殺しのドレス Dressed to kill

●「殺しのドレス Dressed to kill」
1980 アメリカ Cinema 77 Films 105分
監督・脚本:ブライアン・デ・パルマ
出演:マイケル・ケイン、アンジィー・ディッキンソン、ナンシー・アレン他
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「ブラック・ダリア」「ミッション・インポッシブル」のデ・パルマらしい、サイコ
スリラー。この手の映画が好きな人は、すぐネタバレするんでしょうが、
デ・パルマの中でも傑作だろう。私も2度目以上の鑑賞となる。
ステディカムを多用した長まわしは、デ・パルマの真骨頂。時間もちょうどいい。

アンジィーはこの年、バート・バカラックと離婚したばかり。ナンシー・アレンは
デ・パルマの奥さんになったばかり。アンジィー、アップになるとシワが目だって
いたけど、いくつだったんだろう、とフィルモグラフィーを調べると、このとき49歳!
ま、シャワーシーンは吹き替えだろうが、それにしても綺麗ですね。
でも、今は76歳のおばあちゃんだけど。片やナンシーは当時30歳。ピチピチでしたな。

アンジィーは物語の前半で殺されちゃうので後半出番なし。逆にアンジィーの
殺されるところを目撃してしまうナンシーはそこからの登場。

結局、主人公の精神科医の2重人格のなせる業で、犯人は、ラストであっと
びっくりの解決を見る。
冒頭のアンジィーのシャワーシーン、イミのなさそうなエロエロシーンもあったり。
続く美術館での彼女の誘惑とそれに応じた男とのチェイス。そしてタクシーの中
でのセックス。そのまま男の家に行き、一晩とまって帰ろうとするが、部屋に
指輪を忘れたことに気づき取りに帰ったエレベーターの中。大柄な金髪の
サングラスで黒のトレンチの女がナイフでアンジィーを切り殺す。

ドアが開いたところを、客の所に行こうとしていた娼婦ナンシーと出くわす。
悲鳴をあげて逃げ出すナンシー。現場に落ちていたひげそり用のレザーを
持っていたところから警察に拘束されるが、もちろん犯人などではなく
釈放されるが、ナンシーの説明に警察は耳を貸さない。

一方、コンピューターオタクのアンジィーの息子は、母親を殺した犯人を
どうしても見つけたくて、母が通っていた精神科医の前に隠しカメラを積んだ
自転車を止めて連続写真を撮り、通ってくる患者の写真を撮りまくった。

精神科医は自分の部屋からレザーが盗まれていることからどうやら
自分の患者に犯人がいるらしい(と二重人格の彼はそう思う。自分なのに)
ことから、身辺を警戒する。

警察に、精神科の患者の中に犯人がいる、カルテを強制捜査して、と頼む
ナンシーだが警察は聞く耳をもたない。「ただ、お前が間違えて部屋に入り
見てしまうのは仕方が無いがな」とかいって、侵入をそそのかす。

ナンシーは長男と結託して、患者を装って医者に近づき、色仕掛けでカルテを
探ろうとする。ナンシーの色香に負けて、別の部屋にナンシーを通してしまう。
そこで、ナンシーは金髪の大柄の女の名前と住所を控えることができた。
(そんな人物はおらず、医者自身だったのだが)

しかし、そんなナンシーにも金髪女の魔の手が迫っていた。彼女がシャワーを
浴びている時に忍び込んできたのだ・・・・。

テンポも良く、少々余計なエロが多く、なぜかシャワーシーンが多用されている
(ヒッチコックの影響か)が、何せ、カメラワークが非常によく、また出てくる人物が
絞られているので、どんでん返しも良く判り心地よい。原題も、よ~く考えると
謎解きになっているのが素敵だ。
デ・パルマの初期の傑作を観たい人は見逃すべからず。
尚この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
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タイトル : <殺しのドレス> 
1980年 アメリカ 105分 原題 Dressed to Kill 監督 ブライアン・デ・パルマ 脚本 ブライアン・デ・パルマ 撮影 ラルフ・ボデ 音楽 ピノ・ドナッジオ 出演 マイケル・ケイン  アンジー・ディッキンソン  キース・ゴードン    ナンシー・アレン  デニス・フランツ  デイヴィッド・マーグリース    科学コンテストに出場しようと研究に没頭する高校生ピーター・ミラー(キース・ゴードン)は、母ケイト(アンジー・ディッキンソン)に美術館に誘われますが断り...... more
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by jazzyoba0083 | 2007-06-23 22:40 | 洋画=か行 | Trackback(3) | Comments(0)