2007年 06月 19日
フラガール Hula Girl
2006 日本 シネカノン 120分
監督:李相日 音楽:ジェイク・シマブクロ
出演:松雪泰子、豊川悦司、蒼井優、山崎静代、岸部一徳、富司純子他
<2006年度 日本アカデミー賞、ブルーリボン、キネマ旬報1位他多数受賞作>
茨城県常磐町(いわき市)にある「常磐ハワイアンセンター」(今は名前が変っている)
と「船橋ヘルスセンター」は、昭和30年代の高度成長期に青春を過ごした人、
あるいは壮年期を送った人には忘れられない施設だろう。テレビでも盛んにCMを
流していた。特に「船橋ヘルスセンター」は「長生きしたけりゃ、ちょっとおいで。
チョチョンノパ。チョチョンノパ」というコマソン(死語)で今でも唄えたりする。
炭鉱の町が石油時代に押されて、事業を縮小していくなか、炭鉱会社が立ち上げた
「ハワイアンセンター」で、炭鉱の娘たちを集めて作られたフラダンスチームの
誕生から、センターのオープンまでを描いたドキュメンタリータッチの映画だ。
映画公開時には「キワモノ」だろう、と高を括っていたが、キネ旬で年間1位になって
びっくりした。静ちゃんがでているんだもん。彼女は女優じゃないからね。
セリフは棒読みだし、あの容貌だけが必要なんだろう。ならあんまり喋らせないことだ。
で、改めてWOWOWで見たわけだが。
「三丁目の夕日 ALWAYS」「パッチギ」のヒットを受けて、この手の映画が陸続と
作られたのだが、キネ旬で1位を獲るかなあ!確かに面白く出来てはいるが、
1位じゃないなあ。
いいのは蒼井優だけだ。確かに彼女の演技力、表情は、若手の中でも群を抜いて
いるだろう。私はテレビ「タイガー&ドラゴン」で、岡田くんの経営するセレクトショップの
店員をやっていたころから大注目していたわけだが。
実話の持つ重みが映画に実力以上の価値をつけているのではないか。
松雪演じた、平山まどかは70数歳になった今も、ハワイアンセンターで指導している
というロールが最後にでるあたりは、駄目押し。
かつてはSKDの花形だった平山まどかが、炭鉱会社に招かれて、ハワイアンセンター
開業に合わせて披露するアトラクション、フラダンスのチームを教育するために
町にやってきた。本人もやる気がなければ、集ってきた女の子も4人。
保守的な炭鉱の町の人々は、裸踊りと勘違いしていた。しかし、4人の頑張りと
フラダンスの正しい知識が行き渡ると、踊り子は多数になり、まどかもやる気をだす。
おぼつかなかったダンスもだんだん形になってきて、町で披露が出来るまでになった。
そんな舞台のあった日、静ちゃんのお父さんが亡くなった。訃報にもめげず、まどかが
家に帰れというのにも係わらず、静ちゃんは「踊ろう」といって舞台に上がる。
そんな中、父親が亡くなったのだ。
親の死に目に会わせなかったと、町の人々に非難され、富司純子(蒼井のお母さん)
から、もう町から出てってくれ、と言われ、まどかは町を去る決意をする。
しかし、電車に乗ったまどかにホームに駆けつけた踊り子たちは、フラで、「愛して
います」と踊る。感激したまどかは、残ることにする。
そして迎えたセンター開業の日。(この間、センターの熱帯樹が寒さで枯れそうに
なり、炭鉱の長屋のストーブをかき集めるというエピソードも披露される)
舞台の上には、輝く笑顔の、炭鉱の娘たちが、見事なフラを披露する姿があった。
袖では、まどかが涙してその様子を見つめていた。また客の中には、最初娘の
フラダンスを勘当同然で反対していた富司純子の姿もあったのだった・・・。
最後の蒼井優のソロダンスでの笑顔は、これだけでも見る価値あり。
よく出来た映画だけど、結構2時間のテレビ映画でも出来るんじゃないかなあ。
尚この映画の詳しい情報は
こちらまで。
『人生には降りられない舞台がある―― まちのため、家族のため、とものため そして、自分の人生のために、少女たちはフラダンスに挑む。』 コチラの「フラガール」は、9/23公開の常磐ハワイアンセンター(現:スパリゾートハワイアンズ)の誕生を支えた人々の奇跡....... more
まわりの評判が良かったので、ずーっと見たいなと思っていた作品でした。見てみると、評判通りなかなかグッド{/star/} かなーりベタな展開なんだけど、じーんと心に響くものがありました。(泣けるとまではいかなかったですが)それにシリアスさとコミカルさが丁度いい感じなんですよね。 この感じ、「ALWAYS 三丁目の夕日」を見た時の感じに似てるかも。こういうのを見ると、日本の映画もだんだん良くなってきてるなーと感じます。 あらすじを簡単に書きますと・・・。 昭和40年代、時代の流れに逆らえず、かつては賑...... more