2008年 11月 22日
臨死 The Invisble
2007 アメリカ Hollywood Pictures,SpyGlass Entertainment 97min.
監督:デヴィッド・S・ゴイヤー
出演:ジャスティン・チャットウィン、マルガリータ・レヴィエヴァ、クリス・マークエット他
知っている人が誰も出ていない日本未公開の映画。邦題ほど深刻じゃない青春映画だ。
この手の映画なので、突っ込みどころは満載だが、気楽に見ればいいんじゃないかな。
お利口なお坊ちゃんとして育てられた父親のない男の子と、貧乏な母のいない家庭で
荒んだ生活をしている娘の、不思議な生命の交流を描く。
ニックは裕福な家庭で育ち、成績も優秀な男の子。ある日親友のピートが不良に囲まれて
いるところを助けたことから彼ら特に女ボス的なアニーに目を付けられる。
アニーは、仮釈放中のマーカスという自動車修理工のボーイフレンドがいる。ある夜、アニー
らは、宝石店のショウウインドウを壊し、宝石を強奪、盗難車で逃げた。
アニーはマーカスに売りさばいてくれと頼むが、そんなやばいことはできないと断る。
これに対し、口汚く罵りアニーは出ていく。そんなアニーに頭にきたマーカスは警察に宝石店
強盗を密告する。
警察に逮捕されたアニーだったが裁判までの保釈中、自分を売ったのはピートに違いないと
目をつけて、彼を呼び出し傷めつけ白状させようとするが、苦し紛れにピートはニックの名前を
出してしまった。
アニーたちはニックを呼び出し、ぼこぼこに傷めつけ、やりすぎて瀕死にしてしまった。
まずいと感じたアニーたちは森の中のマンホールのようなところに彼の体を隠した。
ニックは、幽体離脱のようになり、みんなからは見えないが、世の中のことはすべて判る
幽霊のような存在となっていた。そこで、自分の体を見つけてくれ、と叫ぶが聞こえない。
ある日、アニーは盗んだ指輪を故買して、自分の幼い弟に宛てた封筒にいれた。そして
警察がどうやらアニーが怪しいとにらんでいると知り、逃げようと、弟に最後の別れを言いに
家に寄る。いいことをしたいんだ、というアニーの心情をニックは横に立って見ている。
アニーは母に先立たれ、父の愛情のない接し方に荒んでいたのだった。片や自分は母親から
期待をかけられがんじがらめになって自由がない身分。どこか共通点を感じていく。
するとアニーにニックの声が聞こえてくるようになる。森の中のニックの隠し場所に行くとすで
にニックの体はなかった。ピートに聞くが、わからないという。彼は自責の念にかられ
服毒自殺を試みる。
アニーは、ピートから、警察にちくったのは自分でもなければニックでもないと教えられ愕然と
する。そしてマーカスのやったことに違いないと、マーカスを銃で脅して拉致し、ニックの
体がダムにあることを聞き出すが、アニーはマーカスに撃たれ重傷を負う。
携帯で警察に電話し、ニックの体がダムにあることを告げた。ダムは放水を始めたが寸での
ところで水を止め、ニックの体を救出した。救急病院に搬送されたニックだったが生死の境目
にあった。アニーは病院に現れた。ニックの母親から平手打ちを食らうが、やったことを
告白、自分は何でかわからないが、ニックのところにいかなくちゃならない、という。
そしてベッドに横たわる瀕死のニックに寄り添うと、ニックの意識が戻った。やっといいことが
できたね、といいながら彼女は絶命するのだった。君は僕の命の恩人だよ、というニックの
言葉を聞きながら・・・。
自分がほとんど殺されそうになった相手を幽体離脱中に理解したとはいえ、そんなに簡単に
許すだろうか。あとしちょっとでほんとに死んじゃったかもしれないのに。
ニックは当初、自分の不満を家庭のせいにするな、やったのは自分じゃないか、と聞こえない
アニーに叫ぶが、家庭の不満から母親に内緒でロンドンに飛ぼうとした自分と大した変りは
無いということだよね。アニー、喧嘩強すぎじゃないかね。銃の撃ち方もあの年齢でばっちり
なのもちょいとね。それに引き換え、ニックの方が精神年齢が幼すぎるかもしれない。
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