キング・オブ・コメディ The King of Comedy

●「キング・オブ・コメディ The King of Comedy」
1983 アメリカ Embassy International Pictures,20th Century Fox,109min.
監督:マーティン・スコセッシ 脚本:ポール・D・ジマーマン
出演:ロバート・デ・ニーロ、ジェリー・ルイス、ダイアン・アボット、サンドラ・バーンハード他
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面白い!名作「タクシードライバー」から7年。スコセッシとデ・ニーロが組んで、危ない
コメディアンの映画を作った。初期のスコセッシの映画の中には少々痛いヤツもあるので
疑心暗鬼で観始めたが、現実を夢想のフラッシュバックにいささか違和感を覚えるが
話しとしてはとても面白い。ラストもいい。上映時間もスコセッシらしくなく、短めにまとまって
いる。見方によってはいろんな感じ方が出来る映画だと思う。主人公の夢想、いや誇大妄想?
をどう捕らえるか。

自分は一流だと思っているがなかなか売れないスタンダップコメディ(漫談)をやる
ルパート・パプキン。テレビの大人気ショーを持つ、ジェリー・ラングフォードに何とかコネを
作ろうと、楽屋で出待ち。ある日、ついに彼のクルマに強引に乗り込むことに成功し、
なんとかジェリーの事務所に電話するように言われるまで持ち込む。

ルパートは家で漫談をテープに吹き込み、事務所に持ち込む。ジェリーは会えない、と
言って出てきた女性プロデューサーにテープを渡す。
妄想の中では、このテープを聴いたジェリーは彼を絶賛、別荘に遊びに来いという。
日を置いて、ジェリーの事務所に行くと出てきたのは、またくだんの女性プロデューサー。
彼の漫談を辛らつに批判し、もっと努力するようにいう。クラブにでるようなことがあれば
スタッフが必ず観にいくから、とも言ってはくれるのだが。
ルパートは、その言葉はジェリーの言葉ではないはずだ、あなたを信用しない、と食い下がる。
しかし、警備員につまみ出されてしまう。

へこたれないルパートは、酒場に勤める彼女を連れて、ジェリーの別荘に行く。来いと言わ
れていたから・・・(妄想なのだが)。
いきなり知らない二人がやってきて慌てる使用人、そしてゴルフを終えて帰ってきたジェリー
も、なんでルパートが別荘にいるのか、理解できずビックリする。
そして、怒り、今すぐここから出て行け、と言い渡す。思いと違うジェリーの行動に面食らう
ルパートだったが、その場は引き下がるが。

ルパートの妄想は次第に激しくなり、遂にはショーに出るためにはジェリーを誘拐し、
彼の代役として自分が出演するように要求するしかない、と決め込み、まんまとジェリーを
誘拐。テレビ局に自分を代役として出すように要求する。ジェリーを傷つけたくない
テレビ局は、彼の要求を呑み、ショーに出演させることにする。もちろんスタジオには
FBIが詰めていて、ルパートがやってきた段階で逮捕されてしまうのだが、ルパートは
逮捕されることは承知でも、ショーの放送が終わるまではジェリーの居場所は教えない、と
言い張る。

そしてショーは録画される。FBIに連行されてジェリーをかくまっているところへ行く途中
彼女がいる酒場(彼女も勝手に惚れられて困っているのだが)に立ち寄り、ショーの
放送を見せるのだった。酒場の客やFBIらと、オンエアを見るルパート。
その漫談は、自分の育ちを自分でおちょくる自虐ネタだったが、バカ受けしたのだった。
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しかし、ルパートは誘拐の罪で6年の実刑を食らい、獄中で自伝を発表、これがまた
ベストセラーになる。2年半で仮出所、シャバに出てきたルパートは、大喝采で、再び
テレビのショーの世界に復帰したのだった。彼がずっとうそぶいて来た、キング・オブ
コメディに、ホントになっちゃったのであった。

著名コメディアンを誘拐して、自分の出演を飲ませるなんてのは、たいした犯罪なのだが
そのイタさが、笑いの中で昇華されていて、実際は頭のおかしい男の話なのだが、
なぜか、「タクシードライバー」のような狂気や怖さは感じない。
ルパートが全て計算してやったことなら、大したものだが、フラシュバックされる妄想や
それに従い突き進む、神経症的な行動は、やはり狂気を含んだもの、と言えるだろう。
腹を抱えて笑えない、ブラックなところのある異質コメディだ。
ルパートと同じようにジェリーに一方的に愛情を注ぎ、誘拐の片棒を担ぐ変質的な女を演じる
サンドラ・バーンハード(すごい唇だな。ビラビラで!)がいい感じだ。狂気という点では
デ・ニーロを上回る雰囲気を出している。
この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
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Tracked from ★YUKAの気ままな有閑.. at 2008-04-05 19:29
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Commented by miyu at 2008-04-06 15:51 x
なんともシニカルな映画ですよね。
展開の仕方というか結果とかは「タクシードライバー」にも
かなり通じるところもありますよね。
だけど、確かにアレが計算なんだったらすんごいプロデューサーですね!
by jazzyoba0083 | 2008-04-03 23:30 | 洋画=か行 | Trackback(2) | Comments(1)