2008年 06月 29日
輝ける女たち Le Heros De La Famille
2006 フランス SBS Films,103min.
監督:ティエリー・クリファ
出演:ジェラール・ランヴァン、カトリーヌ・ドヌーヴ、エマニュエル・ベアール、ミュウ・ミュウ他
いかにもフランス映画らしい人生ドラマ。人間の悲哀といったものをヒューモアとペーソスで
料理する。
邦題は内容を意味するのではなく、女優陣の活躍を指しているような気がする。でも
原題の「家族のヒーロー」じゃ、なんのことだか判らないけどね。
『ニースにある小さなキャバレー“青いオウム”。ここで働くマジシャン、ニッキー(ジェラール・
ランヴァン)は幼い頃アルジェリアから亡命し、以来店のオーナー、ガブリエル(クロード・
ブラッスール)が父親代わりとなって世話してきた。
いまは店の歌姫レア(エマニュエル・ベアール)に夢中のニッキーだが、彼には母親の違う
2人の子どもがいた。元妻アリス(カトリーヌ・ドヌーヴ)との間に生まれた息子ニノと、
幼なじみのシモーヌ(ミュウ・ミュウ)を母に持つ娘マリアンヌだった。
そんなある日、ガブリエルが突然自殺した。青いオウムは当然自分が相続すると思っていた
ニッキーだったが、遺言は相続人としてマリアンヌとニノを指名していた。
しかし2人とも店を続ける気はなく、ニッキーの意に反して青いオウムは閉店の時を迎えようと
していた。』(allcinema)
オカマであったガブリエルは自らの女装に誇りをもっていたのだろう、ニースの海に入水自殺
を遂げた後、女装の姿で埋葬される。このガブリエルが時々画面に現れ、実の子並に育てて
きたニッキーに人生訓をたれる。
当然キャバレーは自分のものと思っていたニッキーだが、ガブリエルは彼には衣装を遺産と
して残した。えっ、てな感じのニッキー。方や、予想もつかなかった劇場の相続という事態に
困惑しつつも赤字の劇場はとっとと売り払いたい同性愛者のニノと、自分のダンナとは離婚し
ロシアから養子をもらう手はずを整えているマリアンヌ。彼女も劇場なんて要らないのだ。
しかし、アリス、シモーヌ、現役の歌手であるレアは、どうしてもこの劇場を残したい。
ある日、ニノとマリアンヌが劇場の中を調べていると、隠し扉から地下室が現れた。なんと
そこの壁には裸のニノの母、アリスの姿を描いた絵がかかり、隠微な雰囲気に溢れていた。
売春窟であるったことは明らかだった。ニノは、母親が元売春婦であり、父ニッキーは客の
一人であったことを理解する。
最後にはキャバレーは残ることになるのだが、その過程では、かつて元妻どうしで仲の悪か
ったアリスとシモーヌ、同性愛の異母兄妹、そしてニッキーがガブリエルの死、青いオウム
という小屋の存在を軸にいて人間性を回復していくことから、生まれた成果であった。
女優陣の吹き替え無しのジャズの名曲、ベッド・ミドラーやクィーンの名曲など、レビュー
ホールが舞台だけに、歌声を聴いているだけでも感激だ。
バラバラな家族が、なにかをきっかけに理解し合い、大団円を迎えつつ、しかし個人個人は
またそれぞれに、というフランスの国民性?がしっかり描かれていたが、この映画の持つ
独特の雰囲気は、それだけで鑑賞するに値すると思う。邦題どおり、女優陣は素晴らしい!
この映画の情報は
こちらまで。
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