2006年 12月 11日
ゲット・ア・チャンス Where the money is
2000 アメリカ インターメディア・パシフィカフィルムズ 88分
監督:マレク・カエニフスカ 製作:トニー&リドリー・スコット他
出演:ポール・ニューマン、リンダ・フィオレンティーノ、ダーモット・マルロー他
渋いポール・ニューマンと、映画の中に出てくる66年?式のマスタングが
印象的な掌編。
短めの映画だけど、良く出来ていると感じた。ストーリーが良いのだね。
ウェインとキャロルは、高校のプロムのキングとクイーンという夫婦。
でも、今は二人して老人の介護施設で働いている。仲はいいのだが、
毎日があまりにも平凡。
そんな施設に、一人の老人が送り込まれてくる。脳卒中だという。
なんでも銀行強盗をしながら、30年間逃げ回ったが、最近入った銀行が
停電で金庫がしまり、御用となったとか。そして刑務所で脳卒中を
起こして施設に運ばれてきたのだ。
キャロルが担当になったのだが、この老人、どうも仮病を使っているらしい。
ついに、キャロルは、ヘンリーというこの老人が、刑務所から抜け出るために
2年半かけて脳卒中を装って、刑務所の外に出ることに成功したことを
突き止める。
平凡な毎日に飽きていたキャロルは、ヘンリーの銀行強盗に興味を覚える。
そして、なんと夫のウェインを巻き込んで、現金輸送車を襲う計画を立てる。
十分下見をし、現金輸送車を襲い、警備員2人を縛り、制服を奪い、
ヘンリーとウェインが警備員になりすまして、ガソリンスタンドやコンサート
会場、遊園地などを廻り、次々と現金を回収していく。
キャロルは輸送会社の女性係員になりすまして、お得意の会社に電話し、
いつもの警備員がトラブルで行けなくなったので新人を回します、と
ウソの電話を掛けまくっていたのだ。
そして、ちょっとしたピンチも上手く切り抜けて200万ドルを手にした3人。
夜明けまでに、施設に戻り何事もなかったかのように振舞った。
しかし、ウェインが警備員を縛った時カッターを近くに落としてきてしまい、
警備員が予定より早く逃げてしまったミスを犯した。
安心したキャロルだったが、ヘンリーが刑務所に戻されてしまった。
どうしようもないだろう、というウェインだったが、キャロルは護送車を
追いかけ、彼を救いだす。そしてウェインの元に戻ったのだが、
ウェインはヘンリーを警察に売って、自分たちだけ助かろうとした。
家の周りは既にパトカーに囲まれてしまった。
自首して出るウェインだったが、ヘンリーとキャロルはクルマで脱出。
ヘンリーのクルマは川に飛び込んだのだが・・・
ラストシーン。宝石店に現れたキャロル。左手の薬指の指輪が抜けない
から抜いてくれと店主に頼む。後ろには車椅子に座って痴呆を装う
ヘンリーの姿があった。彼の目は宝石ケースに向けられていた。
単純痛快な映画だった。本当に銀行強盗をやるとはちょいと想像できないが、
これが映画の世界なのだな。ポール・ニューマンは、物凄くふけた老人も
演じ、しゃっきりした男も演じている。見事だ。リンダ・フィオレンティーノの
ぶっ飛んだ女ぶりもいいネ。
尚この映画の詳しい情報は
こちらまで。