スターマン/愛・宇宙はるかに

●「スターマン/愛・宇宙はるかに」
1984 アメリカ Columbia Pictures, 114min.
監督:ジョン・カーペンター
出演:ジェフ・ブリッジス、カレン・アレン、チャールズ・マーティン・スミス、リチャード・ジャッケル
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スピルバーグの「未知との遭遇」が1977年だから、いかに「未知~」がよく作られていたかが
判るというもの。この映画も今から24年前の映画なので、CGなどは今とは比べるべくも
ないが、そっち方面より、宇宙人と地球人女性の心の触れ合いを描いている、ロマンス映画
というべきものだ。

宇宙探査衛星「ボイジャー」が、国連事務総長のメッセージや地球の50数種類の挨拶を
録音したディスクを積んで、打ち上げられたのは私も記憶に鮮明に残っている。
この衛星が本当に宇宙人に届くと面白いのに、と当時少年だった私も胸躍らせたものだ。

そのボイジャーのメッセージに応えて、異星人が地球にやってきた。到着したのはアメリカ。
未亡人宅に、形のないスピリチュアルのような光が入ってきて、4年前に事故で亡くなった
ご主人の遺髪を使って自らクローン化する。そして未亡人の目の前で赤ちゃんから、
亡くなった時のご主人の姿にまで、見る見る成長していくのだった。

実は、彼らが乗ってきた宇宙船は、米軍のNORADの攻撃により軌道を外され、予定外の
場所に不時着したのだった。地球人に変身した異星人は、3日後にラスベガス郊外の
ウィンスローに迎えに来てくれるように頼む。

亡くなったはずの主人の突然の出現に驚愕するジェニー(カレン・アレン)は、宇宙人(姿は
旦那=ジェフ・ブリッジス)にクルマの運転をさせられて西へ向かった。

連邦政府の地球外生物調査官マークとアメリカ陸軍が、墜落した宇宙船から逃げたであろう
宇宙人を追う。彼らをかわして逃げる二人。最初、誘拐されると危険を感じていたジェニー
だが、実は優しく、自分が愛していた主人と重ね合わせていた。
しかし追っては容赦なく迫る。バリケードを突破し、市民の力を借りながら、西を目指す。
次第に言葉も学習し、乗り込んだ貨物列車の中で2人は結ばれ、子供の出来ないからだで
あったジェニーに男の子を授けた。

レンタカーで途中のドライブインで休んでいるときに警官隊に囲まれたが、かけつけた調査官
マークが、地元警察に、人違いだ、といって逃がしてやる。実は陸軍の局長は、宇宙人を
とらえて解剖しようとしていたのだ。それをマークは許せなかった。こちらの招きに応じて
来たのですよ!と言っても軍隊には通じなかったのだ。
ついにウィンスローのクレーターにやってきた2人だったが、迎えの宇宙船が来る前に
陸軍が大挙して追ってきて、銃撃を加えてきた。
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その時、全体が鏡のような球体が空から降りてきた。皆が見守る中、宇宙人は、ジェニーに
「愛しているよ。さよなら」と言って、去って行った。彼が地球に残ることは死を意味し、また
ジェニーが宇宙船に乗ることも出来なかったのだ。空に消えていく宇宙船を見つめる
ジェニーの顔のアップで映画は終わる。

ジェフ・ブリッジスはこの演技でこの年のアカデミー賞主演男優賞にノミネートされている。
ストーリーは既視感のあるもので、珍しくはないものだが、それに結末も予見できるものだが、
なんとなく見ちゃうな。そこはかとなく心温まるSFものだといえよう。カレン・アレンも
いい。彼女が地球人を代表している形だが、驚いたり、感心したり、そして愛したり、見ている
側の代償行為により、私たちはシンパシーを感じることが出来るのだろう。
サブタイトルはいかにも80年代風だが、不要だな。これが付いていることで避ける人もいる
だろう。
この映画の情報は

こちら
まで。
Commented by samurai-kyousuke at 2008-11-09 10:39
カレン・アレンは「インディ・ジョーンズ最新作」で20%増量したヒロイン役を、ジェフ・ブリッジスは「アイアンマン」で憎々しい敵役をそれぞれ好演してましたね。
この映画はカーペンター作品としては珍しく、ひねりの無いすっきりしたラストで印象に残っています。
by jazzyoba0083 | 2008-11-08 22:20 | 洋画=さ行 | Trackback | Comments(1)