2008年 08月 28日
フェイク Donnie Brasco
1997 アメリカ TriStar Pictures,Mandalay Entertainment,126min.
監督:マイク・ニューウェル
出演:アル・パチーノ、ジョニー・デップ、マイケル・マドセン、ブルーノ・カービイ、アン・ヘッシュ
『数多くのマフィアを摘発したFBI潜入捜査官、ジョー・ピストーネの捜査の全貌を描いた
実話の映画化。現在もマフィアに50万ドルの懸賞金を掛けられ、隠遁生活を送る伝説的
潜入捜査官ジョー役を、ジョニー・デップが熱演。
また骨太なドラマに磨きをかける、アル・パチーノの好演も見もの。単身、NYのマフィア
組織に潜入したFBI捜査官ジョー。ドニー・ブラスコという潜入名で街に潜伏した彼は、
ある日レフティ(アル)という男に出会った。彼に息子のように可愛がられ、さらに危険な
世界へと導かれてゆくドニー。そしてレフティはドニーの出現に夢を見、再び人生を掛けるが...。』(allcinema)
長い映画だったが、また同じ潜入モノでも「デパーテッド」ほど派手さもないが、じっくり
人間模様を見れる好編であった。ジョニデと奥さんの、おとり捜査官ゆえの離れ離れの
生活や、秘密を妻にいえないことからくる2人の心のすれ違いも描かれるが、妻は一度は
離婚を言い出すが、結局分かれないラストは少々描き方が足りない気がした、というか
このプロットを大胆にカットしたほうが、フィルムノワールとしては完成度が高くなったのでは
ないか、とも感じた。時間も短くなるし。
ジョニデも熱演だが、アル・パチーノの映画である、と言えよう。落ち目のチンピラマフィア
を演じるのだが、ジャージも似合ってしまう、そしておとり捜査官を「お前だから許せる」と
言い残して、彼を仲間に引き込んだことがばれて殺されに出かけていったのだ。
ドニー・ブラスコという変名でニューヨークマフィアの組員に、レフティに接触することで
成功したFBIおとり捜査官ジョー。組員の信頼を得て着実に情報を本部に送り、マフィアの
壊滅に成功していった。しかし、マイアミで借りたクルーザーがおとり捜査用のFBIの
所有であることが雑誌の記事から知るところとなったレフティは、あえて彼を信じる振りを
していた。そして、新しい親分の息子を殺しに出かけたところで、レフティは逮捕、ジョーの
ドニーとしての捜査活動は終息したのだった。
彼はこの活躍により金メダルと金500ドルの褒章を受けた。別れる寸前の妻も3人の娘を
伴って参加していたのだった。しかし、ジョーの目は、男として信頼しあった、今は亡き
レフティを見つめていたのだ。
ジョーの活躍により200件の証拠が集められ、100人が起訴された。これによりジョーは
今も仮名で住所も秘密で暮らしているという。
FBI捜査官のジョーが、レフティが引退を夢見てクルーザーを買って海で生活をしたいと
言っていたことを思い出し、捜査過程で取得していた30万ドルを自宅に隠していたのだが、
それをレフティにあげようと取りに戻った時、妻はその大金のことを知っていて、別の場所に
隠していたが、必死に探すジョーが、妻を平手打ちするシーンがあるが「やくざみたい」と
妻に言われ、ジョーがはっとするが、レフティとの心の交流の中で、ジョーの中になかば
マフィアの心が芽生えていたのかもしれない。アカデミーにノミネートされた脚本が光る。
粛々と進むこのフィルムノワールの成功は、アル・パチーノとジョニー・デップの抑えた演技
それと全体的にも抑制された演出も効果をだしていると感じた。
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