武士の一分

●「武士の一分」
2006 日本 松竹 武士の一分製作委員会 121分
監督:山田洋次 原作:藤沢周平 撮影:長沼六男 音楽:富田勲
出演:木村拓哉、壇れい、笹野高史、小林念侍、緒形拳、桃井かおり
    坂東三津五郎、大地康雄他
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山田監督による、藤沢作品三部作の最終作品だとか。私は「たそがれ
清兵衛」を、大感激をもって観ていて、「隠し剣・鬼の爪」は未見です。
当代一の色男、木村拓哉主演ということもあって、前評判は上々。
いつものシネコンも、年配の夫婦を中心にまあ良く入ってましたね。

で、作品ですが。う~む。私は「たそがれ~」の方が遥かに好きですね。
この映画は木村拓哉の映画だ。確かに木村君は演技は上手い。あれだけ
自然に振舞える人は、今の映画界にもそうはいない。それは認める。
だけど、作品としてのストーリー性が、なんかイマイチなんだなあ。
それと、小林信彦も言っていたけど、これまでは、大自然や四季が
織り込まれて、映像とのシナジーも優秀だったが、今回は下級武士の
家が殆どで、しかも盲人の話、閉塞感がつきまとう。
それだけ、ストーリーが凝縮していた、といえばそうかも知れないし、
家の内外が中心といえども、アングルや照明、カメラワークなど、文句の
つけられない素晴らしさがある。「蝉しぐれ」とはやはり一線を画すな、と
観ていて判る。それはそれでいいんだけどなあ。

山田~藤沢作品にある、「ぐぐっと胸に来る」ところが無かったようだ。
確かに、最期に妻が帰って来ての夕食のシーンは、涙がでたが、
それだけだね。それも、単純明快な夫婦愛だ。明快すぎるので陰が無い。

殿様のお毒見役の下級武士(木村)が、ある日貝の毒で視力を失う。
彼の上司の口利きで三十石の禄は保証される、と聞かされる。
しかし、実は彼の上司は木村の妻が好きで、木村が失明したのを
いいことに、彼女をモノにしようと、禄の保証を家老に進言する、と
いって、その見返りに体を求める。木村のことを思う妻は、涙を飲んで、
要求を聞く。そのことを知った木村は妻と離縁する。

しかし、実際は、お殿様自らが、彼の悲劇を聞き、禄を保証し、一生養生
せよ、と決めたのだった。そのことを仲間からしらされた木村は、上司に
対し復讐を誓う。盲目の身で、剣術の腕を磨き、上司に果し合いを挑む。
上司は江戸の剣術同上の免許皆伝。果たして、「武士の一分」は
守られたのか?

素直な感想として、ある日突然目が見えなくなったのに木村の冷静さには
同意できないなあ。それと、盲目の身で、あんなに早く目開きのような
剣術が使えるようになるのかなあ?

「しみじみ」「ほのぼの」いやなことが残らない映画で、いい映画であることは
確か。でも「たそがえ~」は越えられなかった、と私は思いますが・・・・。

この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
Tracked from Sweet* Days .. at 2006-12-10 20:43
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Commented by ミチ at 2006-12-10 23:19 x
こんにちは♪
この作品は木村君ファンで時代劇初心者にも分かりやすいように、比較的単純で分かりやすい作りになっていたように思います。
三部作はどれも好きですが、やはり「たそがれ~」が一番です!
Commented by kimion20002000 at 2007-08-21 00:50 x
TBありがとう。
僕は、少なくとも風景描写に関しては、「蝉しぐれ」の黒土監督の方を、評価しているんですよ。
by jazzyoba0083 | 2006-12-10 12:10 | 邦画・新作 | Trackback(17) | Comments(2)