11:14~惨劇の11時14分~

●「11:14 ~惨劇の11時14分~」
2003 アメリカ・カナダ MDP Worldwide,86min. 日本劇場未公開
監督・脚本:グレッグ・マルクス
出演:ヒラリー・スワンク、パトリック・スウェイジ、レイチェル・リー・クック、バーバラ・ハーシー他
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まあ、この手の映画は日本ではビデオスルーになってしまうのは仕方がないと思うものの
なかなか面白いストーリーで、しっかり観てしまいましたよ。1時間30分弱というのも適当。
それ以上長くなると、判りづらく粗が見えてくるでしょう。

夜中の11時14分に起きる事故。そこに至るまでの数人のストーリーが、全てリンクしながら
描かれていく。オープニングタイトルもなかなか洒落ている。出てくる人物がすべて少々
痛い人々であるのが深刻でなくていいのかもしれない。

ある日の夜11時14分に、酒を飲みながらクルマを運転し、ケイタイで電話しているジャック、
電話を終えると、歩道橋から人が降って来てフロントグラスに直撃!
すっかり何かをはねてしまったと舞い上がってしまったジャックだが、鹿が出没する地帯だったので、恐る恐る外に出てみると、倒れていたのは鹿ではなく人間だった。

全てはここからスタート。通りがかりの奥さんに声を掛けられ、私署長の友達だから警察に
電話してあげる、というがジャックは自分でかけたからいい、と断わる。
しかし奥さんは勝手に警察に電話。パトカーが来る間、ジャックは死体をシーツにくるんで
トランクに隠す。(このあたりの対応が見ていて間抜けで苛立たしいが)駆けつけたパトーカー
の警官に、まんまとばれてしまい逮捕。パトカーの後部座席に座らされそうになったが
すでにそこには二人が手錠に繋がれていた。ジャックはお尻のポケットにいれてあった
小さなはさみでビニル製のヒモ手錠を切り、逃亡。

逃げた先には先ほどの奥さんの家があり、ダンナがいない、とわめいている。娘が交通事故に
あったというのだ。そんなときにダンナがいない、あなたさっきの人ね、探して頂戴と
声を掛けるが、「まさかあなたが跳ねたのが・・・ウチの娘を!」と詰め寄る。
ジャックは「え?娘??」。彼が跳ねたのは男だった。(顔は酷く潰れていたが)

その時追いかけてきた警官が銃を突きつけるが、またジャックは逃げる・・・。

一方、家のワゴンを借り出して、街を徘徊しているワル3人組。窓からションベンをしたり、
行き交う車に何かをぶつけたり、していた。突然飛び出してきた女を跳ねてしまう。
女のところに走りよってきたオトコが、逃げるワゴンに銃を2発浴びせる・・・・

結局、ジャックの事件を警察に連絡した奥さんの子どもがシェリーという少女で、彼女が
3人組のワゴンに跳ねられたわけだ。オヤジはシェリーがアーロンという男と出ていった
ことから、後をつけると墓石で顔が潰れたアーロンの遺体があった。娘が殺したと動転した
オヤジ(スウェイジ)は、彼を自分のクルマにつんで、陸橋に運びそこから道に落としたのだ。
それがジャックのクルマにあたったのだった。

シェリーはダフィというボーイフレンドがいながら、アーロンとも付き合っていて、ダフィに
妊娠したから堕胎する金を500ドル都合してくれ、と迫る。困ったダフィは勤める雑貨屋の
女店員バジー(スワンク)に、強盗を装って店の売り上げ1200ドルを奪い、山分けしようと
誘う。妹が難病のバジーはいったんは断わるが、合意する。しかしオーナーにばれると
首になるので、自分を撃て、という。
そんな話をしているときに、シェリーが店にやってきた。シェリーはダフィーに金の用意は
出来たか、と聞きに来たふりをして、ダフィーのポケットからクルマのカギを奪い、クルマの
中にあったボーリングのボールを奪って、アーロンが死んでいる墓場へいったのだった。

なぜならば、アーロンが誘いに来て、出て行ったシェリーは、墓場の中でセックスの最中
アーロンの頭上のマリア像の頭が落ちてきて死んだのだった。慌てたシェリーは
ダフィーのクルマから盗んだボーリングのボールで何をしようとしたのか。

途中でシェリーのクルマはエンスト、そこにダフィーがやってきて、声を掛ける。
ダフィーは先ほど雑貨店でバジーを撃って、金を奪い逃げてきたところだった。しかし、
店から離れていく、シェリーはダフィーがバジーを本当に撃ったと勘違いして、警察に連絡
してしまう。
声を掛けられたシェリーは、道を渡ってダフィーの方に向かうところでケイタイに気を奪われ
走ってきたワゴンに跳ねられたいうわけだ。

雑貨店に急行したパトカーの警官は、まず腕に怪我をしているバジーを救助、病院に向かう
途中で、シェリーの事故に遭遇、そこにいた男が、通報があった強盗にそっくりなので、
銃をもっていた(逃げたワゴンを銃撃したのはダフィー)ダフィーを逮捕、バジーに彼が強盗
か、と聞く前に、自分も共犯だとバジーは告白する。二人をパトカーの後ろに乗せたところで
無線からクルマが鹿に跳ねられたから現場に行け、と言われる。「今か?」と聞くと
「署長の友達らしいから」と。そしてパトカーは二人を乗せて、ジャックが、実はアーロンを
跳ねた現場に到着した、というわけだ。

さらに、シェリーが跳ねられる直前にケイタイをかけていたのはなんとジャックだったのだ。
冒頭、何かが降って来て事故に会う前に電話していた相手とはシェリーだったのだ。

という風に、誰もがつながりをもってリンクしていくダイナミックな展開は、お見事だった。
一昨年だったか、アカデミー作品賞を獲った「クラッシュ」という映画を思い出した。
この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
Tracked from ☆彡映画鑑賞日記☆彡 at 2008-04-30 00:39
タイトル : 11:14
 コチラの「11:14」は、タイトルの「11:14」に起こったとある交通事故を中心に、その事故の関係者たちがその事故に至るまでの様子をそれぞれの視点から描いたクライム・サスペンスです。  監督&脚本は、コレがデビュー作となるグレッグ・マルクス監督。新人監督らしい....... more
by jazzyoba0083 | 2008-04-29 22:20 | 洋画=あ行 | Trackback(1) | Comments(0)