2007年 12月 15日
ALWAYS 続・三丁目の夕日
2007 日本 東宝、日テレ、続・三丁目の夕日製作委員会 146分
監督:山崎貴、 原作:西岸良平
出演:吉岡秀隆、堤真一、小雪、堀北真希、薬師丸ひろ子、須賀健太、三浦友和、
もたいまさこ、小日向文世、小清水一揮、上川隆也、手塚理美、渡辺いっけい他
昭和ブームに乗って大ヒットした作品のパート2。1作目から4ヵ月後の東京が舞台で
基本的には前作の続編というより、後編というべきか。
CGの使い方は1作目より更に高度になっていて、特に高速道路に塞がれる前の日本橋、
羽田から飛び立つDC6、東海道線特急こだま号(東京駅停車中、車内、走る姿、
流れる車窓の風景も)そして、冒頭つかみに使われる、ゴジラのシーン。などなど。
宇宙モノの違って、これでもか感がないので、安心して感心できる。
私は世代的にこの映画で須賀健太君の演じている淳之介とピッタシなので、特に強く
郷愁を感じる。1作目は地上波テレビで観ていたので、今回は映画館でちゃんと観ようと
決心していったのでした。もう小屋が小さくなっていたけど。
2作目の方が泣けました。ストーリーに泣けたのは勿論だけど、戦争の傷跡をまだ引きずって
いた時代(薬師丸母が、戦争のため引き裂かれた昔の恋人=上川隆也と日本橋の橋の
上で出会うところ。数寄屋橋だったら「君の名は」になっちゃいますね)のこと、
狂犬病騒動、路上でバッタものの万年筆を売る堀北の田舎の友達の姿など、観ているだけで
あの時代を思いだし、貧しかったけど、みんなガンバっていたんだよなあ、って思うほどに
涙を禁じえませんでした。
このぎすぎすした世の中に、「みんな健気に、優しい心を持って生きていたあの頃」を思うと
なぜか涙が出てきてしまう。どうして日本人は、こんなになってしまったのか。
豊かさと引き替えに、便利さと引き換えに、なんという大きなものを失ってきたのかと
考えざるを得ない。暖かかったあの時代、単なるノスタルジーではなく、
なんで日本で今
この映画が出てくるのか、何故昭和がブームになるのか、偶然ではない。必然だ。
今回、鈴木モータースに預けられる親類の女の子が、最初、貧乏暮らしが嫌で、だだを
こねていたのですが、もっていた色鉛筆がチビて種類もそろっいなかったりで、実際の
暮らしのレベルをそれで見せてしまったり、回りの子供たちが、道路を掃除したり、洗濯
をしたりして親のお手伝いをしている姿に自分を反省するとか、良く当時のことをちりばめる
ことが出来ていました。
この映画には、芥川賞は絶対に取れるわけない、と判っていて、大騒ぎする御近所さんたち
の様子など、陳腐な箇所もないではないが、146分という長さを全然感じさせない、強さを
持っていました。シネコンにも私くらいの年齢の人が多かったですね、さすがに。
前作で、黙って姿を消したヒロミ(小雪)は、ベティという名前で踊り子に。共に暮す茶川
(吉岡)と淳之介(須賀)のところに、淳之介の実父(小日向)が現れ、また引き取るという。
茶川は今度は絶対芥川賞を獲るから、そうしたら淳之介と暮すことを認めてくれといい、
認められる。必死に小説を書く茶川。
一方、鈴木モータースには破産した親戚から女の子がやってきた。一平と暮すことに
なったのだ。六子(堀北)の田舎の男の幼馴染がやってきた。こいつ、料理人を目指して
いたのだが、いまは詐欺師の片棒を担ぐようなヤバイ仕事をやっていた。
ヒロミは大阪に行くことを決意。
一方、一次審査をパスした茶川の作品は、いよいよ最終
決定を待つばかりとなっていた。みんな鈴木モータースを会場にして、祝賀会を用意して
電話を待つが・・・・。
ラスト、綺麗な夕日を鈴木家の3人が見つめて「3人で見るから綺麗なんだよ」という
セリフは言わずもがな。
今回も鈴木家の母親を演じる薬師丸ひろ子が一番良かったと感じた。それと映画を
引き締めているのが子役たち。淳之介の須賀と一平の小清水、それに居候となった
女の子。演技が自然で、昭和の雰囲気を壊さない重要な役目を良くこなしたと思う。
特に、淳之介は前髪がバラバラで、顔はいつも煤けている。そんなヤツは当時いっぱい
いたな。
クルマ好きとしては鈴木モータースに修理に持ち込まれるクルマが、ヒルマン・ミンクス
だったり、日野ルノーだったり、ダットサンだったりするのが嬉しい。
みんな、何故この映画を観に来るのか。癒されたいのか、ノスタルジーに浸りたいのか、
優しい気持ちに包まれたいのか、暖かいキモチに成りたいのか。
いずれにせよ、今の世の中のアンチテーゼが、
この映画にはあるのではないか。
この映画の詳しい情報は
こちらまで。
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