犯ではないかと警察に拘束されるが、イルマに電話し、
救世軍差し回しの弁護士の努力で、男は釈放された。

この事件が新聞にのり、目撃者の男は誰?という記事になる。これを
彼の妻が見て警察に連絡、彼は妻との折り合いが悪く、南に仕事を
求めてヘルシンキにたどり着いたのだった。

記憶が戻らぬまま、イルマと悲しみの別れをし妻の元に戻った男だった
が、妻には新しい男がいて、それを見た男は、妻の元を離れ、また
イルマの元に戻るのだった。

ハリウッド映画でもないし、イタリアやフランス映画とも違う独特の
雰囲気の映画、暗いストーリーで台詞回しも朴訥としているのだが
なんか、いい雰囲気。クレイジー・ケン・バンドをBGMに使うところなど
なかないい味だ。フィンランド人が生魚を食べるということを学習させて
もらいました。
尚この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2006-11-11 17:15 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)