2008年 05月 18日
レマゲン鉄橋
1968年 アメリカ United Artist 116min.
監督:ジョン・ギラーミン
出演:ジョージ・シーゲル、ロバート・ヴォーン、ベン・ギャザラ、ブラッドフォード・ディルマン他
男の子は時々こういう映画を観たくなるものなんです。この時代には大型の戦記物が
たくさんありましたね。「史上最大の作戦」「パットン戦車団」とか。けっこうな大物俳優が
たくさん出てくるのも特徴で、主題歌が結構ヒットしたりするんですよね。しかし、この映画は
俳優もワリと地味めで、ストーリーも派手ではないですが、今では絶対にないような
実写の戦闘シーンや街の砲撃シーンなどは迫力あります。ギラーミンのアングルが空撮や
俯瞰を多用し、飽きることがない。冒頭の戦地に急行する部隊の戦車がフルスピードで
走るシーン、あんなにスピードを出す戦車を見たのは初めてだ。というかあんなに早く
走れるものなのだねえ。
敵のナチス・ドイツも英語で喋っちゃうのでいささか興醒めな点はあります。それとナポレオン
ソロで活躍していたころのロバート・ヴォーンがドイツ将校役なので、ちょっと違和感が
あったかな。
第二次世界大戦も最終盤のころ、ドイツ・ライン河にかかるレマゲン鉄橋を巡る連合軍と
ドイツ軍の苛烈な戦いを描いたもの。ライン最後の橋となったレマゲンを、爆破して
連合軍の進入を許さないとするナチ指導部。爆破の指令を受けた将軍とその部下の
クルーガー少佐(ヴォーン)は、この橋を爆破すると、敵地に75000人のドイツ軍を
ドイツに帰れなくしてしまうため、命令を無視して、確保しようと努める。
一方の連合軍も、橋を爆破(たぶんにロシア軍をベルリンに入れたくないという思惑あり)
するために、ハートマン中尉を先鋒とする攻撃部隊に、攻撃を命ずる。
レマゲン鉄橋を巡る激しい砲撃戦が始まり、クルーガー少佐も、橋の爆破を覚悟する。
しかし、橋は、ハートマンらの活躍で爆発はするが落ちはせずに済み、戦車が渡れる
ことになった。連合軍は逆に、爆破から確保に戦略を変えたのだった。
クルーガー少佐は、橋を爆破するために将軍のもとに援軍を頼みにいくが、命令違反が
ばれて逮捕され、銃殺されてしまう。
「誰が敵なのか」とつぶやく少佐の言葉が重い。戦争も末期になりいくさの行方も大体
判ってきているのに、兵隊ばかりが意味も無く犠牲になっていく様子は良く描かれる
ところだ。全体に人物描写が弱く、戦闘シーンに見所のある映画だが、ラストはさすがに
考えさせるように出来ている。
ハートマンの相棒であるエンジェルが、ある意味主役のような気がする。
なお、レマゲンの鉄橋は正式には「ルーデンドルフ橋」であり、米軍が確保して数日後
自ら崩れて落橋した。その後この橋は復旧されることはなかった。
この映画の詳しい情報は
こちらまで。
ここ1週間ぐらいの間に「レマゲン鉄橋」「バルジ大作戦」「史上最大の作戦」のDVDを購入いたしました。いずれも一枚1000円程です。良い時代になったものですね〜。嬉し涙が頬をつたいます。(笑) それぞれの映画の感想は置いといて、今回はこの3本すべてに出演し、いぶし銀の存在感をかもし出していたハンス・クリスチャン・ブレヒ(1915〜1993)という役者さんについて少し。 ドイツ人の俳優さんで、第二次大戦中は独軍兵士として東部戦線に従軍したそうです。本物なんですね。小柄な体でけっしてハンサムとは言え...... more
「レマゲン鉄橋」はテーマ曲もかっこ良かったですね。