永遠(とわ)の愛に生きて Shadowlands

●「永遠(とわ)の愛に生きて Shadowlands」
1993 イギリス Spelling Films 提供 132分
監督・製作:リチャード・アッテンボロー
出演:アンソニー・ホプキンス、デブラ・ウィンガー、ジョセフ・マッゼロ他。

  <1993年度アカデミー賞主演女優、脚本賞ノミニー>
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『ナルニア国ものがたり』などで知られる作家・ファンタジー作家・神学者、
クライブ・ステーブルス・ルイス(1898~1963)の物語。
彼はオックスフォードで文学を講じ、また、キリスト教研究でも名高い、
現代の賢者とも呼べる高潔な人物である。
象牙の塔に篭もり、退役軍人の兄と二人暮らしの彼は、女性とはほとんど
没交渉の生活を送っていた。

ある日、彼のファンだというアメリカの女性詩人ジョイ・グレシャムの訪問を受け、
彼はその大らかで自立した意識に戸惑いつつも次第に彼女に惹かれていく。
だが、それまで恋を畏れ遠ざけてきた彼は、感情を素直に表わせず、ジョイには
それが苛立たしい。一旦アメリカに帰るジョイだが、夫とのDVや浮気などが原因で
離婚を決意、ロンドンに移り住むようになった。ルイスは、ジョイに英国永住権を与える
ために、書類上の結婚をする。ジョイの恋心になかなか気が付かないルイス。
互いの想いがようやく煮詰まりかけた頃、ジョイは突然骨髄ガンに倒れ、
ようやく彼は溢れる愛を言葉にする。それは9つの時に母を亡くして以来、
胸に押し込めていた暖かい気持ちだった……。そして、余命いくばくも無い彼女と
病室で真の結婚式を挙げるのだった。

アッテンボローの演出も、いつものソツのなさから一歩大きく踏み出して、
心に迫るものがある。ジョイの連れ子である利発でナイーブな少年ダグラスが、
新しい父のルイスと共に母の看病をする、静かな展開の後半は、抑えたタッチで
逆に圧倒的な感動を呼ぶ。小康を取り戻したジョイとルイスが、風景画のように
美しいゴールデン・バレー渓谷を訪ねるシーンも感動的である。

また、ジョイが早晩亡くなるであることを判りながら、愛情を一心に注ぐルイスの
献身は、晩年になってから、人を愛することを知った男の切なさと勇気が
ひしひしと伝わってくる。名優アンソニー・ホプキンス、さすがである。
特に、ジョイが逝ってから、息子アンソニーと、屋根裏部屋でジョイを思って
お互いに抱き合って号泣するシーンは、無償の愛の素晴らしさに胸詰まるものが
ある。皆さんおっしゃっていることだが、ジョイがルイスに言った言葉、「今日の痛みも
明日の幸せの一部」が重く迫る。
先日観た、これも実在の詩人シルビア・プラスを描いたものと通底するものが
ある。イギリス映画って、暗いけど「文学的」、「思索的」なものが目に留まります。
ジュディ・デンチ主演の伝記ものもこの範疇ですね。
ただ、この映画、物語がスタートするまでに1時間近くかかるんで、もどかしさは
つきまといます。
こうした映画が出来上がるのは、英国の季候・風土が大いに影響していると見ました。
尚、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
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Tracked from 中年映画館 at 2007-09-23 12:39
タイトル : 1982年の映画(DVD)
■アカデミー賞★作品賞:ガンジー 監督:リチャード・アッテンボロー※非暴力主義を唱え、インドを独立へと導いたマハトマ・ガンジー(ベン・キングスレー)の生涯を描いた伝記映画。インドの大地をとらえた映像も素晴らしい。ラヴィ・シャンカールの音楽も映像とマッチして魅力的だ。★監督賞:リチャード・アッテンボロー「ガンジー」※リチャード・アッテンボローは、1923年8月29日イギリスのイングランド・ケンブリッジ生まれ。映画監督・映画プロデューサー・俳優。ロンドンの王立演劇学校で学び、19...... more
by jazzyoba0083 | 2007-05-26 22:45 | 洋画=た行 | Trackback(1) | Comments(0)