2008年 04月 27日
大いなる陰謀 Lions for lambs
2007 アメリカ 20th Century Fox,MGM Pictures,94min.
監督:ロバート・レッドフォード
出演:ロバート・レッドフォード、メリル・ストリープ、トム・クルーズ、マイケル・ペーニャ他
泥沼のアフガン戦争、9・11などを巡る反戦映画。主なシークエンスは3つ。クルーズ演ずる
上院議員アーヴィングとメリル演ずるテレビ局記者ジャニーンが対峙する上院議員室。
カリフォルニア某大学の政治学教授マレー(レッドフォード)と学生トッド(ガーフィールド)が
対峙する教授室。そしてアフガンの戦場。
この3つの設定が、同じベクトルを描いて収斂していくようすを94分の大会話劇に仕立てた。
英語の弱い人は字幕を追うのに相当苦労する。(私とて)
泥沼化したイラクから国民の目をアフガンに向け、小手先の作戦で状況の転換を目論む
野心家の共和党上院議員アーヴィングは、自らの発案でアフガンでの新しい作戦に乗り出す。
そこで、テレビ局の老獪な女性記者ジャニーンを部屋に呼び、恩を売っておいて1時間もの
時間を割いて滔々と自論を展開する。
イラク開戦のとき、良く考えもせず政府の片棒を担いでしまった責任を重く感じている彼女は
アーヴィングの説明にどうも違和感を覚える。そして、テレビ局の報道編集長に、独自ネタ
を仕入れはしたが、テレビには使えない、と語る。
その作戦の中に、アーネストとアリアンという志願兵がいた。彼らはマレー教授の教え子で
優秀ではあったが、教授の引き止めるのも聞かず、陸軍に入隊しアフガンに着任、
アーヴィングの作戦に投じられたのだった。
作戦の最中、ヘリから落ちたアーネストを助けるため、みずからヘリを飛び降りたアリアン。
結局二人とも重傷を負い、周囲をタリバン勢力に囲まれることになった。
司令部は、二人の救出を目指すが、タッチの差で二人はゲリラの銃の餌食となった。
彼らの死に何の意味を見出せというのか。
マレー教授は、トッドという学生を呼び出す。彼は優秀なのに最近は講義に出てこない。
理由を聞くと、友愛会会長として、またガールフレンドと遊ぶのに忙しくて・・といい訳を
いう。教授は、教え子の中から将来性のある学生に目をつけて育てるのを歓びとしていたが
トッドの先輩であるアーネストとアリアンという優秀な学生が軍に行くのを止めることが
出来なかったことを悔いていた。またベトナム戦争の時にも、同じことをしてきた。
その悔悟の念からトッドに対し、これから卒業まで自分の授業に出なくてもいい、オール
Bをやる、ただアーネストとトッドの研究の後を継げ、と申し出る。それが出来なければ
自分の授業に全て出席し、宿題も全部仕上げないと、Cになる、と。
教授から人生の転機を言い渡されたトッドは友愛会の部屋でテレビを観ていると臨時
ニュースが流れた。そこにはアーヴィングが新しい作戦をアフガンで始めたこと、その
アフガンで戦死者が出ていること、が報じられた。トッドの中で何かが弾けた・・・・。
ラストは、トッドの魂が抜かれたような(本当は注入されたのだが)顔で終わるののだが
あれッっていう感じ。会話劇なので92分くらいが限度だろうな。それ以上は苦痛だ。
シーンも数少ないし。
テーマの主な部分はアフガンでありイラクであるが、通底するものは、アメリカと戦争、
戦争の思惑、犠牲になる兵隊の理不尽さ、である。近年のキューバ、ベトナム、湾岸
アフガン、イラクと、政治が戦争を操り、結果戦争が政治を操ってしまうアメリカという国の
恐ろしさや愚かさを、上院議員、ジャーナリスト、、大学教授、その教え子の兵隊と
現役の学生を描くことによって浮き出して見せた。
日本人には説教臭い映画かもしれないが、共和党政権の現在、あからさまに現政府を
批判する映画が作れてしまうアメリカという国もある、という事実も抑えておかなければ
なるまい。
3人の主役の中で、私はメリル・ストリープが一番良かったと思った。枯れたレッドフォード
油ギッシュなトムも悪くは無かったが。それと教授と対峙したトッドを演じたガーフィールドは
何か違和感を感じたな。もう少し賢そうな方が良かったんじゃないかな。チンピラ度が
高かったような・・。ガーフィールドファンの皆さんゴメンナサイね。
この映画の詳しい情報は
こちらまで。
『何のために立ち上がり、何のために戦い、 何のために生き、何のために死ぬのか──?』 コチラの「大いなる陰謀」は、4/18公開となったロバート・レッドフォード監督による感動と衝撃のヒューマン・ドラマ超大作?なのですが、早速観て来ちゃいましたぁ〜♪ 主....... more
「大いなる陰謀」観ました。本当のタイトルは「LIONS FOR LAMBS」。 観るまでは「ロバート・レッドフォード、老いぼれて世間が見えずに撮ったんだろうな」と思っていたんですけど、個人的には今年No.1な映...... more
ゴールデンウィーク後半。と言っても前半なんて休日が1日あるだけの普通の日でしたけれど。皆さんはいかがお過ごしですか?私はとりあえず映画です。と言うわけで大いなる陰謀です。... more
ロバート・レッドフォードが監督&出演し、その他のキャストもメリル・ストリープ、トム・クルーズなど超豪華!!これは見るしかないということで、観に行ってきました。 <あらすじ> ベテラン・ジャーナリストのジャニーン(メリル・ストリープ)は、アーヴィング上院議員(トム・クルーズ)の独占インタビューに赴き、対テロ戦争の新作戦について知らされる。同じ頃、カリフォルニア大学の教授マレー(ロバート・レッドフォード)は、優秀であるのに勉学に身が入らない学生トッド(アンドリュー・ガーフィールド)を呼び出し、志願兵とな...... more
人気ブログランキングの順位は? 陰謀をたくらむ1人の政治家 立ち上がる2人の青年 彼らの代償はあまりにも大きかった 人は何のために戦うのか 人は何のために死ぬのか ... more
トム・クルーズ 、 メリル・ストリープ 、 ロバート・レッドフォード この顔ぶれでタイトルに「陰謀」とつけば なんか気になりますよね。 DVDで鑑賞。 ベテラン・ジャーナリストのジャニーン・ロスは、 未来の大統領候補と目されるジャスパー・アーヴィング上院議員に指名... more
大物3人の競演!というアオリにつられて見に行ったのですが、予想以上に重いストーリーでした。
しかも、ラストが「あれ?」と思うような中途半端な終わり方だったので、ちょっと消化不良だったのですが・・・。
なかなか考えさせられる映画ではありましたが、主役3人の動きが少なくて、ちょっと物足りなさが残った作品でした・・・。