恐怖の土曜日 Violent Satrurday

●「恐怖の土曜日 Violent Struday」
1955 アメリカ 20th Century-Fox Pictures 90min.
監督:リチャード・フライシャー
出演:ヴィクター・マチュア、ステーヴン・マクナリー、J・キャロル・ネイシュ
    リー・マーヴィン、アーネスト・ボーグナイン、リチャード・イーガン他
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「ミクロの決死圏」「トラ・トラ・トラ」などで知られる巨匠リチャード・フライシャーの
初期の作品。日本で言えば昭和30年、まだ東京タワーの影もないころ。
このころの映画を観るといつも思うのだが、アメリカの物質文明の豊かさに圧倒される。
(映画の本質とは関係ないことだけど)

主演のヴィクター・マチュアという人はのちに「サムソン&デリラ」などの古代映画で
マッチョな英雄を演じていたようだが、私は余り知らない。それよりも、アーミッシュの
家長を演じていたボーグナインが若い!

暴力的な土曜という原題だが、事件は金曜に起きる。鉱山の町にやってきた3人組。
ホテルに陣取り、手薄な警備をいいことに町の銀行強盗を計画していた。
これが縦軸で、そこに鉱山会社の社長の跡取りと夫人の愛のもつれ、その会社に
勤める男と子供(お父さんは戦争に行かず、鉱山で仕事をしていたことを負い目に
感じている。でもこれは国防省の指令だった)との相克。強盗の落ち合い場所に使われる
アーミッシュの一家。そして銀行の支配人と彼が密かに思いを寄せる看護婦。
などの群像ドラマが横軸に進む。

最後は、鉱山会社の跡取りが夫人とよりを戻すために旅行に出かけようと銀行によって
トラベラーズチェックを作っているときに強盗団が入ってくる。
トラブルに巻き込まれる夫人と、支配人。強盗団にクルマを奪われ、アーミッシュの納屋に
閉じ込められる鉱山会社員。それぞれが強盗事件に遭遇し人生が変わっていくのだった。
(全員殺される強盗団とてしかり)

どうと言うことの無い、普通のアクション・サスペンスだが、当時のオーケストレーションの
音楽が雰囲気を出していた。ラスト近く、主人公の鉱山会社員がショットガンで銀行強盗の
一人を撃つところは、強盗が数メートル後ろに吹っ飛んでいくのだが、サム・ペキンパー
ばりだ。このあたり、フライシャーの演出面目躍如。群像をまじえるにには90分はやや
短かったかな。
なおこの映画の詳しい情報は

こちら

by jazzyoba0083 | 2007-10-14 14:30 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)