ブレイブ・ワン The Brave One

●「ブレイブ・ワン The Brave One」
2007 アメリカ・オーストラリア Warner Bros. Village Roadshow 122min.
監督:ニール・ジョーダン
出演:ジョディ・フォスター、テレンス・ハワード、ナヴィーン・アンドリュース他

対立軸がハッキリした非常に判り易い映画。考えさせられるストーリーだが
キネマとしてのエンタテイメントはしっかり獲得している上等な映画だと思う。
45歳になったジョディの、抑制の効いたベテランらしい感情の動きの演技は素晴らしく、
絶望的な、そして激情の果てに訪れる虚しさを、演じきっている。
表層的には単なる復讐劇だが、ジョディの役柄がラジオの朗読DJだったり、自分が
変っていってしまう懊悩を織り込むことで、完成度の高い映画となったと感じた。
先週見た「グッド・シェパード」とはまた全然違う、人生の虚しさを、ここでは味わえた。

NYのラジオ局で都市の風景を自作の散文にして朗読しているDJ、エリカ・ベイン
(ジョディ)は、インド系の医師デイヴィッドと婚約も整い、式への準備で忙しく
まさに幸せの絶頂にいた。
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そんな二人が愛犬を連れて公園を散歩していると、3人組の若い男に、難癖を
つけられ、暴力シーンをビデオで撮影して楽しむ”ハッピー・スラッピング”という
限度を知らないバイオレンスに巻き込まれてしまった。
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最愛のデイヴィッドは死亡し、エリカも瀕死の重傷を負い、3週間の昏睡の後、
何とか命は取りとめた。「自分の中の最愛のモノをなくすと、その穴は塞げない」と
エリカの心にポッカリあいた最愛の人の喪失という穴は、塞げないものとなって
いた。警察の対応がおざなりであったため、暴力には銃を持たなければと、
銃砲店に行くが、ライセンスが無く、断わられる。しかし店に居合わせた男から
不法な銃と弾を1000ドルで買わないか、と誘われ、購入する。
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そして、銃を手にしてから、エリカは街で出くわす暴力に、発砲という形で反応する
ようになった。もの静かなラジオDJが、最愛の人を失った穴を暴力に対する銃撃と
いう形で埋めようとしたのだ。
まず、偶然入った雑貨店で、夫婦間の銃撃戦に巻き込まれ、ダンナに自分も殺され
そうになり、持っていた銃でダンナを射殺してしまう。
ここで、エリカの中で何かが壊れて変った。次には地下鉄でちょっかいを出してきた
黒人の若い男2人を。次は売春婦をいたぶっていた男を。
自分でも悩みながら、暴力に銃撃で対抗する女に変ってしまったのだ。世間は
なぞの正義の処刑人、ともてはやす。
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やがて、エリカとデイヴィッドを襲った犯人がエリカから奪った指輪が見つかる。
警察から連絡を受けたエリカは、指輪が売買された店を突き止め、それを
売りにきた女を捜す。そしてその女から、指輪を貰った男をついに突き止める。
そして、女から男の住所を聞きだし、自分たちを襲った3人の男を仕留めに出かけた。

彼女を、犯人を追跡する立場から、何くれと無く気にかけているのが、マーサー刑事
(テレンス・ハワード)。彼が、世の中の常識や観ている人の感情の代理をする役目だ。
なぞの処刑人を追っているうちに、処刑人はエリカであること突き止める。
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そのころエリカは3人の襲撃犯を始末しにアジトに向かっていた。後を追うマーサー刑事。
間に合うのか。エリカは3人の男を「処刑」することができるのか・・・。
(まだ観ていない人が多いと思うので結末は、しばらく伏せておきます)
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映画のラストから感じられることは、「最愛の人」を失くしたため、人生が変ってしまった
女の悲哀であり、虚しさであった。復讐を遂げてのちも、彼女は暴力を振るわれ
自分の生命に危機が及んだ時は、銃をぶっ放すのだろうか?
尚この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2007-10-28 12:20 | 洋画=は行 | Comments(0)