2007年 09月 25日
恋のじゃま者 Nothing In Common
1983年 アメリカ TriStar Pictures,Delphi Films 119min.
監督:ゲイリー・マーシャル
出演:トム・ハンクス、ジャッキー・グリーソン、エヴァ・マリー・セイント他
若きトム・ハンクスが、このころのキャラクターだった、3枚目のライトラブコメデディ。
ただ、トムの映画はどこかにヒューマンなタッチが入っているんだな。
「スプラッシュ」とかもそうだし。
この映画も、詰まるところオヤジとの和解がラストに来るわけだが、そこまでに
いたるのにちょっと時間がかかりすぎかも。
ディヴィッド(トム)は、シカゴの有能な広告プランナー。高校の同級だったドナとは
何でも話せる女友達。もてるディヴィッドは女には不自由していなかった。
そんな彼の次の仕事は航空会社。社長と会食する予定のホテルでナンパした美女が
社長の娘でしかも航空会社の宣伝部長だった。しかし、ディヴィッドは負けていない。
しっかり彼女を自分のものとして、コンペに勝ったのだ。
そんなディヴィッドのところにオヤジが離婚をしたといって転がり込んできた。
長年子供服のセールスマンとして働いてきたが、奥さんが愛想つかして出て行った
というのだ。一方母親のほうからも、いろいろ相談を持ちかけられる。
分かれた両親の世話と仕事でてんてこ舞いのディヴィッド、悩みを相談できるのは
ドナだった。
母親にしてみれば、私は下宿屋のおばさんじゃない、36年間、メシとベッドとトイレ
だけ。会話もなかった、と言うし、オヤジは、確かに外に女を作ったが、お前は
ベッドでもなにも応えてくれなかった、濡れ雑巾のようにな、と居いつのり接点はない。
ディヴィッドも、幼いころオヤジから厳しく躾けられ、オヤジに対し心を開いたことは
なかった。いまさら転がり込んできて世話をしろだと・・と思うのだった。
コンペに勝ち、ニューヨークの役員会でプレゼンをしなくてはならないディヴィッドだったが
オヤジが重度の糖尿病で、目も不自由だし、足も腐り始めていた。そのNYへ行く日に
オヤジが手術を受けることになったのだ。
ディヴィッドはNY行きを断り、オヤジの手術に付き添うと宣言したのだ。そして航空会社
の社長からクビだ、と言われてしまう。かなり難しい手術だったが、足の指の一部を
切断し、杖があれば歩けるようになるといわれた。まあままだった。この手術を通して
お互いに突っ張りあっていたオヤジと息子の間のわだかまりが解けていくのだった。
ただ、母親はオヤジの元には帰らないという。愛してはいるのだが、もう駄目なのよ、
共通のものがないんだもの、と。
ちゃらんぽらんな演技の中に、親子の確執の溶解というハートウォーミングなエンディング
を用意し、トムの映画らしいほのぼの系の映画に仕上がっている。トムファンならずとも
観て損はない。ただ、とってつけたような設定が鼻につくかもね。
尚この映画の詳しい情報は
こちらまで。