2008年 11月 23日
ハッピー・フライト HAPPY FLIGHT
2008 日本 フジテレビジョン、アルタミラピクチャーズ、東宝、電通 103min.
監督:矢口史靖
出演:田辺誠一、時任三郎、綾瀬はるか、吹石一恵、田畑智子、寺島しのぶ、田中哲司
笹野高史、田山涼成、ベンガル、岸部一徳ほか。
面白かった、愉快だった、笑っちゃった、けど、それだけだね。それだけがいいんだけど。
ジャンボをホノルルに飛ばすまでの飛行機に関わる様々な人が苦闘する物語、いわば
群像劇だけど、主役らしい主役と言えば、機長になるための最後のOJTとして、ホノルル便
のコパイとして試験を受ける田辺誠一か?
矢口作品初見である。さまざまなコメントを見ると、前作群に比べ達成した感じのカタルシスが
不足している、と指摘されている。たしかに、壮大なる全日空の宣伝映画とも見えなくもない。
が、それはそれ。矢口らしさの切り口で、上等なエンタテインメントに仕上がっているのでは
ないか。
同時期に「私は貝になりたい」が封切られているが、明るい映画を見たい人は絶対にこっちだ。
ちょっとものを考えてみようかな、と思う人は「貝」をご覧になるといい。
私はこっちを見て、気分はとてもハッピーになった。そういう意味で、「いい映画」だった
といえる。どちらかというと飛行機が好きで、観るのも乗るのも好きで、「そうそう、そう
なんだよね」と思わず笑っちゃうところが、ふんだんと登場し、飛行機好きをくすぐる。
東京コントロールのオヤツが飛行機型のチョコレートで、何げなくならんだ飛行機が落ち
着かない、といって整理する、いとうあいこに、おいおい職業病かい、と言っている仲間も、
感覚は5マイルでしょ、とか、そうきたら、こうでしょ、とかやっている。
そんな何気ないヒトこまに、矢口のこだわりを感じ、しっかりくすぐられてしまうのだ。
コパイのOJTでの機長昇格試験を受ける鈴木(田辺)は、優しい試験担当機長(小日向)が
風邪をひいてしまったため、厳しい原田(時任)機長とフライトすることに。目的地はホノルル。
ANA1980便は、まず新米CA斎藤(綾瀬)、先輩田中(吹石)、彼女らを率いるチーフパーサー
山崎(寺島)などの客室乗務員たち。グランドスタッフの木村(田畑)、森田(田山)ら。
オペレーションコントロール(ディスパッチャーら)の高橋(岸部一徳)、整備士の小泉(田中)
中村(森岡龍)ら、そのほか、管制コントロール、レーダー、バードストライクを防ぐため
空砲を撃ちに行くバードマンら、さまざまな人が、いろいろな思いで、1つの飛行機を無事に
飛ばそうと心を一つにして仕事にあたる情熱の素晴らしさを描いて進む。
ここに自分勝手のお客や、CAたちの失敗などが絡んで、ついにANA1980便は、速度計の
表示に異常があり(バードストライクでピトー管という速度を測る装置が壊れてしまった)
羽田に引き返すことに。羽田は台風が過ぎようとしていた。荒天で、ジャンボの着陸には
非常に難しい状況だ。こんな中、コパイの鈴木は奮闘し、雲の切れ目を狙い、風に尾翼を
流されながら、何とか着陸に成功するのだった。
まあ、ストーリー的にはそんなところだが、ここに矢口が徹底的に研究したとされる飛行機を
取り巻く人々の裏側がリアリティと笑いをもって描かれる。魚と肉を選ばせる新米CA、早々に
肉がなくなり、半泣き。そこにCPが現れ、「バランスを取ってやりなさい」といって、魚が
どんなに美味しいか口上を述べて、次々と魚をはけさせる技、機長とコパイは同じ食事を
してはいけない、という様子。
グランドスタッフがある乗客がトランクを人のと取り間違えられたとき、間違えた人が乗った
バスをトラメガで怒鳴って止める様子、飛行機が怖くてたまらないカツラの乗客(笹野)に
エプロンにゲロを吐かれる新人CA。ギャレーの中で、青竹踏みをしながら5分間で食事を
すますCAたち。
矢口監督は脚本も担当したのだが、よく勉強したと関心した。航空用語など難しい点もあった
だろうに。飛行機オタクもちゃんと出てくるし、操縦席も本物そっくりで、なにより機内撮影は
ANAが15日間も貸してくれた本物のジャンボの中で撮影されているから、リアリティは
より増している。
観終わってなんか楽しい気分になって出てこられる映画。思想性は皆無だが、エンタテイン
メントとしては成功していると思った。飛行機好きならたまらない作品でしょう。
冒頭、飛行機に乗ると必ず見せられる安全のためのVTRから始まるのも思わずニヤリだ。
役者としては、グランドスタッフの田畑智子、CA吹石一恵、機長時任三郎、整備士田中哲司
そして日本のモーガンフリーマンのように、出ていると映画が締まる岸部一徳が数多い
出演者の中で良かったと感じた。竹中直人もラストにチョイ役で出てくるが、私は気が付か
なかった。
綾瀬はるかは・・・制服姿が可愛かった!!
鑑賞後、矢口監督の絵コンテ、「創作ノート」を2100也で買ってしまった。
キムタクの「Good Luck!」と同じような雰囲気。これでまた全日空のイメージが上がるんだ
ろうなあ。
封切り1週間後の鑑賞。シネコンのこの映画のスクリーンは若い女性が多かった。
この映画の情報は
こちらまで。
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