ニュー・シネマ・パラダイス Nouvo Cinema Paradiso

「ニュー・シネマ・パラダイス Nouvo Cinema Pradiso」
             ~3時間完全オリジナル版~
1989 イタリア/フランス 175分
監督・脚本:ジョゼッペ・トルナトーレ 音楽:エンリオ・モリコーネ
出演:フィリップ・ノワレ、ジャック・ペラン、サルヴァトーレ・カシオ(トト)、アニェーゼ・ナーノ
    マルコ・レオナルディ(トトの青年時代)、プペラ・マッジオ(トトの老母)
        <1989年度アカデミー賞外国映画賞受賞作品>
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こんな映画を今頃になって観ている私です。すみません!映画を愛する人にとっては
聖典のような映画なんでしょう。でも映画はモチーフであり、本当にトルナトーレが
言いたかったのは、「人生」にあると思うのですが。
3時間版は、蛇足だ、という説も強いようですね。私は2時間版を観てないので、そのあたりは
よく判りませんが、長い時間ではありましたが、とても面白く観ました。ただ、想像できるのは
1時間長くなったことで、惻隠するところ、とか機微といった微妙なニュアンスが、あからさま
になりすぎていて面白くなくなったのだろうな、ということです。

それと、ラストシーンで号泣、というか涙なしでは見られないとする人も多いようでしたが、
私は感動こそすれ、涙は無かったです。映画に対する愛情が足りませんかね?

しかし、こんな老練な映画を29歳の監督が脚本も書いて演出もしたとはびっくりです。
彼はこの1作だけで、映画史に名を残しましたね。それと、エンリオ・モリコーネの音楽。
映画と音楽がこれほど幸せに結びついた例もあまりないでしょう。
あの音楽が流れてくるだけで、涙が出ちゃうという人も多いのではないでしょうか?
私はタイロン・パワー「愛情物語(エディー・デューチン・ストーリー)」の「トゥー・ラブ・アゲイン」
が流れると涙が出ちゃう時期もありましたが・・・。

時代背景もいいですね。トトが幼い頃は、映画が娯楽の王様で、「パラダイス座」もシチリアの
小さな村の娯楽の殿堂であったわけです。そのころの名画もちょこっとだけれとたくさん
出てきます。(やはり圧巻はラストシーンだけど)、トトが成長するに従い、テレビの出現など
で映画が衰退し、やがて、トトが著名な映画監督になって村に帰ってくる頃は、
「パラダイス座」も、駐車場になってしまい、壊されるのです。そのあたりの哀愁も映画を
余計に、切なさ溢れたものにしていますね。

トトの幼い頃、映写技師アルフレードは人生の師であり、なんでも知っている大人でした。
そのアルフレードから、青年になったトトは、町をでて戻るな、といわれ、実際ローマに行き
映画監督として成功して30年ぶりでもどってくるのですが、それはアルフレードの
葬式に参列するためだったのです。
母は老いて、妹には大きな子供がいて、(トト自身、50歳を超えいるわけですが)町も
大きく変わり、「パラダイス座」も取り壊されるところでした。

あの日、なぜアルフレードは、トトに「一度町を出たら戻な。戻れば2度と出ることが
出来ない」と「励ました」のでしょうか。フィルムの火事で視力を失ってしまったアルフレード
ですが、明るく生きているようでいて、実は、最愛のトトに自分と同じような島に閉じこもり
楽しいことだけをしている人生を送って欲しくなかったのでしょう。
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『アルフレードは「変わらぬもの」に 抱かれ続ける人生から、トトをはねのけた。
どれもいい、でも「それしかない」のが、人生なんだろう。 』と感じたブログを書いた方もいた。


そして、悲しいエレナとの恋。お互いに好きあっていながら、すれ違いで人生が大きく
変わってしまったエレナ。今は結婚して子供も大きくなっていたのですが、独身を通し
エレナを思い続けてきたトトは、未練一杯。しかしエレナは「もう、昔のこと」と
愛してはいるが、30年の時は戻らない、という決然とした態度はお見事。男と女の
違いでしょうか?そのすれ違いを演出したのもアルフレードだったんですね。
彼はトトはエレナと分かれたほうが成功する人生を送れる、と信じたのです。
トトが今名監督といわれるようになったのは、アルフレードのおかげだったのですね。

葬式が終わり、アルフレードの未亡人から、トトに形見がある、とフィルムの缶を渡します。
ローマに帰り、試写室でそのフィルムを観た、トトは笑うとともに涙が溢れてきました。
そこに写っていたのは、当時教会の指示でカットされたキスシーンばかりを集めて
繋いだものだったのです。「愛」。だれも奪えない素晴らしいことをアルフレードは
カットして捨てることができなかったのです。
これをトトに残したということは・・・・。アルフレードからのメッセージは明確でした。
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尚この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
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by jazzyoba0083 | 2008-04-04 23:00 | 洋画=な行 | Trackback(2) | Comments(0)