砲艦サンパブロ  The Sand Pebbles

「砲艦サンパブロ The Sand Pebbles」
1966 アメリカ 20世紀フォックス映画 195分
監督・製作・脚本:ウィリアム・ワイズ
出演:ステイィーヴ・マックィーン、リチャード・アッテンボロー、キャンディス・
バーゲン、マコ岩松、リチャード・クレンナ、サイモン・オークランド他
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マクィーンを代表する硬派ドラマの傑作。3時間を越え、冒頭には
オーヴァチュア、途中にはインターミッションが入る。
監督のウィリアム・ワイズは、「ウェストサイド物語」「サウンド・オブ・
ミュージック」という大傑作でアカデミー監督賞を2回獲得している
名匠だが、作品のジャンルは多岐に渡る。バーサタイルな
頭脳を持った天才
といえよう。

この映画は、1966年、アメリカがいよいよベトナムの深みにはまる頃に
作られたことを考えなくてはいけない。ワイズは、第二次世界大戦の
中国に舞台を借り、中国とアメリカの関係を借りて、ベトナムとアメリカの
関係を訴えてみたのだ。

長い上映時間の割りに、物語は地味で、はしょれる場所もあったように
感じた。だが、展開は魅力的であり、飽きさせることは無い。
主人公はマクィーン。「シンシナティ・キッド」の次の年に制作された。

舞台は1926年(昭和元年)の揚子江。1912年に中華民国が成立。
しかし国内は軍閥割拠で混沌としていた。国内は蒋介石が率いる
国民党と共産党に大きく二分され、これに列強が利権を狙っていた。
日中戦争が勃発するのは、1937年のことである。

揚子江の警備に当たっていた砲艦サンパブロは米西戦争のときに
米軍がスペインから分捕ったおんぼろ船。戦争でも平和でもない空気に
乗組員の士気はたるんでいた。
そんなサンパブロに9年で7回も転属を繰り替えていている水兵ジェイク・
ホルマン兵曹長が乗り込んできた。サンパブロでは中国人が乗り込んで
住み込み下男として働くのみならず、ジェイクの持ち場である機関区でも、
蒸気エンジンの仕組みもわからず働いていた。
上海にやってくる時にいっしょになったシャーリー(キャンディス)は
揚子江の奥地で伝道所に暮らし、教師として赴任してきた。

以後、物語は、ジェイクと、機関室に働くプーハン(マコ)の関係、
ジェイクの親友となるフレンチィー(アッテンボロー)と中国人女性
マイリーとの愛情。コリンズ艦長の苦悩、そしてジェイクとシャーリーの
愛情といった人間模様を、戦争に突入していく中国と人民との対立を
背景に活写する。

決して、大仰な描き方ではないが、静かに様々な人間
関係を描きながら戦争が人間に及ぼす
影響を訴えている

ラストに救い(カタルシス)が無いので、やり切れなさは残るが、ワイズが
言わんとするところは明確となる。

マクィーンを始め、アッテンボロー、艦長役のリチャード・クレンナなど
どの配役も、素晴らしい演技を見せる。アメリカの映画が映画らしかった
ころの名作である。
尚この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2007-02-10 17:30 | 洋画=は行 | Comments(0)