レマゲン鉄橋

●「レマゲン鉄橋 The Bridge at Remagen」
1968年 アメリカ United Artist 116min.
監督:ジョン・ギラーミン
出演:ジョージ・シーゲル、ロバート・ヴォーン、ベン・ギャザラ、ブラッドフォード・ディルマン他
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男の子は時々こういう映画を観たくなるものなんです。この時代には大型の戦記物が
たくさんありましたね。「史上最大の作戦」「パットン戦車団」とか。けっこうな大物俳優が
たくさん出てくるのも特徴で、主題歌が結構ヒットしたりするんですよね。しかし、この映画は
俳優もワリと地味めで、ストーリーも派手ではないですが、今では絶対にないような
実写の戦闘シーンや街の砲撃シーンなどは迫力あります。ギラーミンのアングルが空撮や
俯瞰を多用し、飽きることがない。冒頭の戦地に急行する部隊の戦車がフルスピードで
走るシーン、あんなにスピードを出す戦車を見たのは初めてだ。というかあんなに早く
走れるものなのだねえ。

敵のナチス・ドイツも英語で喋っちゃうのでいささか興醒めな点はあります。それとナポレオン
ソロで活躍していたころのロバート・ヴォーンがドイツ将校役なので、ちょっと違和感が
あったかな。
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第二次世界大戦も最終盤のころ、ドイツ・ライン河にかかるレマゲン鉄橋を巡る連合軍と
ドイツ軍の苛烈な戦いを描いたもの。ライン最後の橋となったレマゲンを、爆破して
連合軍の進入を許さないとするナチ指導部。爆破の指令を受けた将軍とその部下の
クルーガー少佐(ヴォーン)は、この橋を爆破すると、敵地に75000人のドイツ軍を
ドイツに帰れなくしてしまうため、命令を無視して、確保しようと努める。
一方の連合軍も、橋を爆破(たぶんにロシア軍をベルリンに入れたくないという思惑あり)
するために、ハートマン中尉を先鋒とする攻撃部隊に、攻撃を命ずる。

レマゲン鉄橋を巡る激しい砲撃戦が始まり、クルーガー少佐も、橋の爆破を覚悟する。
しかし、橋は、ハートマンらの活躍で爆発はするが落ちはせずに済み、戦車が渡れる
ことになった。連合軍は逆に、爆破から確保に戦略を変えたのだった。

クルーガー少佐は、橋を爆破するために将軍のもとに援軍を頼みにいくが、命令違反が
ばれて逮捕され、銃殺されてしまう。
「誰が敵なのか」とつぶやく少佐の言葉が重い。戦争も末期になりいくさの行方も大体
判ってきているのに、兵隊ばかりが意味も無く犠牲になっていく様子は良く描かれる
ところだ。全体に人物描写が弱く、戦闘シーンに見所のある映画だが、ラストはさすがに
考えさせるように出来ている。
ハートマンの相棒であるエンジェルが、ある意味主役のような気がする。
なお、レマゲンの鉄橋は正式には「ルーデンドルフ橋」であり、米軍が確保して数日後
自ら崩れて落橋した。その後この橋は復旧されることはなかった。
この映画の詳しい情報は

こちら
まで。
Tracked from samuraiの気になる映画 at 2008-07-05 23:20
タイトル : 「ハンス・クリスチャン・ブレヒ  -気になる役者-」
ここ1週間ぐらいの間に「レマゲン鉄橋」「バルジ大作戦」「史上最大の作戦」のDVDを購入いたしました。いずれも一枚1000円程です。良い時代になったものですね〜。嬉し涙が頬をつたいます。(笑) それぞれの映画の感想は置いといて、今回はこの3本すべてに出演し、いぶし銀の存在感をかもし出していたハンス・クリスチャン・ブレヒ(1915〜1993)という役者さんについて少し。 ドイツ人の俳優さんで、第二次大戦中は独軍兵士として東部戦線に従軍したそうです。本物なんですね。小柄な体でけっしてハンサムとは言え...... more
Commented by samurai-kyousuke at 2008-07-05 23:21
こんにちは。トラックバックさせて頂きました。
「レマゲン鉄橋」はテーマ曲もかっこ良かったですね。
by jazzyoba0083 | 2008-05-18 18:00 | 洋画=ら~わ行 | Trackback(1) | Comments(1)