カオス CHAOS

●「カオス CHAOS」
2005 アメリカ Chaotic Productions,Mobius Entertainment Ltd.107min.
監督・脚本:トニー・ジグリオ
出演:ジェイソン・ステイサム、ウェズリー・スナイプス、ライアン・フィリップ
    ジャスティン・ワデル、ヘンリー・ツェーニー他
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どんでん返しの繰り返し。ラストは、気分がいいのか、悪いのかよく判らなかった。
正直に言えば、後味は良くない。
カオスとは「混沌」とかの意味だが、ここでは「カオス理論」のことを言っている。だから
タイトルだけではよく判らない。
カオス理論とは「非常に不規則で複雑な現象であっても、簡単な方程式で表現できる」とする
理論のこと。
物語の終盤、複雑に絡み合う事件のピースが「カオス理論」のごとく1つの“法則”へと収束していく様子を表している。

物語は雨の橋の上、追い詰めた犯人が横転したクルマの中から上院議員の娘を
人質に出てきた。追い詰めたのはシアトル警察のコナーズ刑事と、ロレンツ刑事。
結局、二人の刑事は犯人も人質も射殺してしまうのだった。
これが社会的に問題となり裁判が開かれ、ロレンツは追放され、コナーズは謹慎と
なった。

場面変わって、銀行に6~7人の強盗が押し入り数十人の客と従業員が人質となった。
犯人はコナーズとの交渉を要求してきた。市警本部はしかたなく、コナーズを現場に
復帰させ、交渉係としたが、SWATがリーダーのコナーズの命令を無視して突入した
ため、犯人は銀行を爆破、ドサクサにまぎれて逃亡してしまった。
コナーズは人質と従業員をしらみつぶしに調べさせる。銀行からは何も盗まれた形跡が
なかった。犯人の目論見とは?

コナーズにはお目付け役ともいうべき若い刑事デッカーが付く。彼と、コナーズのモトカノで
刑事のテディが協力して、手がかりを探っていく。地元テレビカメラがとらえた逃げ出す
人質の中に前科のあるリチャーズの姿を見つけ、追い詰める。トラックで逃亡する
リチャーズを、新米デカのデッカーが、バイクで追跡(シアトル中を駆け巡る)、
転倒して怪我を負いながらも、リチャーズを確保した。自宅を捜索すると5万ドルの
札束が。しかし、これは先の銀行強盗の分け前ではなく、以前にあった強盗事件で押収
されたものであった。これで、警察内部に内通者がいることが判明。証拠品保管係の
自白により、カー路刑事の存在を突き止める。彼の自宅に急行するが、カーロはすでに
射殺されていた。そこには、あの上院議員の娘を射殺した件で、自分だけが免職された
ことに恨みをもっている、その復讐だというロレンツのメッセージがあった。

デッカーは怪我で入院中のリチャーズのもとに行き、仲間は誰か、と聞きだす。点滴に
多量のモルヒネを入れると、ショックで死んでしまうんだよね、といいながら注射器で
点滴液の入った袋にモルヒネを打ってみせる(本当は生理的食塩水)。恐怖に慄いた
リチャーズは、リーダーと仲間が集まる場所を教える。

警察はその家を包囲し、ロレンツが集まるのを待つ。しかし、仲間は警察の存在に気づき
逃亡、家を爆破してしまう。中に入ったコナーズは爆破に巻き込まれ殉職してしまった。
以下、完全ネタばれです。ご注意ください。
後を継いだデッカーとテディは更にロレンツを追う。ロレンツが防犯カメラが微妙に
アングルを変えた先にはロックの掛かっていないマネージャー用のPCがあった。
また、取引のログを解析した結果、1つの口座から100ドルづつ、1万口座から金が
引き出されていた。これは1つの口座から大量の金額を引き出すとセキュリティが
効いてしまってだめだからだ。このアイデアはハリソン・フォード「ファイアーウォール」の
ものとそっくりだ。

この口座を追っていくと、ロレンツとコナーズの意外な関係が浮かび上がり、デッカーと
テディはまずロレンツを追い詰め、ダイナーにいるロレンツを発見、銃撃戦の末、
テディが射殺する。デッカーはコナーズの部屋を捜索、すると「カオス理論」の本が。
実は上院議員を射殺したのはロレンツで、ロレンツとコナーズは処分が不服で社会に
反撃に出たのだ。二人は、ずっとグルだったのだ。
コナーズが持っていた紙幣に警察が付けた追跡可能な香りがついていたことでデッカーは
全てを悟った。高飛びをしようとするコナーズを追うデッカー・・・・。

最後の20分のどんでん返しは中々痛快だったが、ストーリーが「インサイドマン」と
さも似たり。カオス理論はあまり関係ないような気がした。「ジュラシック・パーク」の
「フラクタル理論」のほうが理論というベースを使っているものとしては説得性があった。

なお、この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
by jazzyoba0083 | 2007-11-13 22:54 | 洋画=か行 | Trackback | Comments(0)