パッチギ Love&Peace

●「パッチギ Love&Peace」
2007 日本 シネカノン 127min.
監督:井筒和幸
出演:井坂俊哉、中山ゆり、西島秀俊、藤井隆、風間杜夫、手塚理美、ラサール石井他
e0040938_08126.jpg

前作は京都を舞台に「イムジン河」が流れる恋愛映画、背景に日朝問題が横たわっていた
ように感じた。主演の沢尻エリカもあの頃は良かったね。
で、続編。なんか、政治向きの話が大フィーチャーされて、日本での在日がいかに迫害
されてきたか、そして現在の在日たちがいかに勇気を持って立ち上がっているかという点に
力が入れられているように感じた。相変わらずBGMはイムジン河だが・・・。

1974年、東京。いきなり国士舘大学生と在日たちの電車内でのケンカから始まり、
先の大戦で朝鮮半島から徴兵される直前に仲間と逃亡した父を誇りに思うキョンジャ
(中山)は、焼肉店のバイトをしていたが、有名になりたい、と芸能プロにスカウトされ芸能界
に飛び込む。
e0040938_084534.jpg

社長(でんでん)は、多分在日だんだろうな、彼女を上手く売り込み、雑誌のグラビア
アイドルまでになる。そして大作映画の主演女優オーディションに出かけるまでになった。
しかし、在日であることがネックで一旦、ダメになるが、彼女はプロデューサー(ラサール)と
寝ることで役を得る。そして芸能界で何くれとなく親切にしてくれていた野村と割りない仲に
なる。が、カラダの関係になり、キョンジャが親や兄弟に会ってくれというととたんに態度を
豹変させ、「日本人とは人間の種類が違うんだよ」とかほざく。失望するキョンジャ。

一方、兄のチャンスは、息子の病気を治すために京都から東京に越してきていた。
息子は筋ジストロフィーと思しき難病に冒されていて、キョンジャの芸能界入りも、甥っ子を
助けるための金を稼ぐ目的もあったのだ。
e0040938_092735.gif

そして映画は完成し、舞台挨拶に立ったキョンジャは、自分の父はチェジュドからやってきて
戦争中は逃げていたと語り始め、自分は在日だ、と打ち明ける。
出演した映画が特攻を美化するような映画だったので、「国のために死ぬより、逃げて生きて
帰った父を誇りに思う」と語った。
大騒ぎになる劇場内。再びケンカが始まったのだ。

面白くは観たが、前作との趣の相違にいささか戸惑った。前作とか「チルソクの夏」などは
青春恋愛映画として好きだが、本作は、井筒監督の暴力にも前作ほどの乾いた笑いが無い。
どこか湿っぽいんだな。
チャンスとキョンジャの父親たちの戦争中のシーンがたびたび挿入されるのだが、これが
恋愛映画になりきれず、「反戦」と日本がいかに朝鮮半島に酷いことをしてきたか、という
主張が前に出てしまい、爽やかさがそげてしまったのだろう。惻隠として日朝の悲劇を
感じさせる前作の方が、映画として上等であったと思うのだが・・・。
この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
Commented by kimion20002000 at 2008-04-12 13:55 x
TBありがとう。
表現としてもメッセージとしても、明らかに前作よりも後退しています。前作のたぶん何倍も予算をかけただろうに。映画とはそんなものかもしれません。
by jazzyoba0083 | 2008-02-23 00:06 | 邦画・新作 | Comments(1)